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ICOの8つの法律規制と合法的資金調達のやり方とは?弁護士が解説

ICO

はじめに

ICO(アイシーオー・Initial Coin Offering)による資金調達をしたいけれども、「金融庁による法律規制が厳しいから、日本ではできない、やめたほうがいい」など、ネガティブな意見をよく聞くため、ICOへ、踏み切れない方は多いのではないでしょうか。

他方で、実際に「なぜ日本ではICOが無理と言われているのか?」「ICOによる資金調達を合法的にする方法はないのか?」について、きちんと理解している方は少ないと思います。

そこで今回は、ICOによる資金調達の仕組みに始まり、ICOにまつわる日本での法律規制の内容、合法的に資金調達をするためのスキーム(やり方)、見逃せない税金の関係や海外でのICO規制等などについて、弁護士がわかりやすく具体的に解説していきます。

目次

1 仮想通貨(暗号通貨)とは

ICOとは

まず、ICOの前提となる「仮想通貨」の意味について確認します。

仮想通貨(暗号通貨)」とは、インターネットを通じて直接ユーザー同士でやりとりされる通貨で、中央銀行などの公的な発行主体や管理者が存在せず、専門の取引所を介して円やドルなどと交換できるものをいいます。仮想通貨は、別名「暗号通貨」とも呼ばれます。通貨といっても、すべてデータとして管理されているため、私達が普段使っているような紙幣や硬貨といった実物はありません。

代表的な仮想通貨として、イーサリアムビットコインリップルなどがあり、最近では流出事件でネムコインの名前を耳にした方も多いのではないでしょうか。

仮想通貨は、インターネット環境さえあれば世界中どこにいても使用できたり、海外への送金も低コストで済むというメリットがあるため、ユーザー数は2024年までに2億人に達するともいわれています。

※なお、仮想通貨を取り締まる「仮想通貨法(改正資金決済法)」では、後で説明するとおり、1号仮想通貨、2号仮想通貨という概念を用意しており、この概念にあてはまるもののみを「仮想通貨」と呼んでいます。そのため、以下では、日常用語としての仮想通貨は「暗号通貨」とし、仮想通貨法の規制がされるもののみを「仮想通貨」と呼びます。

2 ICOとは

ICOとは

(1)ICOの仕組み

ICO(アイシーオー・Initial Coin Offering)」とは、企業が「トークン」と呼ばれる独自の暗号通貨を発行し、それを投資家から主にイーサリアム等の仮想通貨を対価として購入してもらうことで資金調達をする方法をいいます。主にスタートアップ企業に取り入れられている資金調達の方法です。

群衆から資金調達をするという点で「クラウドファンディング」にも似ていることから、別名「クラウドセール」あるいは単に「トークンセール」とも呼ばれます。

ICOの特徴として、企業が発行するトークンは、現金ではなくイーサリアム・ビットコインなどの仮想通貨を使って購入してもらう、という点が挙げられます。

企業は、手に入れたビットコインなどを仮想通貨交換所を通じて現金に換金することで事業資金を手に入れる形になります。

ICOの仕組み(スキーム)を簡単に表すと、下の図のようになります。

ICOの仕組み

(2)ICOのメリット

ICOはIPO(アイピーオー・新規株式公開)と似ている部分もありますが、証券会社などの第三者を介さずに資金調達ができる点や、株式のような持ち分の希薄化が起こらない点などが異なります。

企業がICOを行うメリットとしては、

  • 証券会社や取引所の審査を経る必要がない
  • 株式のように支配権が移転したり、出資者に対して配当を支払う義務がない
  • 社債のように出資者に対して利息を支払う義務がない
  • スピーディーに多額の資金を調達することができる

などがあります。

要するに、企業にとってICOは、IPOにくらべて「お手軽な資金調達方法」なのです。

(3)ICOの具体的な手順・流れ・やり方

実際にICOにより資金調達を行う場合の、具体的な手順や流れは以下のようになります。

  1. アナウンス
  2. オファー
  3. PR活動、マーケティング
  4. トークンセールの開始(トークンの販売)

①アナウンス

ICOをすると決めたら、企業はまず、投資家たちに向けて「トークンを発行すること」を知らせる必要があります。一般的には自社のホームページやSNSを利用して周知を行いますが、より多くの投資家へ情報を届けるために、ICOに関する情報をまとめた投資家向けのサイトに登録しておくのも効果的です。

たとえば、COINJINJAクリプトコインポータルなどがあります(もっとも、この手のサイトに必ずしも掲載してもらえるわけではありません。)

また、投資家を集めるためには、トークンセールに参加するメリットや事業計画、プロジェクトの魅力などをアピールする必要があります。そのため、ほとんどの企業が「ホワイトペーパー」を作成し、ホームページなどに掲載します。「ホワイトペーパー」とは、ICOに関する情報をまとめた書面のことで、事業計画書のようなものです。株式上場の場合で言う「目論見書」にあたります。

ホワイトペーパーに記載する内容としては、以下のような項目が挙げられます。

  • ICOの開始日や締切日
  • 資金調達によって開発・運用しようとするプロジェクトの具体的な内容
  • プロジェクトとトークンの関連性や技術的な説明
  • トークンの性質や機能、トークンを保有することのメリット
  • トークンの総発行量や発行されるトークンの割当先
  • ICOにおける最低調達額や最大調達額
  • プロジェクトの開発ロードマップ
  • トークンの法的性質やリスクについての説明など

これらの情報を公開・発信することで、投資家たちにプロジェクトの価値や正当性を伝え、ICOに参加するかどうかを判断してもらいます。

②オファー

ICOをする企業は、不特定多数の投資家にICOへの参加を求めるだけではなく、「この人に是非投資してほしい!」という特定の投資家に対してアプローチすることもできます。これを「オファー」といいます。オファーをすることで、より有力で知名度のある投資家に協力してもらえる可能性が高まり、ICOの成功に近づくことができます。

また、ホワイトペーパーを作成していなかったとしても、この段階までには

  • ICOの開始日や締切日
  • トークンの性質や機能
  • 最低資金調達額
  • プロジェクトの期限
  • トークンの最大発行数

などを決めておく必要があります。

③PR活動、マーケティング

ICOを成功させるためには、より多くの投資家に向けてプロジェクトのアピールをする必要があります。

特に、スタートアップ企業の場合は知名度がほとんど無いため、PR活動&マーケティング戦略がICO成功のカギとなります。そのため、自社サイトやSNS、ネットニュースなど、複数のメディアを使ってICOを周知することが重要となります。

④トークンセールの開始(トークンの販売)

オファー期間までに設定した最低調達額に達するように、トークンの販売を行い投資家たちに分配します。

以上がICOの流れになります。

なお、無事にトークンセールまでこぎつけても、トークンがユーザー間で流通せず、価値が上がらないという可能性もあります。そのため、トークンセール前にしっかりと事業計画やPR活動について戦略を立てておくことが重要です。

(4)ICOトークンの種類・性質

ICOを行う場合に不可欠となるのが「トークン」です。「トークン」とは、企業が発行する独自の暗号通貨のことをいいます。出資者がイーサリアムやビットコインなどの仮想通貨を使ってこのトークンを購入することで、資金調達ができることはすでに解説しました。イーサリアムやビットコインなどの仮想通貨と交換することができる「引換券」と考えるとわかりやすいかもしれません。

