はじめに

複数の事業者が共同でデータを収集したり、生み出す場合、その収集されたデータや生み出されたデータは、一体誰のものなのか、どのように利用できるのか、はっきりさせたいと思っていても、具体的に契約書に何を定めればいいのか、よくわからない事業者も多いのではないでしょうか。

契約書を締結しても、定めるべきことが漏れていてはなんの意味もありません。

そこで今回は、共同でデータを収集・生み出す場合に、契約書にどのような内容を記載すべきなのかを、経済産業省のモデル契約書をもとにITに詳しい弁護士がわかりやすく解説していきます。

目次

1 問題の所在

近時、データを活用する際に、加工や分析、他のデータとの組み合わせなどによって新しいデータを生み出す「データの創出」が重要視されています。

なぜなら、データというものは、単に保有するだけでは宝の持ち腐れで、データの加工・分析などを通して、事業活動に活かせるデータを生み出すことによって真価を発揮するからです。また、データ単体では低い価値だったとしても、複数のデータを組み合わせることで価値が増大するケースもあります。

そのため、「データの創出」が注目されているのです。

このようなデータの創出を行うにあたっては、コストの削減や外部のノウハウの利用という観点から他社と協力して「創出」するという方法があります。その際、データの利用の仕方や、利益の配分について当事者間ではっきりとさせるために「データ契約」と呼ばれる契約を締結する必要があります。

「データ契約」は比較的新しい契約であり、秘密保持契約書(NDA)や業務委託契約などと異なりまだまだ一般的ではありません。

そこで、契約書の内容について解説する前に「データ契約」というものがどのような契約なのかについて、まずは解説していきます。

2 データ契約とは

データ契約」とは、データを取引の対象とする契約全般のことをいい、以下の3つのタイプにわけられます。

  1. データ提供型
  2. データ創出型
  3. データ共用型

(1)データ提供型

データ提供型」契約とは、データを保有している「データ提供者」が、データを欲しがっている「データ受領者」にデータを渡す際の契約のことをいいます。このとき、提供されるデータについて、データ受領者の利用権限や提供条件などを契約書で決めます。

「データ提供型」契約を締結する場合の例として、病院などで患者を治療した際に得た画像のデータを、医療AIプログラムを開発する業者に販売するケースが挙げられます。

(2)データ創出型

データ創出型」契約とは、複数の当事者が共同で新たなデータを収集したり生み出したりする場合に、当事者間でデータに関する利用権限について取り決めるために締結する契約のことをいいます。

「データ創出型」契約を締結する場合の例としては、災害時の安全な避難ルートという新しいデータを生み出す場合が考えられます。この安全な避難ルートは、送電線の断線の有無や河川の氾濫状況などをリアルタイムで監視しているインフラ事業者が持つ「危険なエリアや道というデータ」と、地図作成事業者がもつ「地図データ」を組み合わせることで、生み出すことができます。

このような場合、インフラ事業者と地図作成事業者が「データ創出型」契約を締結し、生み出した安全な避難ルートというデータの利用権限を決めることになります。

(3)データ共用型

データ共用型」契約とは、複数の事業者が、「プラットフォーム」にデータを集めて、保管したり、加工したりする際の、各当事者のデータに関する提供条件や利用条件などを決める契約のことを言います。「プラットフォーム」とは、複数の事業者が、大量のデータを集めて保管し、それらを事業者が利用しあうことのできる場所のことをいいます。

「データ共用型」の例としては、造船会社や運航会社、船主などの乗組員が各自保有している船舶や海上気象などのデータをあつめ、相互に利用しあう場合に、関係者の利用条件などを決めるケースが挙げられます。

 

以上のように、データ契約には3つのタイプがあります。その中でも、今回は、新たにデータを生み出すという性質上、当事者間の利用条件の調整が難しいデータ創出型の契約について詳しく解説していきます。

※「データ提供型」契約について詳しく知りたい方は「【ひな形】データ取引の際に締結する契約とは?5つのポイントを解説」をご覧ください。

3 データ創出型契約書の「ひな形」のダウンロード

データ創出型契約のひな形は、以下からご自由にダウンロードしてください。

【ひな形】AIモデル契約書:データ創出型契約(省略部分追記版)

それでは、ひな形をもとに、データ創出型契約のチェックポイントを具体的に確認していきましょう。

※本ひな形は、下記URL記載の経済産業省作成にかかる「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(データ編)」内に掲載された「モデル契約」をもとに、枠線の削除、フォントの変更等を加えたものになります。また、具体的な条文が「(省略)」されたものについても、補足しています。

出典:「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(データ編)」120項~130項(平成30年6月・経済産業省)

