
目次
はじめに
2021年2月16日、学習・業務支援プラットフォーム「TimeTact」を提供する「株式会社Study Valley」がシードラウンドにて資金調達(金額は不明)を実施したことを発表しました。
調達した資金は、学習・業務支援プラットフォーム「TimeTact」のシステムの拡充や今後の新規事業の開発に充てる予定です。教育業界におけるデジタルシフトの促進を加速させ、教育から日本の未来を変える企業を目指し、成長していく所存です。
PR TIMESより
Study Valley社は、未来の教室(経産省)が運営を開始する「STEAMライブラリー」のシステム構築事業者にも採択されています。
今回は、「Time Tact」について、ビジネスモデルなどを中心に見ていきたいと思います。
1 「Time Tact」の概要
「Time Tact」は、教育現場における学習や業務の支援を目的とするサービスです。
教育現場では、担任の先生が多数の生徒を受け持つことが通常であるため、情報をうまくまとめることが容易ではなく、どうしてもバラバラになりがちです。
Time Tactは、バラバラになりがちな情報をまとめることで、校務の効率化を図ることができる仕組みになっています。
また、生徒は、課題をクリアするごとに付与されるポイントを使って買い物をすることができます。
生徒のモチベーションアップや学習意欲の向上にも繋がる工夫がこらされているのです。
2 サービスの特徴
(1)欠席や遅刻連絡の柔軟化
従来、学校を欠席・遅刻する場合には、学校が対応できる時間帯にその旨の連絡を入れる必要がありました。
「Time Tact」では、学校が対応可能かどうかを問わず、家庭からその旨の連絡を入れることが可能です。
欠席・遅刻の情報は、自動的に出席簿に反映されるため、学校側は欠席・遅刻の電話対応や担任への共有を省くことができます。
(2)ペーパーレス化
従来、学校から生徒の保護者などにお知らせがある場合には、紙媒体でその内容を知らせることが一般的でした。
「Time Tact」では、アプリ内でその内容を確認することが可能です。
また、大事なお知らせなどはアプリ内に保存しておいて、後から何度でも確認できるようにしておくこともできます。
(3)出欠確認と入力の効率化
従来、出席確認をする際にはどうしてもそこに一定の時間がかかっていました。
担任が生徒の名前を一人一人呼び上げ、生徒がいることを確認して出席簿にチェックを入れるといった方法が主流であったためです。
「Time Tact」では、欠席や遅刻をする生徒の情報はすべて自動反映されているため、担任の先生はPCやタブレットを使ってすぐに確認できます。
また、早退をする生徒の情報も出席簿に自動反映されるため、担任は生徒に係る情報を常時把握した状態でいられます。
3 「Time Tact」が備える機能
「Time Tact」には、以下のような機能が備わっています。
(1)教材の登録と配信
自由に教材を登録・追加することができ、登録した教材を先生や生徒に配信することも可能です。
教材の対応状況を確認することもできます。
(2)宿題の提出と確認
従来、宿題は学校で提出するものでしたが、「Time Tact」では、宿題を写真で撮影し、担任の先生に共有することも可能です。
担任は、いちはやく宿題を確認することができるため、生徒ごとにその後の対策などをフィードバックすることができます。
(3)支払状況の確認
先生と生徒の月謝等の支払状況をPCやタブレットですぐに確認することができます。
4 学習管理・学習支援サービス「Rinsely」
Study Valley社は、「Time Tact」をリリースする前から「Rinsely」というサービスの提供を開始しています。
校務の効率化を目的とする「Time Tact」に比べ、「Rinsely」は学習の効率化を目的としています。
先生は独自に作成した教材などを生徒に配信することができるだけでなく、配信した教材の学習状況や進捗状況を生徒ごとに把握することも可能です。
また、生徒は与えられた宿題や課題について、その写真を撮影することにより、リモートで提出することができます。
このように、「Rinsely」を利用することにより、先生は生徒の学習状況などをより正確に把握することができるため、学習サポートに活かすこともできます。
5 まとめ
Study Valley社は、小学生を対象とした算数AIアプリ「アンカー」の提供を開始後、EdTechの技術などを活かし、サービスを大きく成長させてきました。
「TimeTact」は、主に塾や家庭教師などをターゲット層にしたサービスですが、これまでアナログであった教育業界をデジタルシフトすることにより、子どもが抵抗感をもたずに勉強できるようになるということも狙いの一つとしています。
これまでEdTechと言えばデジタル教材などの提供等がメインでしたが、出欠や学習進度の管理など、地味ながらも日々発生している事務作業を省力化する意味は大きいと思います。
「黒板」と「ノートへの板書」を中心として学生生活を送った者からすれば考えもつかないサービスですが、教育業界がどのように変わっていくのか、注目していきたいと思います。
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