さて、この「トークン」は、発行する企業ごとに様々な特徴があります。代表的なものとしては、

  1. 仮想通貨型トークン
  2. 会員権型トークン
  3. プリペイド型トークン
  4. ファンド型トークン
  5. アプリケーション・プラットフォーム型トークン

の5種類があります。

詳細はあとで述べますが、どのタイプで独自トークンを設計するのか?によって「仮想通貨交換業の登録」という、スタートアップなどの企業にとっては極めてハードルの高い手続きを踏まなけらばならず、その結果、実際上ICOをあきらめざるを得ない事態に陥る可能性があります

そのため、発行体企業がICOをする際には、どのタイプの独自トークンで設計するかをきちんと検討する必要があります。

なお、いずれの独自トークンも、ICOの文脈においては、それ自体に大した価値はなく、独自トークンが将来的に「上場」して市場で売却できる仕組みがビルトインされることではじめて、売却益を見込んだユーザーの投機対象としての価値を持ち、出資の対象となります。

それでは、独自トークンの種類を順番にみていきましょう。

①仮想通貨型トークン

仮想通貨型トークン」とは、イーサリアムやビットコインのように、決済手段や送金手段として一般の取引に使用してもらうことを想定したタイプのトークンです。

ただし、この場合、後での解説する「改正資金決済法(通称:仮想通貨法)」の「仮想通貨」に該当し、イーサリアムといった仮想通貨とのエクスチェンジが可能として「仮想通貨交換業」の登録が求められる可能性が高いです。

財務基盤の脆弱なスタートアップにとっては、仮想通貨型トークンで独自トークンを設計してしまうと、事実上ICOを断念せざるを得ないことに注意が必要です。

②優待会員権型トークン

優待会員権型トークン」とは、トークンを保有していることにより、発行企業から会員優待を受けられるトークンのことをいいます。株主優待を想像してもらうとわかりやすいかと思います。

トークンを発行した企業だけではなく、提携している他の企業のサービスについても割引などの優待を受けられる場合があります。

③プリペイド型トークン

プリペイド型トークン」とは、SuicaやPASMO、Edyなどの電子マネーのように、

発行体企業の商品やサービス内で使用可能なトークンのことをいいます。発行者のサービス内で、トークンを商品の購入やサービスの対価として使用することができます。

この場合、発行する独自トークンが、後で解説する「前払式支払手段(まえばらいしき・しはらいしゅだん)に該当してしまい、供託金という形で大量の現金を用意しないといけなくなる可能性があります。

④ファンド型トークン

ファンド型トークン」とは、トークンの保有割合に応じて収益の分配を受けることができるトークンのことをいいます。株式でいう配当のように、発行企業が行う事業の成果に応じて、トークン保有者に収益が分配されます。

ただし、このタイプの独自トークンについては、金融庁のICOガイドラインによれば、「ICOが投資としての性格を持つ場合、仮想通貨による購入であっても、実質的に法定通貨での購入と同視されるスキームについては、金融商品取引法(※)の規制対象となると考えられます。 」とされています。金融商品取引法の規制の詳細については、後ほど解説します。

※金商法の解説については、「クラウドファンディングの法律規制とは?3つのポイントを徹底解説!」の記事の中にある「投資型クラウドファンディング」の部分も参考にしてください。

⑤アプリケーション・プラットフォーム型トークン

アプリケーション・プラットフォーム型トークン」とは、ネットワーク上のアプリケーション・プラットフォームを利用するために発行されるトークンのことをいいます。

たとえば、ビットコインに次ぐ時価総額・取引高が高い「イーサリアム」の場合、「イーサリアム」というアプリケーション・プラットフォームの利用料を支払うために「Ether(イーサー)」という仮想通貨が発行されています。

このイーサリアムは、そのネットワーク上で発行体独自のトークンを発行することができ、 ICO案件の多くでは、イーサリアムのネットワーク上で発行したトークンを販売するケースが多いとされています。

このタイプの独自トークンが、Ether と同じく決済や送金の手段としても利用できる場合には、「①の仮想通貨型トークン」と同じく、改正資金決済法でいう「仮想通貨」にあたり、「仮想通貨交換業の登録」が必要になる可能性が高いです。

以上がICOの文脈で使われる独自トークンの種類になります。

いずれで設計するかは、主に、面倒な「仮想通貨交換業の登録」の手続きを踏んで安全にICOをするのか、それとも、スピーディーに資金調達を実現するべく、独自トークンが「仮想通貨」にあたらないという見せ方でやりたいのか?によって決まります。

3 ICOの法律規制の全体像

ICOの法律規制

次に、実際にICOをする際に検討すべき法律規制の内容を解説します。

ICOを行う際に企業が発行するトークンがどのようなタイプかによって、いくつかの法律の規制対象となる可能性があります。そのため、発行されたトークンがどのような場面で使われるのかなどの性質や、出資者へ与えられる権利などを個別に検討する必要があります。

独自トークンによるICOを実施する際には、主に、以下の1~3のフローで、法律規制を検討していくことになります。

  1. 仮想通貨法上の「仮想通貨」にあたるか?
  2. 資金決済法上の「前払式支払手段」にあたるか?
  3. 金商法上の「ファンド規制」にひっかからないか?

法律規制のフロー

次の項目から順番にみていきましょう。

4  ICOの法律規制①:仮想通貨法の「仮想通貨」にあたるか?

仮想通貨法の規制

まず、ICOを実施したい企業が検討すべきは、発行する独自トークンが「仮想通貨」(=仮想通貨型トークン)にあたらないか?という点です。

仮に、改正資金決済法の「仮想通貨」に該当してしまった場合、「仮想通貨交換業者」としての登録を受けなければいけません。

詳細は後で説明しますが、「仮想通貨交換業」の登録ができるのは、相当程度の取扱実績と業務管理体制を具備している企業ですので、ポッとでのスタートアップ企業ではなかなか登録の審査が通らないのが実情です。審査が通らないと、結局、ICOによる資金調達ができなくなります。反対に、仮想通貨交換業の登録に耐えうる財務基盤などを有しているのであれば、堂々と仮想通貨交換業の登録を得たうえでICOをすればよいわけです。

そのため、ICOをする際には、通常、発行体の独自トークンが

  1. ICO時点で「仮想通貨」に該当しないという前提で、仮想通貨交換業の登録を回避する
  2. ICO時点から「仮想通貨」に該当する前提で、仮想通貨交換業の登録をする

のいずれかで設計していくことになります。

(1)トークンが「仮想通貨」に該当する場合とは?