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4 データ提供型契約書のチェックポイント

ひな形にある条件のうち、特に説明が必要となるものについて解説していきます。

(1)定義

    第1条(定義)

    本契約において、次に掲げる用語は次の定義による。

    ①「本件事業」とは、甲および乙の間で行われる●●をいう。

    ②「対象データ」とは、本件事業に基づいて、創出、取得または収集されたデータをいう。

    ③「加工等」とは、対象データを、加工、分析、編集、統合等することをいい、「派生データ」とは、そのような「加工等」がなされたデータをいう

第1条は、契約書で使用されている用語の意味を特定する条項です。

用語の意味を特定するのは、様々な意味をもつ用語や専門用語について、当事者間の認識の違いをなくすためです。

ここでは、「対象データ」について範囲を特定することが特に重要です。

なぜなら、範囲を特定しなかった場合、「対象データ」に何が含まれ、何が含まれないのかあやふやで、当事者の認識が異なってしまった結果、トラブルとなることが多く、そのような事態を事前に防ぐ必要があるからです。

なお、どのように特定するかは、当事者次第です。たとえば、「対象データ」から個人情報などの一部のデータを除外し、新しく「個人情報」の定義を設けることも可能です。必要に応じてモデル契約書に定義を追加したり、不要な定義を削除してください。

また、条項という形で用語を特定することが困難な場合は、リストをつけて特定するなどの方法も有効です。

(2)データの利用権限の配分

    第2条(データの利用権限の配分)

    1.対象データに対する利用権限の内容は、別紙Aにおいて対象データの種類ごとにそれぞれ定める。

    【案1】

    2.対象データのうち、別紙Aに定めがないものについては、当該対象データの利用、開示、譲渡(利用許諾を含む)および処分を含む当該対象データに係る一切の利用権限は、【甲or乙】が有する。

    【案2】

    2.対象データのうち、別紙Aに定めがないものについては、両当事者間で別途合意をした上で、当該対象データの利用権限を定めるものとする。

    3.甲および乙は、前項および別紙Aにより、各当事者に認められた利用権限の範囲を超えて、対象データを利用、開示、譲渡(利用許諾を含む)および処分をすることはできない。

第2条は、対象データについて、誰に、どのような「利用権限」があるかを決める条項です。

ここでのポイントは、次の4点です。

  1. 利用権限
  2. 別紙とは
  3. 案1・案2の違い
  4. 案1・案2のどちらを選択すべきか

①利用権限

利用権限」とは、データに関する様々な権利を設定することをいいます。具体的な権利としては以下が挙げられます。

  • データの利用権
  • 保有・管理に関する権利
  • データのコピーを求める権利
  • 販売・権利付与(ライセンス付与)に対する対価請求権
  • 消去・開示・訂正等・利用停止の請求権などの権利

なぜ、このように利用権限を設定するのかというと、データというものには形がなく所有することができないものだからです。所有することができないということは、「このデータは自社のものだ、勝手に使用するな」と主張することができないことになります。

このように「誰のものか」を決めることができない代わりに、利用権限として、データごとに誰がどのような範囲・方法で利用することができるかを定めて、契約の当事者を拘束しているのです。

たとえば、甲が収集したデータに関して、乙には一切の利用権限を認めず、甲のみが利用できるように権限を設定した場合を考えてみてください。この場合、乙はそのデータに関して一切の利用をすることができなくなります。

このようにデータの利用権限を定めることで、契約当事者によって想定していない利用範囲・方法で利用することを防ぐことができます。

そのため、利用権限の設定は、データ創出契約では非常に重要です。安易に設定するのではなく、

  • 自社ではどのようにデータを利用したいのか?
  • 他社にはどの程度であればデータを利用させてもいいのか?

という観点で利用権限を当事者同士で調整していく必要があります。

②別紙とは

別紙」とは、契約書の内容を補足説明するために契約書に添付する書面のことをいいます。本条項では別紙Aを添付することになっています。別紙Aの内容については次の項目で詳しく解説します。

③案1・案2の違い

本条項では、別紙Aで利用権限が決められていないデータについて、【案1】・【案2】の2つのパターンで利用権限を決めることしています。それぞれの案は以下のとおり異なっています。

    【案1】

    当事者である甲と乙のどちらかが一切の利用権限を持つとしています。

    【案2】

    当事者間である甲と乙で別の契約で利用権限を決めるとしています。

④案1・案2のどちらを選択すべきか

案1・案2のどちらを選択すべきか悩んだときには、別紙Aで利用権限が定められていないデータについて、どのようなデータが創出されるのか予測が可能か、といった基準をもとに考えるという方法があります。

どのようなデータが創出されるのか予測ができない場合には、契約書であらかじめ利用権限を設定することが難しいといえます。そのため、このように予測ができない場合は、案2を選択し、別の契約で後から利用権限を設定することが合理的です。

