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競合調査の必要性【競合を発見したらむしろ喜ぶべきワケとは?】

はじめに ~なかなか気が進まない競合調査~

こんにちは、弁護士の勝部です。
事業立ち上げをする際、システムやサービスの概要、収益化のアイディアなど、事業の核となる部分の検討がまず必要になってきますが、それと同時に市場や競合の調査もやっておく必要があります。

様々なビジネス立ち上げをコンサルティングをやっている中で、この「競合調査」というものは結構な確率で不十分であることが多いポイントです。

今回は、競合調査について、その重要性やどのように向き合うかについてお話をしていきたいと思います。

1 なぜ競合調査は気が進まないか?

競合調査

何を隠そう、私(弁護士勝部)自身も、競合調査は余り得意ではありません。

理由は単純で、

「自分がすごいと思って考え付いた案を、他の誰かがすでに実現していたとしたら頭にくるから」

です。

「こんなサービスがあったら受けるはず」「世の中の誰もが考え付いていないはず」。

そう思って着手したら、とうの昔に誰かがやっていた。

基本的には愉快であるはずはありませんね。

この傾向は自分の思い入れが強いアイディアの時ほど顕著に働き、そしてそういうときほど自分では競合が見つけにくくなります。

心の中の「他の誰も手を付けているはずがない」という強い思いが、「手を付けていないでくれ」という強い願望に変わり、それが冷静な視点で競合調査が出来ていないことにつながっているのかも知れません。

主観的に思い入れの強い案ほど、周りに相談したらあっという間に競合になりそうなサービスを指摘された、というのは、事業立ち上げでは結構あるあるなのかも知れません。

2 特許出願時の調査

この傾向は特許出願のときにもあります。

特許の場合、調査が甘いと査定の時にも揉めますし、新規性を真正面から否定するような先例がある出願など、出願費用をドブに捨てるようなものなので、特に注意が必要です。

しかし、特許のときにも、どうやらこの「世の中の誰もが考え付いていないはず」という思念が強く働いてしまうらしく、自分で調査するとどうしても甘くなってしまいます。

これは私の経験ですが、特許明細を念入りに起案し、出願直前に弁理士さんに確認してもらったら、ほぼほぼ自分の案と同じ内容がすでに出願済で出願をあきらめたことがあります。

(それ以降は、たとえお金がかかっても、調査だけは早い段階で弁理士さんにお願いすることにしています。)

やはり共通するのは、自分のアイディアだと思い入れが強すぎて、客観的な調査が十分にできない可能性がある、ということですね。

3 競合を見つけたらむしろ喜ぶべき?

しかし、これは本来は逆のはずです。

  1. 競合が全然見つからない → 悪い兆候
  2. 競合がたくさん見つかった → 良い兆候

考えてみると、競合がたくさん見つかるということは、そこに市場があるからにほかなりません。

世界中には何十億人という人がいるのですから、市場がある=儲かるということは、どこかの誰かが同じことを思いついて、サービスとして形にしている方がむしろ自然です。

競合が見つからないということは、「市場はあるけど自分以外誰もまだ思いついていない」か、「そもそも市場がないか、サービス実現のために障害があるためサービスになっていない」か、どちらかが原因であるはずですが、おそらくほとんどの場合が後者です。

本当に市場があってまだ手付かずのサービスがあるとしたら理想的なのですが、多くの場合、競合が出てきていないのにはそれなりの理由があります。

今まで、自分のサービスやコンサルティングしたサービスも含めて多くの経験をしましたが、まだ市場がないビジネスは最後の最後で収益面のロジックが足りずに形にできないパターンが多いです。

そういう意味では、競合が見つかるのはむしろウェルカムで、ただコアの部分だけは自分のアイディアがone and onlyであるというのが一番理想的ではあるのですが、、、

そうでない場合に、どうやって客観的な状況に向き合うかがポイントになってくると思っています。

4 競合とどう向き合うか

以上を踏まえた上で、私が競合調査のときに心がけているポイントをいくつかピックアップしたいと思います。

(1)競合調査は宝探し

私の主観的な経験の限りの感想のようなものになってしまいますが、事業立ち上げの経験値の高い経営者・会社ほど、競合調査は念入りにやっています。

何もすべてのアイディアが自分の発案である必要はないのです。

もちろん違法な態様でパクったら大問題ですが、他社のアイディアを参考にしたり、それをもとにブラッシュアップするのは、法律の定めたルールに則ってやる限り何の問題もありません。

また、KPI測定やロジカルな仮説立案や検証も、すごい会社はびっくりするほどガリガリやって、撤退ライン以下であれば潔く撤退しています。

その際にも、競合の存在なくして数字の立案はできません。調査はあまりお金を使わずに成功に近づくためのよい方法の一つとなります。

(2)数字に強くなる

公開されている財務諸表をもとに分析してみることはよいトレーニングになります。

税理士や会計士などの専門家でないと数字など分かるはずがない、という先入観を捨てて、分かるところだけでも数字から分析していくことによって客観的な分析が可能になります。

(3)世の中をアップデートするつもりで

競合が解決できていない課題を解決するということは、それだけ世の中が便利になり、多くの人の役に立つということにつながります。

ビジネスを形にするということは、世の中をアップデートすることであり、大げさに言えば人類をアップデートすることにもつながります。

そういう心構えを持っていれば、他の方のアイディアに打ちのめされる心の傷(笑)も少しは軽くなるような気がしています。

自分もそういう方々のために役立つアドバイスをすることができる存在となれるよう、日々研鑽していきたいと思っています。

勝部 泰之 (Yasuyuki Katsube)

トップコート国際法律事務所CEO。弁護士として稼働する傍ら、プログラマ・PMとして稼働した経験を活かし、システム開発に関連する業務を多く手掛ける。

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