さて、最初の検討事項である「仮想通貨」の意味を確認します。

仮想通貨法では、「仮想通貨」の定義を以下のように定めています。

  1. 物品の購入・仮受け、または役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用できること(要件その1:不特定性)
  2. 不特定の者を相手方として購入・売却を行うことができる財産的価値であること(要件その2:財産的価値)
  3. 電子機器その他の物に電子的方法によって記録され、電子情報処理組織を用いて移転することができるものであること(要件その3:電子的記録)
  4. 日本通貨・外国通貨、通貨建資産でないこと(要件その4:非法定通貨)

簡単に言いますと、「不特定の人に対して、物を売ったり買ったりするときに使うことができるもの(通貨としての価値を持つもの)」という性質を持っているトークンを「仮想通貨」としているのです。

これらをすべてみたす独自トークンは「仮想通貨」にあたり、イーサリアムなどとのエクスチェンジをする場合には、仮想通貨交換業の登録が必要になってしまいます。

この点、仮想通貨の要素としては、4要件ありますが、ICOをする上でポイントになるのは、「不特定性」「財産的価値」の要件です。

これは、不特定の人に対して、

  1. お金の代わりに決済手段として使うことができること(不特定性)
  2. その仮想通貨を売ったり買ったりできること(財産的価値)

と言い換えることができます。

そのため、①発行されたトークンが、発行企業が行っているサービスや指定した店舗でしか使えない場合や、②発行者が制限をかけていてトークンの売り買いが自由にできない場合には、「仮想通貨」の要件をみたさず、次の項目で解説する「前払式支払手段」に該当するかどうかを検討することになります。

反対に、「仮想通貨」に該当する場合には、次の項目で説明する「仮想通貨交換業」の登録が必要になります。

なお、仮想通貨の定義に関してさらに詳しく知りたい方は、「仮想通貨の法律規制とは?仮想通貨法6つのポイントを弁護士が解説!」と金融庁による仮想通貨ガイドラインをご覧ください。

このような「仮想通貨」の定義に照らすと、発行体の独自トークンが

  • ICOのセールで購入の申し込みをした会員に対してのみ販売し
  • かつその会員間限りで売買できるにすぎない

という設計にした場合、「不特定」「財産的価値」の要件を満たさず、「仮想通貨」には該当しないと判断される可能性があります。

なお、自主規制団体である「一般社団法人日本仮想通貨事業者協会」が平成29(2017)年12月8日付で発表したICOガイドラインでは、ICOの際に発行する独トークンの性質に応じて、仮想通貨該当性について以下の2類型に分けて整理し、それぞれについて仮想通貨該当性についての見解を示しています。

  1. ICOにより発行されたトークンが既に国内または海外の取引所において取り扱われている場合
  2. 法定通貨又は1号仮想通貨との交換が制限されていないトークンを ICOにより発行する場合

このICOガイドラインどおりであれば、日本国内でICOができるケースがかなり限られてしまうことになりますが、参考までに紹介します。

なお、このICOガイドラインは、金融庁の発表したものではなく、一般社団法人日本仮想通貨事業者協会が発表したものにとどまるので、これが金融庁の公式見解というわけではないことには注意が必要です。

① ICO により発行されたトークンが既に国内または海外の取引所において取り扱われている場合

この場合、当該トークンは国内又は海外の取引所を通じて「本邦通貨又は外国通貨との交換市場が存在する」又は「1号仮想通貨との交換市場が存在する」ことが明らかである。また、取引所に上場しているトークンの場合、通常、発行者による制限なく売買又は交換ができることから、上記の考慮要素に照らして、仮想通貨に該当するものとして取り扱うことが適当と考える。

これは、ビットコインやイーサリアムのように、市場価値がつき、取引所において取引の対象とされているような独自トークン(「仮想通貨型トークン」)については、ビットコインなどが「仮想通貨」として扱われているのと同じように、改正資金決済法上の「仮想通貨」として取り扱う、ということを述べているものと考えられます。

このタイプの独自トークンをイーサなどの「仮想通貨」を対価としてICOする場合、「仮想通貨との交換」をしているものとして、「仮想通貨交換業」の登録が必要になってしまいます。

これはとても分かりやすいですし、ICOをしたい企業としても納得できるところかと思います。

②法定通貨又は1号仮想通貨との交換が制限されていないトークンを ICOにより発行する場合

具体的には、トークンの発行時点において、将来の国内又は海外の取引所への上場可能性を明示又は黙示に示唆している場合はもちろん、そのような示唆が存在しない場合であっても、発行者が、本邦通貨又は外国通貨との交換及び1号仮想通貨との交換を、トークンの技術的な設計等において、実質的に制限していないと認められる場合においては、仮想通貨に該当する可能性が高いため、仮想通貨に該当しないとする個別具体的な合理的事情がない限り、原則として、トークン発行時点において、資金決済法上の仮想通貨に該当するものとして取り扱うことが適当と考えられる。

※注:4 金融庁事務ガイドラインは、発行段階で流動性に欠けるトークンも仮想通貨に該当しうることを前提として、仮想通貨の取扱いの適切性を判断すべきとしている(同ガイドラインⅠ-1-2(注4))。

このガイドラインを分解すると、

  1. トークンの発行時点において、将来の国内又は海外の取引所への上場可能性を明示又は黙示に示唆している場合
  2. 発行者が、本邦通貨又は外国通貨との交換及び1号仮想通貨との交換を、トークンの技術的な設計等において、実質的に制限していないと認められる場合

の二つの場合を想定し、いずれの場合にも、独自トークンは改正資金決済法上の「仮想通貨」にあたり仮想通貨交換業の登録が必要になるとしています。

「1.」によれば、ホワイトペーパーやwebサイト上で、「独自トークンは最終的に取引場に上場させる予定です」といった記載がある場合や、そういった直接的な記載がなくても、コンテクストなどから上場可能性が読み取れる場合にも、その独自トークンが「仮想通貨」にあたり、仮想通貨交換業規制がかかる、ということになると考えられます。

もっとも、「トークンの発行時点」という文言の解釈によっては、ICOをしたい企業との思惑とバッティングせず、独自トークンを「仮想通貨」にあたらないという形で設計することも可能、といえるかもしれません。

「2.」は、たとえ、上場の可能を示唆していなくても、独自トークンの基礎となる「技術面」において、イーサリアムなどとのエクスチェンジを制限していない場合には、これまたその独自トークンを「仮想通貨」とみなして規制をかける、ということになります。

反対にいえば、技術的にも制限している独自トークンであれば、「仮想通貨」に当たらない形でICOを実現できる可能性が残されていることになります。

そのため、独自トークンの技術的基礎の面において譲渡制限をかける形の設計をすれば、改正資金決済法上の「仮想通貨」にあたらずに資金調達できる可能性はあります。いずれにしても、本協会のガイドラインは、重要な指針ではありますが、金融庁自体の公式見解というわけではないため、国内ICO案件においては、金融庁とうまく連携をとりつつ進める必要がありますね。