他方、どのようなデータが創出されるのかある程度予測ができる場合は、何度も利用権限に関する交渉をするのは手間となることから、案1のように、あらかじめ契約書で利用権限を定めることが考えられます。

なお、案1を選択した際に、甲、乙のどちらに利用権限を与えるかについてですが、データ創出にあたって、当事者である甲、乙がどれだけ貢献したかという基準で考えるという方法があります。

たとえば、甲がデータ収集に必要な機材を提供した一方で、乙がその機材を用いたデータの収集、分析、新しいデータへの加工などその他全ての作業を行った場合、当事者間のデータ創出に対する貢献度は甲より乙のほうが高いといえます。

このように、貢献度に差がある場合には、より貢献した当事者に利用権限を設定することが考えられます。

(3)別紙Aについて

別紙Aの具体的な定め方は以下のとおりです。

別紙Aに定められている項目は以下の5点です。

  1. データ名
  2. データ項目
  3. 対象期間
  4. 甲の利用権限
  5. 乙の利用権限

①データ名

データを特定するため、個別のデータごとにデータの名称を記載する必要があります。たとえば、「売上データ」「顧客データ」などといったように記載します。

②データ項目

データを特定するため、データを取得するのに使用した機械やセンサなどの名称などを記載します。たとえば、「赤外線センサ」などといったように記載します。

③対象期間

SNSの投稿データのように、リアルタイムで継続して発生するようなデータについて、データが取得される期間をいつからいつまでといったように記載します。たとえば、「2019年4月1日から4月30日まで」などといったように記載します。

なお、終期の記載がない場合には、有効期間に関する条項で定めた契約期間終了時が終期であると考えられます。

④甲の利用権限(「⑤乙の利用権限」についても同様に考えます。)

主に、以下の3点について記載します

    (ⅰ)利用目的

    (ⅱ)第三者提供

    (ⅲ)加工等の可否

(ⅰ)利用目的

データの利用範囲を決めるために記載します。利用範囲を明確にして目的外利用を防ぐことは大事ではありますが、他方で、あまりにガチガチに制限してしまうと、データを利用しにくくなり、データを活用した事業すら成り立たなくなってしまう可能性があります。そのため、利用目的はある程度の幅を持たせて記載する必要があります。

たとえば、以下のように記載することが考えられます。

  • 本件事業における甲と乙の新規製品の共同開発
  • 乙におけるデータの分析
(ⅱ)第三者提供

取得したデータを第三者へ提供する方法は、たとえば以下のようなものが挙げられます。

  • 「可能」とだけ記載し、当事者の自由に任せる
  • 対価や競合事業者への提供を制限するなどの条件をあらかじめ決めておく
  • 相手方の同意があるときのみ、第三者提供ができる

このように、当事者の自由に方法を決めることができます。もっとも、生み出されたデータに個人情報や取引先の営業秘密など、第三者には秘密にしておきたいと考える情報が含まれる場合には、利用制限を設けたするなどの配慮が必要です。

(ⅲ)加工等の可否

加工等」とは、データの加工だけでなく、分析や他のデータと組み合わせるなど、新しいものを生み出すことも含まれています。

先に述べたように、データは「加工等」により価値が増大する可能性があるため、自由に「加工等」ができるという内容を記載することも考えられます。もっとも、そのように無制限に「加工等」を認めてしまうと、当事者の予期しない方法でデータが分析されたり、外部に漏洩するなどといった事故が生じるおそれがあります。そのため、安易に無条件での「加工等」を認めるべきではないと考えられます。

また、以下に挙げるケースについては、特に慎重な取扱いが求められます。

  • 個人情報を匿名加工情報とするケース
  • 営業秘密を推認できないように加工するケース

これらのケースでは、扱う情報の秘匿性が高いため、加工などが不十分で漏洩などしてしまった場合には大きな損害を被るおそれがあります。そのため、当事者間で具体的に「加工等」の方法について決めておくといった対応をする必要があります。

(4)データの加工等および派生データの利用権限

    第3条(データの加工等および派生データの利用権限)

    【案1】

    1.前条に定める対象データの利用権限に基づき行われた加工等により得られた派生データに対する利用権限は、加工等の対象となった対象データに対する利用権限に準じる。

    【案2】

    1.前条に定める対象データの利用権限に基づき行われた加工等により得られた派生データに対する利用権限は、別紙Bにおいて対象データの種類ごとにそれぞれ定める。ただし、派生データのうち、別紙Bに特段の定めがないものについては、両当事者間で別途合意をした上で、当該派生データの利用権限を定めるものとする。

