自己PR動画解析AI「harutakaエントリーファインダー」を解説

はじめに
2021年2月24日、HR Techスタートアップの「株式会社ZENKIGEN」が自己PR動画解析AI「harutakaエントリーファインダー」の提供を開始したと発表しました。
また、株式会社 USEN-NEXT HOLDINGS(本社:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:宇野 康秀 )では、2021年度の採用において「harutakaエントリーファインダー」を導入し、自己PR動画のAI解析の実施と全応募者への解析結果の開示を行います。
PR TIMESより
株式会社 USEN-NEXT HOLDINGSは、いちはやく導入した「harutakaエントリーファインダー」を2021年度の採用で活用するとしています。
今回は、「harutakaエントリーファインダー」について、詳しく見ていきたいと思います。
1 「harutakaエントリーファインダー」の概要

「harutakaエントリーファインダー」は、オンライン採用に特化したサービスです。
自己PRを撮った動画から得られる顔の表情や声などをAIが解析し、複数の項目に分けて定量化します。
一般的に、書類選考の段階では、記載事項などからしか応募者を評価できないという独自の難しさがありますが、harutakaエントリーファインダーでは、AIにより応募者の評価指標が定量化されるため、個性などを把握しやすくなり、公平で客観性のある効果的な選考を実現することができます。
また、定量評価が可能となることで、これまで見えてこなかった採用基準の改善点などが見えてくることも期待できます。
さらに、応募者にとっても、AIと協業することにより書類だけでは伝えられない印象をプラスしたうえで、評価を得ることができます。
このように、「harutakaエントリーファインダー」を活用することで、能力の評価だけに捉われることなく、多面的な評価が可能となるため、それまで見落としがちであった応募者を採用フローへ引き上げることが可能になるのです。
2 「harutakaエントリーファインダー」における採用機能

「harutakaエントリーファインダー」には、web面接に特化した以下のような機能が搭載されています。
(1)エントリー動画機能
あらかじめ企業が設定した質問に対して、応募者が動画撮影、テキスト入力などを通して回答できる機能です。
これらにより、書類だけでは見ることができなかった応募者の熱意や人柄などを事前に確認することができます。
(2)ライブ面接機能
遠方に居住する応募者とライブ形式で面接をすることができる機能です。
遠方に住む応募者は、スケジュールの調整が困難であったり、面接のために多額の交通費を負担しなければならなかったり、とそこには一定の壁がありました。
ですが、「harutakaエントリーファインダー」では、遠方にいてもオンラインでライブ形式で面接をすることができるため、スケージュールの調整もしやすく、また、交通費を負担する必要もなくなります。
(3)ダッシュボード機能
オンライン面接では、通信の調子から途中で切れてしまったり、聞き取りにくいといったことがしばしば起きます。
「harutakaエントリーファインダー」は、接続テストの実施状況や面接当日のライブ実施状況をダッシュボードで管理することができます。
そうすることで、面接当日の通信トラブルを未然に防ぐことができるようになっています。
3 「harutakaエントリーファインダー」のメリット

「harutakaエントリーファインダー」には、以下のようなメリットがあります。
(1)選考ミスマッチの回避
エントリー動画やライブ面接の録画データは、複数人で共有することができるため、多角的な評価を可能にし選考精度を高めることができます。
そのため、選考におけるミスマッチを回避することができます。
また、エントリー動画では、書類からは把握できない熱意などを確認することができるため。面接前のミスマッチを回避することも可能です。
(2)業務の効率化
エントリー動画やライブ面接の録画データは、複数人間で共有できるため、面接に同席できなかった人も空いている時間などを使ってすぐに確認することができます。
引継ぎ事項もすぐに引き継ぐことができるため、わざわざ口頭で説明をして引き継ぐといった手間を省くことが可能です。
(3)選考時間の短縮
通常の選考では、エントリーから内定に至るまでに一定の時間を要することになります。
その点、「harutakaエントリーファインダー」では、エントリー動画が書類選考も兼ねているため、リードタイムを短縮することができます。
その結果、採用コストの削減にも繋がります。
(4)応募者管理の効率化
「harutakaエントリーファインダー」では、応募者の情報をデータベース化し、応募から採用に至るまでの一連の業務を管理することができます。
加えて、応募者の選考に係る進捗状況も確認できるため、応募者管理を効率化でき、業務の効率化にも繋がります。
4 料金|マネタイズ

「harutakaエントリーファインダー」を導入する場合、会社情報を入力することにより、料金表をダウンロードできるようになっています。
企業サイトによれば、導入時に「初期費用」がかかることに加え、導入後は「月額費用」がかかるようです。
5 まとめ
従来、採用選考には多くの時間と費用がかかる反面、採用を決めた人材が必ずしも自社にマッチするとも限らず、一定のリスクがつきものでした。
また、応募者が増えるにつれて、応募者や各人の進捗の管理が煩雑化していくという課題もありました。
「harutakaエントリーファインダー」は、応募者とAIを協業させることにより、採用DXを推進するサービスです。
従来では見抜けながった応募者の熱意や人間性などを動画から読み取ることを可能にすることで、選考精度を上げることにも繋がり、また、オンライン採用に特化した機能により業務・管理の効率化を図ることができます。
AIを使った人事採用については、まだまだ課題もあります。
そもそものデータが偏っていればアルゴリズムも偏ってしまいますし、AI評価が選考評価の大部分を占めるようになると基準がブラックボックス化してしまいます。
(企業には採用の自由が認められていますが、できる限り公正な採用選考をすることが求められています。)
しかしながら、では人間がする選考に問題がないかといえば、そうでもありません。
そもそもにおいて学歴などの形式基準で多くの志望者の応募が中身すら見られることなく終わっていますし、面接官の属人的な主観によって判断がばらついてくることもあります。
そのような中で、AIによる面接動画の評価と実際の採用データが蓄積されてくれば、協調フィルタリング(amazonのレコメンドのように、過去の購買履歴をもとに膨大なデータから最適のおすすめを表示する等)等によって膨大な応募者の中から自社に合った人材を見落とすことなくマッチングするということにもつながってくると予想されます。
そうなってくると、「harutakaエントリーファインダー」のようなシステムは手放せないものになってくると思います。
「採用」という、企業と応募者の双方にとって重要な意味合いを持つ活動が、今後よりいっそう生産的かつ効果的なものになっていくことが期待されます。
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