(2)日本国内でのICOスキーム(やり方)案

以上を踏まえて、日本国内でICOをする際のスキーム案を参考までに、記載しておきます。

※いずれも金融庁からお墨付きを得た方法というわけではなく、私見にとどまること、また、税務の面は考慮していません。

ICOのスキーム案は大きく分けて、

  • A案)仮想通貨交換業の登録を取得する方法
  • B案)仮想通貨交換業の登録を取得しない方法

の2案があり得えます。

    A案)仮想通貨交換業を取得してしまう方法
  • 内容:金融庁を通して、独自トークンの発行体である自社において仮想通貨交換業の登録をすることで、改正資金決済法の問題をクリアする方法です。
  • メリット:(比較的)法的には安全にICOができる
  • デメリット:①最低1000万円の資本要件のほか、厳重なセキュリティ対策が求められる(開発・維持費がかなりかかるものと考えられる)、②取得まで時間がかかるなど
    • B-1案)独自トークに技術的に制限をかけ、クラウドファンディング類似の形でICOをする方法
  • 内容:独自トークンに技術的にも譲渡制限をかけることで、改正資金決済法の「仮想通貨」の該当性を回避する方法です。
  • メリット:①仮想通貨交換業の規制をくぐりつつ、②資金調達が迅速にできる可能性がある
  • デメリット:①仮想通貨交換業の規制をどこまで回避できるかは不透明であること、②どこかの取引所で上場する際には、いずれにせよ「仮想通貨」にする必要があり、その際に、交換業の取得を求められる可能性がのこること(もっとも、仮想通貨を「発行」するだけでは、仮想通貨交換業には該当しないので、どこまでいっても、このスキームでは自身が仮想通貨交換業の登録が必要ない、と考えることもできます)。
    • B-2案)最初からテックビューロの「COMSA(コムサ)」等の仮想通貨交換業者と提携してICOをする方法
  • 内容:独自トークンの発行等を仮想通貨交換業者に委託し、自社は、組成フィーという名目などで、調達した資金の一部を現金で調達する方法
  • メリット:①当座は、自社での仮想通貨交換業登録の取得をしないため、迅速に資金調達できること、②コムサの場合、取引所への上場までを一気通貫でやってくれるため、投資家目線からみてもICOの安全性がある程度担保されることなど
  • デメリット:①コムサで取り扱ってもらえる基準が不明で、取扱いの保証がないこと、②コムサでの利用手数料がとられることなど
  • 日本でICOをする際のスキームは、上記の案に限られませんが、いずれにしても、改正資金決済法の「仮想通貨」への該当性がポイントになるのと、どの案を採用するにせよ、管轄庁である金融庁への相談とヒアリングをしながら慎重に進めましょう。

    なお、参考までに、ICO企業が金融庁と相談しながらICOをする流れについて簡単に説明しておきます。
    まず、ICO企業は、金融庁のICOガイドライン記載の管轄部署に電話をします。
    東京にある企業であれば、「金融庁監督局総務課 仮想通貨モニタリングチーム:TEL 03-3506-6000」に電話をかけましょう。

    次に、電話に出た担当者の方から、以下の資料を提出せよ、と伝えられます。

    • ホワイトペーパーなどのICOスキームの詳細が書かれた資料
    • 「仮想通貨」・「ファンド規制」など、改正資金決済法・金商法をはじめとした法律の要件に該当しないことの法的説明
    • 資金調達をあえてイーサなどの仮想通貨で行う理由(仮想通貨を利用する必然性と法定通貨で払い込むスキームではダメな理由)
    • ICOによる資金調達をする目的・理由とプロジェクトの実現可能性

    これらの資料を作成した後、金融庁の担当者宛に提出します。すると、担当者から面談をして詳細を聞きたい、旨の連絡が来ますので、日程調整をして、後日、面談をする形となります。
    面談の場では、ICO企業の方から、提出した資料などを基にICOスキームなどの詳細を説明し、それに対して、金融庁担当者から、あれこれと法律観点からの質問を受けます。
    質問にスラスラと丁寧に回答をして、担当者が納得すれば、合法的にICOを進めることができます。
    担当者からの法律的な質問は、かなり深く・細かい部分までしてくれるので、ICO企業としては、QA対策をきちんとしていく必要がありますね。
    以上が、金融庁と相談しながらICOをする際の流れとなります。

    (3)仮想通貨法(改正資金決済法)上の規制

    次に、自社で発行するトークンが「仮想通貨」にあたる場合、「仮想通貨法(改正資金決済法)」上、「仮想通貨交換業者」として登録を受けなければいけません。

    仮想通貨交換業」とは、仮想通貨の売り買いや、仮想通貨同士を交換するサービスのことをいいます。

    ICOでは、トークンを出資者に買ってもらうことで資金を調達するため、発行するトークンが仮想通貨にあてはまる場合には「仮想通貨の売買」をすることになります。そのため、「仮想通貨交換業者」としての登録が必須となるのです。

    ※なお、繰り返し述べたとおり、ICOしたい企業の独自トークンが「仮想通貨」にあたらないという前提でICOをする場合、以下の規制はかかりません。

    仮想通貨交換業の登録を受けたトークン発行企業は、仮想通貨交換業者として一定の規制をうけることになります。具体的には以下のとおりです。

    • 情報提供義務
    • 分別管理義務
    • セキュリティ対策
    • 監督規制
    • マネロン規制

    仮想通貨交換業やその規制内容についてさらに詳しく知りたい方は、「仮想通貨の法律規制とは?仮想通貨法6つのポイントを弁護士が解説!」をご覧ください。

    なお、仮に、仮想通貨交換業の登録を受けないまま仮想通貨型トークンを発行し資金調達をしたり、ズルをして登録を受けた場合には、

    • 最大3年の懲役
    • 最大300万円の罰金

    が科せられる可能性があります。

    5 ICOの法律規制②:前払式支払手段にあたるか?

    前払式支払手段

    企業の発行するトークンが仮想通貨にあてはまらない場合、次に「前払式支払手段」にあたるかを検討します。

    (1)トークンが「前払式支払手段」にあたる場合とは?

    前払式支払手段(まえばいらいしき・しはらいしゅだん」とは、以下の要件をみたすもののことをいいます。

    1. 金額または数量が記載・記録されていること(価値の保存)
    2. 金額・数量に応ずる対価を得て発行されること(対価性)
    3. 代金の支払いなどに使用できること(権利行使)

    これら3つの要件を一言でまとめると、前払式支払手段とは、「あらかじめユーザーがお金を払って購入(チャージ)し、その後商品やサービスの購入に使用するもののことをいいます。身近な例で言うと、商品券やSuicaなどの電子マネーがこれにあてはまります。

    詳細はあとで述べますが、「前払式支払手段」にあたると、多額のキャッシュを国に預ける(供託)義務が生じます。財務基盤の薄いベンチャーからすると、大変厳しい義務ですし、現実的ではありません。

    そのため、ICO企業としては、独自トークンが「仮想通貨」にあたらないだけでなく、この「前払式支払手段」にあたらない形で設計することが必要になります。

    昨今多く見られる独自トークンは、ICO企業が掲げるプロジェクト・サービスを利用できる性質のトークン(ユーティリティトークン)の性質を持っています。

    このユーティリティトークンについて、ICOにおいて出資したイーサリアムなどの仮想通の割合に応じてサービスを受けられる、という性質のトークンを発行しているとみられた場合、前払式支払手段の「要件②(対価性)」に該当してしまいます。

    この点、対価性の中身として、ユーザーが預託する金額や数量に応じて発行されることとなっています。

    そのため、前払式支払手段の認定を回避するためには、

    • 独自トークンの保持者が受けられるサービスの量・質の面において、配布した独自トークンの価値と、数量的に対応させないようにすることや
    • サービスを受ける都度、独自トークンの数が費消されないようにするなど、

    の工夫をすることが必要になります。

    例えば、独自トークンが減少することなく、定期で無制限にサービスを利用できる形に設計すれば、前払式支払手段には当たらないものと考えます。

    (2)資金決済法上の規制

    ICO企業が発行する独自トークンが「前払式支払手段」にあたってしまう場合、資金決済法の規制をうけることになります。具体的には、以下の4つの義務を負います。

    1. 表示義務
    2. 供託義務
    3. 行政への継続的報告義務
    4. 払い戻し義務

    前払式支払手段の内容や規制について詳しく知りたい方は「アプリ内課金を導入する際に知りたい!資金決済法4つのポイントとは」、「ポイントサービスを始める方は必読!資金決済法3つのポイントを解説」をご覧ください。