    2.甲および乙は、前項および別紙Bにより、各当事者に認められた利用権限の範囲を超えて、派生データを利用、開示、譲渡(利用許諾を含む)および処分をすることはできない。

第3条は、対象データを加工などして得られた派生データについて、誰に、どのような利用権限があるかを決める条項です。

ここでのポイントは、次の3点です

  1. 別紙に定めるべきこと
  2. 案1・案2の違い
  3. 案1・案2のどちらを選択すべきか

①別紙に定めるべきこと

別紙Bの具体的な定め方は以下のとおりです。

別紙Bで定められている項目は、上で説明した別紙Aと同じ5点になります。

そのうち、(ⅰ)データ名について、派生データは、特定のため、名前だけでなく、そのデータを創出した平均値や分散といった指標も記載します。

②案1・案2の違い

本条項では、派生データの利用権限について【案1】・【案2】の2つのパターンがあるため、当事者は、どちらかを選択して契約を締結することになります。

【案1】・【案2】の違いは次のとおりです。

    【案1】

    派生データの利用権限は、派生データが生じる元となった対象データの利用権限と同じとする案

    【案2】

    創出されることが予定されている派生データは別紙Bにより決め、別紙Bで定めていない派生データについてはは甲・乙で別の契約をする案

③案1・案2のどちらを選択すべきか

どちらを選択するか迷うのであれば、【案1】を選択することが合理的です。

なぜなら、データの創出において、契約締結段階で、どのような派生データが生じ、どのような価値を持つかを確定的に予測することが困難なことが多く、対象データと同様に利用権限を処理するのが簡単でわかりやすいからです。

逆に、生み出されるであろう派生データが契約締結段階である程度予測可能なケースであれば、別紙Bでそれぞれの利用権限を個別に設定する【案2】を選択することをおすすめします。

なお、別紙Bに定めていない想定外の派生データが生み出された場合でも、【案2】1条ただし書きにあるとおり、甲乙間で別途利用権限を定める機会をもつことになっているため安心してください。

(5)データについての保証・非保証

    第4条(対象データおよび派生データの非保証)

    1.甲および乙は、それぞれ相手方に対し、本契約に基づき相手方が利用権限を有するデータ(以下「相手方データ」という)の正確性、完全性、安全性、有効性(各利用目的への適合性)および第三者の知的財産権その他の権利を侵害しないことを保証しない。

    2.甲および乙は、それぞれ相手方に対し、相手方データが必ず創出されることを保証するものではない。

    第5条(個人情報の取扱い)

    1.甲および乙は、対象データに、個人情報の保護に関する法律(以下「個情法」という)に定める個人情報または匿名加工情報(以下「個人情報等」という)が含まれる場合には、別紙Cに定める区分に従い、相手方に対して、事前にその旨を明示する。

    2.甲および乙は、別紙Cに定める区分に従い、対象データの生成、取得、および提供等について、個情法に定められている手続を履践していることを保証するものとする。

    3.甲および乙は、第1項に従って対象データが提供される場合には、個情法を遵守し、個人情報等の管理に必要な措置を講ずるものとする。

第4条は、相手方データについて保証しない事項を決める条項です。

他方、第5条は、対象データに個人情報が含まれる場合に個人情報保護法に定められた手続きが行われていることを保証する条項です。

ここでのポイントは、次の2点です。

  1. データの利用等の責任
  2. 個人情報が含まれる場合の保証責任

①データの利用等の責任

甲や乙が、相手方に対して、相手方データの正確性や知的財産権の権利侵害などを保証しないということは、データの利用などによって、損害が生じたり、第三者に損害を与えてしまった場合にも、原則として、そのデータの利用権限を持つ者が責任を負うということになります。なぜなら、利用権限を持つ者は、利用を認められた範囲と方法で自由にデータを利用することができ、その自由な利用に伴う責任は利用権限を持つ者自身で負うべきだといえるからです

もっとも、第4条1項に基づいて、相手方データについて正確性などを保証しなかった当事者が、データが正確ではなくそのまま利用すれば損害が生じることを知っていた(=故意)、もしくは少し気を付ければ簡単に気付けた場合(=重過失)には、「保証しない」との文言に関わらず、責任をとって欲しいですよね。このように、保証しなかった者が責任を負うべきだといえる場合について契約書に定めておくこともできます。

②個人情報が含まれる場合の保証責任

対象データには個人情報が含まれている場合があります。個人情報が含まれるということは、個人情報保護法に定められたルールを守る必要があります。

具体的には、以下のようなルール(手続き)を守る必要があります。

    (ⅰ)利用目的の通知や公表

    (ⅱ)安全管理措置

    (ⅲ)第三者提供の場合の本人の同意

    (ⅳ)第三者提供の場合の記録義務

(ⅰ)利用目的の通知や公表

個人情報を収集するにあたっては、本人に対して、個人情報の利用目的をあらかじめ公表しておくか、本人に通知するかして、知らせておく必要があります。利用目的は何の事業にどのように利用されるのか、できる限り具体的に特定しなければなりません。

(ⅱ)安全管理措置

収集した個人情報については漏洩などしないように、安全に管理する必要があります。たとえば、個人情報にアクセスできる権限を持つ者を制限したり、外部からの不正アクセスがないようセキュリティ対策が施されたサーバーに情報を保管するなどの方法が挙げられます。

(ⅲ)第三者提供の場合の本人の同意

オプトアウトや業務委託に伴う個人情報の提供の場合を除いて、第三者に個人情報を含むデータを提供する場合には、原則として、あらかじめ本人の同意を得る必要があります。

オプトアウト」とは、個人情報を第三者に提供する場合に、本人の求めに応じてその提供をやめることをいいます。

(ⅳ)第三者提供の場合の記録義務

第三者に個人情報を提供した事業者と提供を受けた事業者は、それぞれ提供に関する情報を記録する必要があります。

記録しなければならない事項は、以下です。

  • 提供した場合:「いつ・誰の・どのような情報を・誰に」提供したか
  • 提供を受けた場合:「いつ・誰の・どのような情報を・誰から」提供されたか、ということと提供元の取得経緯

本条項に関して、別紙Cでは、個人情報保護法に定められた手続きを行う責任者を決めています。

③別紙に定めるべきこと

別紙Cの具体的は以下になります。

別紙Cにおいて記載すべき事項は以下の2点です。

    (ⅰ)データ名

    (ⅱ)責任者

(ⅰ)データ名

個人情報が含まれるデータ名を明記しましょう。

(ⅱ)責任者

データごとに、誰が責任者となって手続きを行うのかを明記しましょう。

※個人情報の取扱いについて、義務の内容や例外などをもっと詳しく知りたいという方は、個人情報保護委員会が提供している個人情報ハンドブックをご覧ください。

(6)収益・費用の分担

    第6条(利用権限の配分に対する対価)

    甲および乙は、第2条および第3条により、相手方に対象データおよび派生データの利用権限を配分することにつき、相手方に対して、譲渡費用、利用許諾に対する対価その他の対価を請求する権利を有しない。

    第7条(利益の分配)

    前条にかかわらず、乙が、第2条または第3条に基づき、対象データまたは派生データを第三者に提供し、当該第三者より対価を得た場合には、乙は、甲に対して、【データの譲渡代金または利用許諾に対する対価】の分配として、【譲渡代金またはライセンス報酬の】●%を支払う。

    第8条(分担金の支払い)

    甲は、乙に対して、【データ保管費用】の分担金として、甲および乙が別途協議の上定める金員を支払う。

これらの条項は、データに関して生じる収益や費用の分配方法を決めている条項です。

本条項はあくまで一例であり、必ずしもこの通りに設定する必要はありません。

たとえば、それぞれの条項に関して以下のように修正することが考えられます。

①利用権限の配分に対する対価(第6条)

本条項では、相手方に対象データ・派生データの利用権限を認める際に、一切の対価を請求しないことになっています。要するに、利用権限の設定に関しては無料(対価なし)で行うことになります。

もっとも、利用権限を設定する条件として、金銭の代わりに、対象データや派生データに基づき作成した成果物の提供などを行う場合もあります。

このような場合には、次のように条項を修正することが考えられます。

    【修正案】

    甲および乙は、第2条および第3条により、相手方に対象データおよび派生データの利用権限を配分することにつき、相手方に対して、当該対象データおよび派生データに基づき作成した成果物を提供する。

②収益の分配(第7条)

生み出したデータを当事者のみで利用するのではなく、第三者に提供することで収益を得ることがあります。モデル契約書では、対象データや派生データを第三者に提供した際に生じた収益の分配方法が定められています。

もっとも、モデル契約書と異なるケースとして

  • データを活用して作成した分析モデルを第三者に提供するケース
  • 売上高にかかわらず固定料金を支払うケース

などといったケースが想定されます。これらのケースに該当する場合の修正案を見ていきましょう。

(ⅰ)分析モデルを第三者に提供するケース

このケースでは、第三者に提供する物がモデル契約書と異なります。

生み出したデータを使った分析モデルとしては、たとえば、「サイトを閲覧した潜在顧客数」、「問い合わせを行った見込み顧客数」、「受注した顧客」という分析データをもとに作成された売上予測モデルがあります。