    この中でも一番厳しい義務は、「供託義務」の部分です。

    これは、ユーザー(ICOでいえば、投資家兼ユーザー)を保護するために、前払式支払手段を発行する企業に課せられた義務で、ざっくりいうと、現金を役所に預けないといけなくなる義務です

    形式的に表現すれば、ICOで発行されるトークンが自家型前払式支払手段に該当する場合、基準日 (原則として毎年 3 月末と 9 月末)にその「未使用残高」が 1,000 万円を超えたときは、 2 分の 1 以上の額の現金を供託する必要があります。つまり、最低でも500万円以上を供託することになります。

    未使用残高」というのは、それまでに発行したすべてのトークンのうち、基準日までに、投資家兼ユーザーに使われていない分の価値の合計です。

    例えば、基準日の時点で発行した独自のユーティリティートークン10万個(1000円/1トークン)が使われていなかったとします。

    この場合、1000円×10万個=合計1億円分となり、「未使用残高」が 1,000 万円を超えたといえるので、資金決済法の規制対象となり、1億円の1/2である5000万円の供託義務が課せられることになります。

    なお、供託義務をはじめ、仮に資金決済法上の義務を果たさなかった場合には、

    • 最大3年の懲役
    • 最大300万円の罰金

    のいずれかが科せられる可能性がありますので注意が必要です。

    このように、仮に独自トークンが「前払式支払手段」に該当した場合、スタートアップにとっては、かなり厳しい義務がかされることになります。

    そのため、ICOにより独自トークンを発行する際には、「前払式支払手段」に該当しないためのトークン設計が必要になりますね。

    6 ICOの法律規制③:金商法上のファンド規制をうけるか?

    金商法

    企業が発行するトークンが「ファンド型トークン」の場合、金融商品取引法上の「ファンド規制」の対象となる可能性があります。

    (1)ファンド規制の対象となる場合

    ファンド」とは、たくさんの投資家から集めた資金によって事業や有価証券への投資を行い、その後、利益を出資者に分配する仕組みのことをいいます(集団投資スキーム)。

    通常、【①出資者から金銭を集める⇒②それを元手に事業を行う⇒③利益が出たら会社がそれを分配する】というモデルは、金融商品取引法上のファンド規制の対象となります。

    ファンド規制の対象となると、「第2種金融商品取引業」として国から登録を受ける必要があり、さまざまな義務が課せられます。

    ICOの場合も、【①出資者から「トークンの購入」という形で出資してもらう⇒②そのトークンの持ち分比率などによって利益の分配を行う】というモデルの場合には、ファンド規制の対象となるかを検討しなければいけません。

    この点、金商法上ファンド規制の対象となるのは、「出資者が金銭や有価証券によって出資した場合」と限定されており、独自トークンの対価となるイーサリアムやビットコインは「仮想通貨」にすぎない(金銭や有価証券ではない)ため、「①出資者から金銭を集める」のファンド規制の要件をみたしません。

    そのため、仮想通貨での払い込みの形をとるICOは、ファンド規制の対象とならないようにも思えます。

    ところが、金融庁が公表しているICOガイドラインによれば、

    また、ICOが投資としての性格を持つ場合、仮想通貨による購入であっても、実質的に法定通貨での購入と同視されるスキームについては、金融商品取引法の規制対象となると考えられます。

    とされています。

    この点、イーサリアムやビットコインは、それ自体は「仮想通貨」であるものの、取引所において簡単に「現金」に換金できます。

    簡単に換金できるのであれば、集めたもの自体は仮想通貨であるとしても、1次的に受け取った仮想通貨は「現金」を集めるための便法にすぎず、実質的には金銭を集めている、と見るのが自然です。

    そのため、ICOをする際にイーサリアムなどの仮想通貨で出資を受ける場合には、金商法のファンド規制にかかる可能性があることに留意が必要です。

    (2)ファンド規制の内容

    ファンド型トークンがファンド規制の対象となる場合、企業が出資を集める行為は「第2種金融取引業」となり、国から「第2種金融商品取引業」として登録を受けなければなりません。

    しかし、この登録を受けるためには、ICOをしたいスタートアップからみて厳しい条件が求められます。

    例えば、会社の資本金が原則1000万円以上であることや、投資家保護のために十分な人的・物的管理体制が整っていることが必要で、ICO企業からみると、ハードルが高いものとなっています。

    しかも、無登録で「第2種金融商品取引業」を行った場合、

    • 最大5年の懲役

    という刑罰が下されます。

    また、仮に第2種の登録が得られたとしても、金融庁の管理下に置かれ、以下のような規制がされるため、アグレッシブなビジネス活動が難しくなる傾向にあります。

    • 顧客に対する誠実公正義務
    • 名板貸の禁止
    • 広告規制
    • 契約締結前の書面交付
    • 契約締結時の書面交付
    • 禁止行為等

    以上のとおり、ICOにおいてファンド規制がかかった場合、ICO企業にとって様々なデメリットがあることから、ICOをする際には、このファンド規制がかからない形でスキーム設計をする必要がありますね。

    なお、発行したトークンの取引を行う市場は金融商品市場にあたるため、これを開設する際には免許が必要となり、トークンの「販売」については金融商品販売法が適用されます。さらに、犯罪収益移転防止法(通称:マネーロンダリング防止法)に基づく本人確認も必要となる点に注意が必要です。

    7 ICOの法律規制④:ICOに税金は発生するのか?

    ICOの税金

    最後に、ICOをする上で、以上の法律問題をクリアできたとしても、「ICOで調達した資金と税務」の問題を検討する必要があります。

    仮に大型の資金調達に成功したとしても、その大半が税金でもっていかれてしまうのでは、ICO企業からみても、また、調達資金で事業を大きくして上場してもらいたいと願う投資家からみても不幸ですよね。

    そこで、企業がICOによって資金調達をした場合にどのような税金が、いくら発生するのかをみていきましょう。

    ICOを行ったときにトークン発行企業が納めるべき税金は、

    1. 法人税等
    2. 消費税

    です。順番にみていきましょう。

    (1)法人税等

    企業がICOを行って資金調達をした場合の税務については、現在明確なルールがない状況ですが、考え方としては以下の3案があり得るものと考えます。(参考までに「仮想通貨に係る会計上の取扱いに関する指針」)。