この売上予測モデルを第三者に提供するケースでは以下のように条項を修正することが考えられます。

    【修正案】

    前条にかかわらず、乙が、第2条または第3条に基づき、対象データまたは派生データから作成した売上予測モデルを第三者に提供し、当該第三者より対価を得た場合には、乙は、甲に対して、売上予測モデルから得た収益の分配として、売上予測モデル利用料の●%を支払う。

(ⅱ)売上高にかかわらず固定料金を支払う場合

たとえば、乙が販売する売上予測モデルに関してどんなに売上が出ても甲に対しては固定料金しか支払わないとするケースが考えられます。売上予測モデルの売上が0でも、甲には固定料金が支払われるため、売上が期待できない場合に選択されることが多いケースです。

具体的には、条項を以下のように修正することが考えられます。

    【修正案】

    前条にかかわらず、乙が、第2条または第3条に基づき、対象データまたは派生データから作成した売上予測モデルの第三者への提供に関し、乙は、甲に対して、売上予測モデルから得た収益の分配として、金●●円を支払う。

(7)第三者の権利により利用が制限される場合の処理

    第9条(第三者の権利により利用が制限される場合の処理)

    甲および乙は、相手方データに、第三者の知的財産権の対象となるデータが含まれる等、相手方の利用につき制限があり得ることが判明した場合には、速やかに相手方と協議の上、協力して当該第三者の許諾を得ることまたは当該データを除去する措置を講じること等により一方当事者が利用権限を行使できるよう努める。

第9条は第三者の権利(著作権)などが含まれているために、データの利用制限がある場合の対応について決める条項です。

ここでのポイントは次の2点です。

  1. 第三者の権利による利用制限
  2. 努力義務

①第三者の権利による利用制限

データの創出で生み出したデータを利用するにあたって、次の場合には注意が必要です。

  • データの創出に、甲乙以外の第三者の協力があった場合
  • データ創出のために使う機械を甲乙だけでなく第三者も提供している場合
  • データ創出に使用されるアルゴリズムが甲乙以外の第三者によって提供された場合

なぜなら、生み出したデータに「第三者の権利」が含まれている可能性があるからです。

具体的に「第三者の権利」とは、

  • 第三者の特許権や著作権などの知的財産権
  • 第三者の営業秘密

などが挙げられます。

このように第三者が権利を持っているデータを権利者に無断で勝手に使ってしまうと、

  • 最大10年の懲役
  • 最大1000万円の罰金

のどちらかまたは両方を科される可能性があります。

また、勝手にデータを使用したのが企業であるケースでは、

データに第三者の特許権や著作権が含まれる場合は、

  • 最大3億円の罰金

データに第三者の営業秘密が含まれる場合は、

  • 最大5億円の罰金

のペナルティが科される可能性があります。

そのため、利用するデータに第三者の権利が含まれる場合には、当事者が協力して問題なくデータを利用できるように対応することが「努力義務」として定められています。努力義務とは何か?義務とは何が違うか?なぜ努力義務にしているか?については次の項目で解説します。

②努力義務

努力義務」とは、文字通り、契約書に定められた事項を達成できるよう努力する義務のことをいいます。通常の「義務」と異なり、定められた事項を達成できなくても契約違反とはなりません。もっとも、定められた事項を達成しなければいけないわけではないからといって何もしなくていいというわけではありません。達成できるよう努力すらしない(努力義務を怠った)場合には努力義務違反として損害賠償請求をされる可能性があるため注意が必要です。

今回、第9条が努力義務としているのは、当事者が第三者との調整をどんなに頑張ったとしても、第三者からデータの利用を許諾してもらえない(第三者という外部的要因によってデータの利用ができない)可能性があるからです。

このように、契約書で定められた事項が外部的要因が原因で達成できない可能性がある場合は、通常の「義務」ではなく「努力義務」が定められることが多いといえます。

(8)データの安全管理措置・秘密保持義務

    第10条(データの管理)

    1.甲および乙は、相手方データを他の情報と明確に区別して善良な管理者の注意をもって管理・保管しなければならず、適切な管理手段を用いて、自己の営業秘密と同等以上の管理措置を講ずるものとする。

    2.甲および乙は、相手方データの管理状況について、相手方当事者に対していつでも書面(電磁的方法を含む。以下同じ)による報告を求めることができる。この場合において、相手方データの漏えいまたは喪失のおそれがあると判断した場合、甲および乙は、相手方当事者に対して相手方データの管理方法・保管方法の是正を求めることができる。

    3.前項の報告または是正の要求がなされた場合、要求を受けた相手方当事者は速やかにこれに応じなければならない。

    4.甲および乙は、第2条または第3条に基づき、相手方データを第三者に提供する場合には、当該第三者と秘密保持契約を締結する等して、当該第三者に対して、本条により自己が負うのと同様の義務を負わせなければならない。

    第11条(秘密保持義務)

    1.甲および乙は、本契約を通じて知り得た、相手方が開示にあたり、書面・口頭・その他の方法を問わず、秘密情報であることを表明した上で開示した情報(以下「秘密情報」という。ただし、相手方データは本条における「秘密情報」には含まれない。)を、厳に秘密として保持し、相手方の書面による事前の承諾なしに第三者に開示、提供、漏えいし、また、秘密情報を本契約に基づく権利の行使または義務の履行以外の目的で使用してはならない。ただし、法令上の強制力を伴う開示請求が公的機関よりなされた場合は、その請求に応じる限りにおいて、開示者への速やかな通知を行うことを条件として開示することができる。

    2.前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する情報は、秘密情報にあたらないものとする。

    ①開示の時点で既に被開示者が保有していた情報

    ②秘密情報によらず被開示者が独自に生成した情報

    ③開示の時点で公知の情報

    ④開示後に被開示者の責に帰すべき事由によらずに公知となった情報

    ⑤正当な権利を有する第三者から秘密保持義務を負うことなく開示された情報

    3.被開示者は、本契約の履行のために必要な範囲内に限り、本条第1項に基づく秘密保持義務を遵守させることを前提に、自らの役職員または法律上守秘義務を負った自らの弁護士、会計士、税理士等に対して秘密情報を開示することができる。

    4.本条に基づく義務は、本契約が終了した後も●年間存続する。

第10条・第11条はデータの取扱いについて決めた条項です。

ここでのポイントは、次の3点です。

  1. 「秘密情報」と「相手方データ」
  2. 損害賠償額の予定
  3. 不正競争防止法

①「秘密情報」と「相手方データ」

第11条1項からわかるとおり、「秘密情報」の定義から「相手方データ」が除外されています。

そのため、秘密情報であることを表明したか否かにかかわらず、「相手方データ」の定義(4条1項)にあてはまる情報については、第10条に定められたとおりの情報の取扱いをしなければいけないことになります。

また、「相手方データ」については、「秘密情報」の条項で、例外的に秘密情報に当たらない場合の定め(11条2項)があるように、例外的に相手方データにあたらない場合に関する定めがありません。そのため、いったん「相手方データ」の定義にあてはまれば、必ず、第10条の定めに従わなければいけない点には注意が必要です。

②損害賠償額の予定

管理義務違反など、相手方が契約書で決めたルールを守らなかった結果、データが流出してしまうことがあります。その際、どれだけの損害が発生したのか、その損害賠償額について算定が困難なことが多々あります。なぜなら、形がないデータそのものにどれだけの価値があるのか計算することが困難だったり、流出によってどれだけの被害があったのか把握できなかったりということがあるからです。

そのため、契約書ではあらかじめ当事者間で賠償する額を決めておく(損害賠償額の予定)という方法があります。

賠償額を決めることのメリットは、以下のことが挙げられます。

  • 請求される側としては、損害賠償しなければならなくなった場合のリスク(賠償額)をあらかじめ知ることができる・請求する側は、実際に被った損害額を計算する手間を省くことができる

他方、デメリットとして以下のことが挙げられます。

  • 予定額を超えた損害が発生した場合でも、損害額を予定額に限定しない旨の合意がないと請求することができない
  • 逆に、予定額より発生した損害が少額だった場合でも、予定額どおりに払わなければいけないので、過剰な支払いとなってしまう可能性がある

そのため、デメリットを踏まえて、賠償予定額の条項に、「賠償額は必ずしも予定額に限定されない」旨の文言を入れるという案もあります。そのようにすると、予定額より賠償額が大きい場合、小さい場合に臨機応変に対応できるようになります。

以下は、原則「相手方データ」に関して賠償予定額どおりに支払い、例外的に予定額に限定されない場合をただし書きに定めた修正案となります。

    【修正案】

    甲および乙は相手方データの漏えい、喪失、第三者提供、目的外利用等本契約に違反した利用により、相手方に損害が生じた場合、違約金として●円を支払う義務を負う。ただし、甲または乙が実際に生じた損害額を立証した場合には当該損害額の賠償を行うものとする。

③不正競争防止法

「相手方データ」の保護の方法としては、契約書での保護(第10条)の他に、不正競争防止法の「限定提供データ」として保護するという方法があります。「相手方データ」が「限定提供データ」といえる場合には、差止め損害賠償請求といった民法上の保護が受けられるようになります。

限定提供データ」とは、以下の4つの条件を満たしたうえで、事業として、特定の者に対して提供されたデータのことをいいます。

  1. 業として特定の者に提供するデータ(=限定提供性)
  2. 電磁的方法により相当量蓄積されているデータ(=相当蓄積性)
  3. 電磁的方法により管理されているデータ(=電磁的管理性)
  4. 秘密として管理されていない技術上または営業上のデータ
(ⅰ)限定提供性