    • A案)収益計上
    • B案)負債計上
    • C案)資本計上

    ①A案) 収益計上

    独自のデジタルアセット(=独自トークン)を投資家向けに「販売」したとみなされるのであれば、会計上、「売上」として認識する案です。

    この案では、「売上」から「経費」を引いた残りが「利益」として、法人税が課税(実行税率30.86~34.81%)されてしまいます。

    ②B案)負債計上

    例えば、「預託金」といった性質を持つ場合などであれば、会計上は「負債」として認識する案です。

    仮にこのように考えることができるなら、調達した資金について課税されないと判断されるケースもあり得るのではないかと考えます。

    ③C案)資本計上

    ICOで調達した資金を「売上」・「負債」ではなく、「資本」として計上する案です。

    しかし、現行の法人税法第2条第16号、法人税法施行令第8条を読む限り、「資本等取引」に該当すると見るのは難しいため、資本計上の案を採りえないと思われます。

    現状では見解が固まっていませんが調達額は「売上」とみなされる可能性が高いものと考えます。

    仮に「売上」とみなされた場合、調達額から経費を差し引いた残りが「利益(所得)」となり、これに「法人税」が課されることになります。

    法人税」とは、法人が得た利益(所得)に対してかかる税金で、私たち個人の所得にかかる所得税や住民税の会社バージョンです。

    なお、法人税に連動して、「法人住民税」と「法人事業税」も納めることになります。

    これら3つを合わせた法人実効税率(企業が負担する実質的な負担税率)は30.86~34.81%です。たとえば、ICOによって100億円の資金調達に成功した場合、単純計算で合計

    30億円以上の税金を支払うことになります。そうすると、もともと予定していた調達予定額に比べてだいぶ低い金額になってしまい、調達効果が薄れてしまいます。

    また、投資家から見た場合、投資対象の価値が一気に30%減ってしまうため、ネガティブなイメージに繋がってしまいます。

    このように、改正資金決済法の問題をクリアしても、ICOによって調達した資金には、約30%超もの「法人税」がかかる可能性があります。

    そのため、ICOスキームを構築する際には、「仮想通貨」「前払式支払手段」「ファンド規制」への該当性と並んで、タックスストラクチャリングも極めて重要な検討ポイントとなります。

    なお、多額の税金がかかることもあり、日本企業であっても、ICO自体は海外にある子会社が行うケースが増えています。

    たとえば、テックビューロ社は、「スイスにある子会社がICOを行った」(COMSAトークン)、という体裁をとっています。

    世界的に見るとICOによって調達された全資金総額の46%はヨーロッパからのもので、そのうちの47%(約8億2800万ドル)がスイスで行われたICOによるものです。

    なお、非営利型一般社団法人を利用したスキームを介在させることで、日本でICOをする場合でも節税できる場合があります。詳しくはお問合せください。

    (2)消費税

    次に、企業がICOによって資金調達をした場合、法人税の他に「消費税」も課される可能性があります。

    消費税の課税対象となるかどうかの具体的な判断基準は、ICOに際して企業が発行したトークンが「仮想通貨にあたるか否か」です。

    発行トークンが「仮想通貨」にあたる場合非課税となりますが、反対に、仮想通貨に当たらない場合調達額(売上)に対して8%の消費税がかかる可能性があります

    そのため、ICOをする際のスキームとして、「仮想通貨」にあたらないという前提で行う場合は、一方で、改正資金決済法の「仮想通貨交換業の規制」の面においては有利に働きますが、他方で、税務という文脈においては、「調達額(売上)」に対して8%の消費税が課される可能性があることから不利に働きます。

    なお、設立1年目の企業であれば消費税が非課税になったり、各種控除等を受けられる可能性があるため、企業ごとに検討が必要です。

    ※仮想通貨に関する税金の問題について詳しく知りたい方は、「仮想通貨にかかる税金の確定申告・計算方法・課税のタイミングとは?」をご覧ください。

    (3)小括

    以上のとおり、ICOによって調達した資金については、「売上」計上を前提として、①法人税、②消費税が課される可能性が高い状況にあります。

    そのため、ICOをしたい企業としては、「仮想通貨法」・「前払式支払手段」・「ファンド規制」を回避できるか?という視点のみならず、どのようにすれば税金を安くできるのか?というタックスストラクチャリングの視点をもって、ICOスキームを検討・構築すべきです。

    9 ICOにまつわるその他の法律規制

    その他の法律規制

    ここまで解説してきたもの以外にも、ICOによる資金調達を行う上で気をつけなければならない法律規制があります。

    以下で順番にみていきましょう。

    (1)ICOの法律規制⑤:特定商取引法上の「通信販売」の法律規制

    ICOに際して、「トークン発行企業が、トークン購入者(ICO参加者)に対し自社の商品やサービスの提供をする」というスキームの場合、特定商取引上の「通信販売」にあたるかを検討する必要があります。

    通信販売」とは、事業者が新聞や雑誌、インターネットのホームページなどを通じて広告をし、電話やメール、インターネット等によって申込みを受ける取引のことをいいます。身近な例でいうと、Amazonや楽天などを通じて商品を購入することがまさに通信販売の取引きにあたります。

    ICOにおいては、インターネットを通じてアナウンスやPRをし、同じくインターネットを通じて投資家からトークンセールの申込みを受けることがほとんどだと思います。そうすると、トークン購入者に対して商品やサービスの提供を行うことは、「通信販売」にあたる可能性が高くなります。

    「通信販売」にあたるとすると、特定商取引法上、クーリングオフが認められたり、広告規制がかかるなど、守らなければならないルールやしばりが増えることになります。

    これをクリアしてICOを成功させるために、「商品やサービスの提供はあくまでもトークン販売の「おまけ」であり、投資家から支払われたお金はトークンそのものを買うためのものである」、というスキームを設計することもできます。このようなスキームであれば、「通信販売」にあたらず、特定商取引法上の規制を回避できると考えられます。

    もっとも、投資家が払い込んだ「トークンの対価」は、実質的には「商品やサービスの対価」であるとみなされる可能性もあります。そのため、スキームの設計については慎重に検討する必要があります。

    (2)ICOの法律規制⑥:消費者契約法の規制

    ICOの多くは、消費者である個人投資家から出資を受けることを前提としています。そのため、情報弱者である消費者を保護する「消費者契約法」という法律が適用される可能性があります。

    消費者契約法が適用された場合、事業者側において

    1. 重要な事実を故意(あえて)告知しない、
    2. 重要事実による虚偽の説明、
    3. 断定的判断を提供

    などをしてしまうと、取引行為がすべて「取り消され」てしまいます。

    これをICOについてみると、ICOの際に作成されるホワイトペーパーなどでは、往々にして「ドリームプラン」が描かれており、ときには「実現可能性が著しく乏しい」ものが記載されるなどして、消費者への説明が不十分なケースが見受けられます。

    特に、実際のICO案件では「重要な事実をあえて告知しない」ケースが多いと思われ、この場合、消費者契約法の観点から、ICOを構成する、個々の出資行為が「取り消され」てしまう可能性があります。その結果、出資金を全額返還する義務が生じます

    そのため、事業者がICOをするにあたっては、投資判断に重大な影響を与える事実については、ホワイトペーパーやホームページ上にきちんと記載していく必要があります。

    また、説明が不十分あるいは、誇大な表現によってによって投資家に損害が生じた場合には、これによって生じた損害を賠償する義務を負う可能性もあります。

    そのため、最低限、下記の事項は記載すべきです。

    1. 価格変動リスク
    2. プロジェクトの初期段階での資金調達にすぎず、上場の保証はないこと
    3. 発行される独自トークンに内在するリスク
    4. 流動性リスク
    5. サイバー攻撃リスク
    6. ネットワークによるリスク
    7. 法令・税制変更リスク
    8. その他のリスク(なりすまし等)