一定の条件を満たす者に対して、事業としてデータを提供することをいいます。たとえば、とある業界団体が会費を払っている会員向けに、毎月、その業界におけるトピックスをレポートにまとめて提供する場合が挙げられます。

(ⅱ)相当蓄積性

「このデータは有用である」といえる程度に電子データが蓄積されていることをいいます。具体的にどの程度蓄積されている必要があるかは、個々のデータの性質や収集・分析にかけられた労力・データ活用の可能性などから判断されます。

たとえば、ある地点での通行人の数や年代などを調査する通行量調査のデータが挙げられます。これらのデータを一定期間継続して収集することで、出店計画に役立つ情報となります。

(ⅲ)電磁的管理性

「特定の者にだけデータを提供する」というデータ保有者の意思が外部に表明されていることをいいます。

たとえば、データの保有者と、その保有者から提供を受けた特定の者だけがアクセスできるようにデータにIDやパスワードを設けることが挙げられます。

(ⅳ)秘密として管理されていない技術上または営業上のデータ

データ保有者が秘密として管理しているデータは「営業秘密」として保護される可能性があるため、「限定提供データ」から除外されています。たとえば、マル秘とシールを張った社内資料などはこの条件をみたさないことになります。

これらの条件をみたした「相手方データ」は「限定提供データ」とされます。なお、秘密として管理されていないという「限定提供データ」の条件をみたすために、契約書においても、第10条の中からも、秘密として管理されているという要素を除く必要があります。

具体的には第10条を以下のとおり修正する必要があります。

    【修正案】

    第10条

    第1項

    甲および乙は、相手方データを他の情報と明確に区別して善良な管理者の注意を もって管理・保管するものとする。

    第4項

    甲および乙は、第2条または第3条に基づき、相手方データを第三者に提供する場合には、当該第三者に対して、本条により自己が負うのと同様の義務を負わせなければならない。

(9)契約終了時のデータの取扱い

    第16条(契約終了時のデータの取扱い)

    1.甲および乙は、本契約が終了したときは、別紙Dにおいて契約終了時におけるデータの廃棄または消去が明記されたものについて、別途甲および乙で定める手続に従い、速やかに廃棄または消去する。

    2.甲および乙は、前項により廃棄または消去をする義務を負うデータ以外の対象データおよび派生データの利用権限を有し、第2条、第3条、第10条第1項および同条第4項にしたがった利用をしなければならない。

この条項は、契約終了後に、データの廃棄や消去が必要な場合のルールを決めています。

もっとも、契約終了後にデータを使っても何ら問題がない場合にまでデータの破棄・消去をしなければならないとすると、わざわざ必要のないことをしなければならず不合理です。そこで本条項は、別紙Dで破棄・消去すべきデータだけ指定するという方法を提示しています。

別紙Dは以下になります。

もっとも、「消去しましたよ」と口頭で報告されても、実際にデータが消去されたかどうかは、相手方にはわかりません。そのため、データを消去したという事実を保証してもらうために、別紙Dに定めたように必要に応じて文書の提出を求めることができるようにすることも有効です。

※消却に関する証明書のひな形は、こちらからダウンロードしてご利用ください。

【ひな形・テンプレート】破棄証明書

5 小括

データを共同で生み出すという性質上、予定されていたデータだけでなく、予想外のデータが生み出される場合もあります。そのようなデータも含めて、後に権利関係などで争いになるのを避けるために、契約書を締結する段階でデータについての利用条件や利益配分などをできる限り検討しておくことが重要です。

これまで見てきた契約書はモデル契約書であるため、一例にすぎません。

契約内容は、事業者同士の関係、取引の実態によって変わり得るものであるため、個別にカスタマイズしていく必要があることに留意してください。

6 まとめ

これまでの解説をまとめると、以下のようになります。

  • 「データ契約」には、①データ提供型、②データ創出型、③データ共用型の3つのタイプがある
  • 「データ創出型」契約とは、複数当事者が共同して新しいデータを生み出す場合に、当事者間でデータに関する利用権限について取り決めるために締結する契約を意味する
  • どのようなデータが生み出されるか予測がつかない面もあるため、別紙を用いて細かく条件を決めておく必要がある
  • 「データ創出型」契約には留意すべき9つのポイントがある
    ※【ひな形の注意事項】

  • 本ひな形は、下記URL記載の経済産業省作成にかかる「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(データ編)」内に掲載された「モデル契約」をもとに、枠線の削除、フォントの変更等を加えたものになります(出典:「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(データ編)」120項~130項(平成30年6月・経済産業省))。
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