    (3)ICOの法律規制⑦:「詐欺」の法律規制

    ホワイトペーパーなどでは、実現可能性が著しく低い、「詐欺まがい」のICO案件が増えているといわれてます。

    実際、金融庁からも詐欺案件への注意喚起をする文書が出されています。

    一般に、ICOでは、ホワイトペーパーが作成されます。しかし、ホワイトペーパーに掲げたプロジェクトが実施されなかったり、約束されていた商品やサービスが実際には提供されないリスクがあります。また、ICOに便乗した詐欺の事例も報道されています。

    金融庁「ICO(Initial Coin Offering)について 」より引用

    「詐欺」は、積極的に「ウソ」を述べた場合(例:真実は違うのに、独自トークンが早晩上場する予定である旨伝える)だけでなく、真実を「言わない」というケースも含まれます。そのため、実際のICO案件で多いとされる「重要な事実をあえて告知しない」という場合も「詐欺」にあてはまる可能性があります

    「詐欺」にあたるとすると、

    • 民事:出資した金額も含めた「損害」賠償義務
    • 刑事:最大10年の懲役

    が科される可能性があります。

    ICOを実施したい事業者は、ホワイトペーパーへの記載などに細心の注意を払って、投資家の意思決定に重大な影響を与える事実については、セールストークの範囲内に抑えて、積極的に記載していきましょう。

    (4)ICOの法律規制⑧:景品規制

    トークン発行企業が、トークン購入者(ICO参加者)に対して商品やサービスの提供をする場合(ユーティリティトークンとして独自トークンを設計した場合)、景品表示法上の「景品規制」を受ける可能性があります。

    景品表示法」とは、商品そのものの「品質・価格(=商品力)」ではなく、「広告表現の上手さ」や「過大なおまけ」などによってユーザーを釣るやり方を取り締まるための法律です。

    一般的に「景品」というと、粗品やおまけ、賞品などを思い浮かべますが、景品表示法上の「景品」とは、以下の要件をみたすもののことをいいます。

    1. お客を誘引するための手段として(顧客誘引性)、
    2. 商品やサービスの本体取引に付随して提供する(付随性)
    3. 物品、金銭その他の経済上の利益(経済上の利益)

    身近なものだと、ガソリンスタンドで給油した場合にプレゼントされるティッシュボックスが「景品」にあてはまります。

    企業が提供する商品やサービスがこれら3つの要件をみたすのであれば、その商品やサービスは「景品」にあたり、景表法の規制をうけることになります。具体的には、「総付景品」として景品(提供する商品やサービス)の上限額に制限がかかります

    企業が提供する商品やサービスが「景品」にあたるかについては、上に示した③つの要件のうち「2.商品やサービスの本体取引に付随して提供する」にあてはまるか否かがポイントとなります。

    たしかに、形式上は本体取引に付随しているようにも考えられます。ですが、「ICOにおけるトークンの発行⇒トークン保有者に対する商品やサービスの提供」は、景表法が本来想定している「本体取引に付随する景品の提供」とは異なります。そのため、現段階においては景品規制の対象となる可能性は低いと考えられます。

    もっとも、今後ICO周辺の規制が確立されたときに、ユーティリティトークンが規制の対象となることは十分考えられます。その場合には、先ほど述べたように「総付景品」として提供する商品やサービスの上限額が制限されることになります。

    ※景品規制全般について詳しく知りたい方は、「おまけ(景品)にも法律の規制がある!?景表法4つのポイントを解説」を、総付景品規制について詳しく知りたい方は「そのおまけは景表法違反かも?総付景品規制の4つのポイントを解説!」をご覧ください。

    10 海外でのICOの法規制

    海外のICO規制

    これまでは、日本国内でICOによる資金調達を行う場合の法律規制についてみてきました。しかし、日本ではまだ、ICOそのものを規制する法律は無いものの、改正資金決済法をはじめさまざまな規制の対象となる可能性があります。また、税制面でも企業にとっては厳しい状況であることはすでに解説しました。そのため、「日本国内ではなく、海外法人を通じてICOを行う」という選択肢も出てきます。

    では、ICOについて海外では実際どのような規制があるのでしょうか。海外でICOを行う場合、日本よりもICOがやりやすいのでしょうか?やりやすいとすれば、それはどこの国なのでしょうか?各国の対応についてみていきましょう。

    (1)何らかの規制がある国・規制の準備中の国

    ①中国

    中国では2017年9月にICOの全面禁止が発表されました。インパクトが強く話題にもなったので、ご存知の方も多いかと思います。

    「ICOは詐欺・ねずみ講」と非難しすべての企業と個人を対象にICOを禁止していて、すでに資金調達を終えている場合には返金を命じるなど、とても厳しい方針となっています。

    もっとも、ICOの禁止は一時的なもので、いずれ再開するのではないかという噂もあり、今後の動向に注目です。

    ②韓国

    中国に続き、韓国でもICOが全面的に禁止されています。詐欺などのリスクから投資家を守ることが目的のようです。

    また、仮想通貨取引所におけるレバレッジ取引についても全面的に規制を設けると発表されています。

    もっとも、近時ICO合法化に向けた動きがあるとの噂が流れており、今後の動向に注意が必要です。

    ③スイス

    2018年2月に、スイスの金融市場監査局はICOのガイドラインを発表しました。これまではICOに対する姿勢を明確にしていませんでしたが、現行の金融市場規制法をICO規制に適用する方針のようです。

    具体的には、どの法律を適用するべきか判断するために、ICOで発行されるトークンを決済トークン・ユーティリティトークン・資産トークンの3つのカテゴリに分類しました。

    海外で行われるICOの中でもスイスの割合は高く、国としてもネガティブな規制ではなくICOをサポートするための規制を設けていく考えのようです。

    ③ロシア

    ロシアでは、ICOそのものへの規制は準備段階にありますが、仮想通貨に対しては登録や課税、証券関連法の適用などの規制がかけられています。

    なお、中央銀行は、仮想通貨への投資によって損失を被る可能性があることや、仮想通貨が国によって認められているものではないことを注意喚起しています。

    ④オーストラリア

    オーストラリアはかなり早い段階でICOに対する規制を設けました。具体的には、ICOを行う場合には必ず法律を守り、ユーザーの保護を図ることという方針を明確に打ち出しています。

    もっとも、ICO自体は前向きに受け入れているようです。

    ⑤アメリカ

    アメリカでは州ごとにICOに対する規制が異なるものの、事実証券取引委員会(SEC)は「収益分配型のICOは国内においては証券である」という見解を表明しています。

    証券として扱われるのであればSECによる登録や認可の対象となりますが、今後さらに厳しく規制をかけていく方針のようです。もっとも、SEC議長であるクレイトン氏は、規制があることを前提として、適法な形でICOを推進すべきという趣旨の発言をしていることから、規制はするが、ICOによる資金調達について、前向きであるとも言えます。

    ⑥アブダビ

    アブダビでは、金融サービス規制庁(FSRA)が仮想通貨関連の専門機関などとタッグを組み、ICOを規制する方向へ乗り出すことを発表しています。

    もっとも、「仮想通貨は法定通貨ではないものの、商品・サービスの交換手段としては世界的な需要がある」と認めていて、どちらかというとポジティブな認識だと思われます。

    ⑦フランス

    フランスの金融市場庁は、ICOを加速していくために規制の枠組みを準備しているようです。ICOをポジティブに捉え、有用なものは推奨していく方針です。

    経産省も「ICOを妨げるのではなく法的な保証を与えたい」と述べていて、他国に比べかなり寛容な対応をしていくと思われます。

    (2)現行法に基づいて調整中の国

    ①カナダ

    カナダでは、ICOは現行法上、証券取引法の対象となる可能性があるとの声明を発表しました。

    ICOを行おうとする事業者に対し、発行するトークンが「証券」にあたるかどうかを判断するため、事前に管理局による審査を受けるよう呼びかけています。

    もっとも、一部のICOについては積極的に承認するなど、有用なICOについてはポジティブに認めていく方針のようです。

    ②ドイツ

    ドイツでもICOを直接規制する動きはありませんが、銀行法や投資法、証券取引法、支払いサービス監視法、目論見書法などの現行法に基づいて判断していく方針です。

    もっとも、ICOにはリスクがあるとの警告は打ち出されていて、今後ネガティブな方向で規制がかけられる可能性はあります。

    ③シンガポール

    シンガポールでは、現行の証券関係法に従ってトークンを扱うことを求めています。

    国としてICOを禁止する方針は無いようで、必要に応じてガイダンスが発表されています。

    もっとも、ユーザーが手に入れたトークンを売買する「取引所」のサービスについては規制対象とする方針のようです。

    ④EU

    EUでは、マネーロンダリングの予防のため、口座開設時のユーザーの身元確認などを行う限り、現行法に従うことを条件にICOが許可されています。

    もっとも、ICOは投資家にとって高リスクである、との声明は発表されています。

    ⑤香港

    香港では、現行の証券先物法上の「証券」にあてはまるICOの場合に規制の対象となります。具体的には、株券タイプのICO・社債タイプのICO・集合投資スキームタイプのICOの3つが「証券」にあてはまり、免許や登録が必要となります。

    (3)注意を促しているだけの国

    ①マレーシア

    マレーシアでは、投資家に対して、証券委員会が発表する警告に留意すること・ICOのリスクに注意することを促しているのみで、規制を設ける動きはいまのところみられません。

    ②台湾

    台湾ではICOや仮想通貨・ブロックチェーン技術の発展を支持し、ポジティブに受け入れていく方針で、これらを合法的に扱うこととしていくとの声明が出されています。

    ③イギリス

    イギリスでは、ICOを行う事業者たちに「自主規制」として現行の金融関連法に従うことを求めています。

    もっとも、ICOに対して厳しい警告を発しているため、今後具体的な規制に乗り出す可能性もあります。

    以上がICOに対する各国の対応です。日本は現状「(3)注意を促しているだけの国」にあたりますが、仮想通貨に新たな規制が設けられたように、ICOに対しても直接的な規制がなされる可能性は十分ありえます。

    ICOを検討している企業は、今後の動向を注意深く見守る必要がありそうです。

    11 小括

    まとめ

    日本においても導入されることが増えたICO。スタートアップ企業からすると、IPOに比べてハードルの低い資金調達方法となっていますが、発行するトークンの性質によってさまざまな規制の対象となったり、税金面でもなかなか厳しい状況となっています。

    これらを考慮した上で、自社にとってICOが適切な資金調達方法なのかを検討することが大切です。

    12 まとめ

    これまでの解説をまとめると以下のとおりです。

    • 「仮想通貨(暗号通貨)」とは、インターネットを通じてユーザー同士で直接やり取りする通貨のことをいう
    • 「ICO(アイシーオー・Initial Coin Offering)」とは、企業が「トークン」と呼ばれる独自の暗号通貨を発行し、それを出資者に購入してもらうことで資金を集める方法のことをいう
    • ICOのおおまかな流れは、①アナウンス、②オファー、③PR活動・マーケティング、④トークンセールの開始(トークンの販売)の4段階となる
    • 「トークン」は、①仮想通貨型トークン、②会員権型トークン、③プリペイド型トークン、④ファンド型トークン、⑤アプリケーション・プラットフォーム型トークンに分けられる
    • 現状、ICO自体を取り締まる法律はないが、発行されたトークンの性質によってさまざまな規制の対象となる可能性がある
    • ICOが規制の対象となる場合は、大きく分けると①仮想通貨法上の「仮想通貨」規制、②資金決済法上の「前払式支払手段」の規制、③金商法上の「第2種金商業」の規制に分けられる
    • 発行するトークンが仮想通貨にあたる場合とは、①お金の代わりに決済手段として使うことができること(不特定性)、②その仮想通貨を売ったり買ったりできること(財産的価値)の2つの要件を満たす場合
    • 反対に言えば、①ICOのセールで購入の申し込みをした会員に対してのみ販売し、②かつその会員間限りで売買できるにすぎないばあいには、仮想通貨にはあたらないと判断される可能性が高い
    • 日本でICOを行う場合、①仮想通貨交換業の登録を取得する方法、②仮想通貨交換業の登録を取得しない方法の2パターンが考えられる
    • 自社で発行するトークンが「仮想通貨」にあたる場合、「仮想通貨法(改正資金決済法)」上、「仮想通貨交換業者」として登録を受けなければならない
    • トークンが前払式支払手段にあたる場合とは、①金額または数量が記載・記録されていること(価値の保存)、②金額・数量に応ずる対価を得て発行されること(対価性)、③代金の支払いなどに使用できること(権利行使)の3つの要件をみたす場合
    • トークンが前払式支払手段にあたるとすると、①表示義務、②供託義務、③行政への継続的報告義務、④払い戻し義務を負うことになる
    • ①出資者から「トークンの購入」という形で出資してもらう⇒②そのトークンの持ち分比率などによって利益の分配を行う、というスキームでICOを行う場合、金商法上のファンド規制の対象となる可能性がある
    • ファンド規制の対象となった場合、国から「第2種金融商品取引業」として登録を受け必要がある
    • 第2種金融商品取引業の登録をうけると、①顧客に対する誠実公正義務、②名板貸の禁止、③広告規制、④契約締結前の書面交付、⑤契約締結時の書面交付、⑥禁止行為等の規制をうける
    • ICOを行ったときにトークン発行企業が納めるべき税金は、①法人税等、②消費税がある
    • 法人税については、現状まだ明確なルールがないが、考えられるものとしては、①収益として計上する、②負債として計上する、③資本として計上するパターンがある(①の収益(売上)として計上する可能性が高い)
    • 発行するトークンが仮想通貨にあたる場合、消費税は非課税となるが、仮想通貨にあたらない場合には、調達額(売上)に対して8%の消費税がかかる可能性がある
    • ICOに対する法律規制として、他にも①特商法上の「通信販売規制」、②消費者契約法上の規制、③景表法上の「景品規制」などがあり、ICOの方法や発行するトークンがこれらの規制にあたらないか確認する必要がある
    • 日本でのICOが厳しいとなると、海外でのICOを検討することもある
    • 現段階でICOの禁止を明言しているのは中国と韓国だが、その他の国に関しても今後の動向を見守る必要がある

    ※なお、以上の解説は、一弁護士が現状知る限りにおいて述べた、一つの見解にすぎず、金融庁やその他の公的な機関の公式見解ではありません。また、掲載された情報の真実性を保証するものではなく、したがって、本記事を参照したことによって生じるあらゆる損害については、当社は免責されるものとします。

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