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「アリススタイル」が新機能を追加!ビジネスモデルを弁護士が解説!

はじめに

家電などを貸し借りできるシェアリングプラットフォーム「アリススタイル」を運営する「株式会社ピーステックラボ」が、借りた商品を購入できる機能を追加しました。

家電などを貸し借りできるスマホアプリ「アリススタイル」を手掛けるピーステックラボ(東京・渋谷)は、借りた商品をそのまま購入することもできる機能を追加した。借り手は商品を一度試してから購入できるようになる。中古品を取引するフリーマーケット型のサービスで、商品の状態や使い勝手を事前に確認できないという課題を解決する。
https://r.nikkei.com/article/DGXZQODZ210YY0R20C21A1000000?type=group#gAAUAgAAMAより

同社は、2020年12月に、企業向けのレンタルサービス「アリススタイル・ビジネス」についても、その提供を開始すると発表しています。

今回は、同社が手掛けるサービス「アリススタイル」を中心に見ていきます。

1 サービスの概要

アリススタイル」は、個人間、企業と個人間で家電などを貸し借りできるレンタルサービスです。

貸主にとっては、使用頻度の低いものや使用しなくなったものを貸すことによって収入を得ることができるというメリットがあります。
これに対し、借主にとっても、低価格でお試しで使うことができたり、必要な期間にかぎり使うことができたりするというメリットがあります。
貸し借り可能な商品は、家電をはじめ、美容グッズ、フィットネス器具、ベビー用品など、ラインナップは多岐にわたります。

貸主と借主の間で行われる取引は、メッセージのやり取りをはじめ、レンタルの予約や発送の連絡などをすべてアプリのなかで完結することが可能です。
また、取引の対象となる品物には、物損や盗難に備えて、すべて損害保険がつけられるため、安心して取引ができるようになっています。

出品者は、個人だけでなく、家電メーカーなどの企業も含まれているため、新商品や話題となっている商品、モニター商品などが出品されることもあります。

2 サービスの流れ

サービスの流れは、以下に見るとおり、いたってシンプルです。

(1)出品

家にある不用品などを出品したい(貸したい)人は、その不用品の写真をアプリで撮るだけで、出品することができます。

(2)注文

アリススタイルでは、毎日新しい商品が10~20品ほどアップされ、テレビで取り上げられたアイテムやグッズなどが放映後すぐに表示されることもあります。
テレビで取り上げられた商品に興味をもつと、「試しに使ってみたいな」という思いを抱くことがあります。
アリススタイルでは、タイムリーな商品を見つけやすくなっているため、興味をもった商品がアップされているかもしれません。
このようにして、使ってみたい商品が見つかれば、利用料金などを確認したうえで注文をします。

(3)配送

品物の貸し借りが成立すると、貸主と借主には2次元コードが発行されるようになっています。
貸主は、最寄りのヤマト運輸の営業所やコンビニなどにおいて、2次元コードをかざすだけで品物を発送することができます。
氏名や住所などの個人情報を相手に知られたくないと場合には、匿名配送サービスを利用することにより、お互いに個人情報を知られることなく配送と受取を行うことも可能です。

3 サービスの特徴

アリススタイルには、以下のような特徴があります。

  1. 大手企業との連携
  2. 出品代行サービスの提供

(1)大手企業との連携

すでに見たように、アリススタイルでは、匿名発送システムや損害保険の仕組みが構築されています。
これは、ヤマト運輸や東京海上日動火災保険といった大手企業と連携することにより実現されています。
貸主にとっては、配送の手間を省くことができ、プライバシーを守ることもできます。
また、借主にとっても、貸主と同様にプライバシーを守ることができ、保険もついているため安心して取引をすることができるのです。
さらに、貸し出す作業が面倒だという人のために、アスクルロジストと連携することにより、品物を倉庫で代行管理する仕組みも構築されています。

(2)出品代行サービスの提供

ピーステックラボ社は、遊休資産を有効に活用したいという個人や法人を対象としたレンタル品の出品代行サービスも提供しています。
具体的には、品物の貸し借りに発生する業務をアリススタイルに委託することにより、商品の発送や検品といった業務を省くことができ、その代わりに、売上金の50%を手数料として支払うというサービスです。

特に、商品メーカーなどの企業にとっては、遊休資産などの貸し借りを通じて、新たな顧客との接点を生み出すことが期待できます。
単に商品を販売するのではなく、まずは一般ユーザーに体験してもらうことにより、購買欲を高める効果を生み出すことが可能になります。
多くの一般ユーザーとの接点を作ることができ、それまでアプローチが難しかった消費者層へのPRにもなるため、商品を広く普及したり売上を伸ばしたりすることを目指すことができます。

4 サービスの利用料金|マネタイズ

(1)貸主

貸主は、借主から受領したレンタル料金・買取料金の15%に相当する金額をサービス手数料としてアリススタイルに支払うことになります。

(2)借主

借主は、貸主に対して、商品のレンタル料金・買取料金、商品の送料、サービス提供などを支払わなければなりません。
具体的な金額は、商品やレンタル期間によって異なります。

このように、アリススタイルは、貸主から支払われるレンタル料金・買取料金の15%相当額によって収益を上げているのです。

5 競合優位性と考えうる課題

(1)競合優位性

すでに、中古品の個人間売買やフリーマーケットサービスとしては、ヤフオク!、メルカリ、ラクマなどの大手サービスがありますし、家電やスマホなどのレンタル業者もインターネットで検索すればいくつもあります。
アリススタイルの強みは、この両業態の良いところを掛け合わせることで既存サービスの課題を解決しようという点にあります。

パソコンや家電等のレンタルをする場合、レンタル料金は新品購入に比べてそれほど割安ではありません。
これはレンタル品を壊してしまったり返さなかったりというトラブルに備えて保険加入をしたり、次に貸し出しをするためのメンテナンスコストがかかるためだと思われます。

他方で、中古品販売サービスには、「売りたくはないが数か月貸してもよい」というニッチなニーズに答えることができていません。

「買ったけれども使っていないモノ」は、持っている人からすれば資産価値ゼロの商品ですから、それを貸し出して少しでも利益が得られるなら、新品よりも安いレンタル料金を設定できる可能性があります。

また、レンタルをして試しに使った後に購入したい、もし買いたいなら売ってもよいというニーズにも柔軟に対応できます。

レンタルという形態から入ることで今まで取り込めなかった顧客やニーズを取り込むことが可能になります。

(2)考えうる課題

他方で、レンタルで貸したのに期日までに返してくれない、目に見えない傷がついていた、等のレンタル事業特有の課題がなくなるわけではありませんから、その部分に適切に対応するためのルール整備が不可欠になってくるでしょう。そういったルールは利用規約として事前に定めておく必要があります。

また、こういったサービスはユーザーが多ければ多いほどサービスの利便性が高くなる(ネットワーク効果)典型的なビジネスなので、大手のサービスに追従されないかも課題になってきます。
模倣を防ぐためには、特許を予め取得しておいたり、コアなユーザーニーズに訴求することで大手とは異なるユーザー層を開拓するなどの方法が考えられます。

6 まとめ

中古品などを取引対象とするフリマ型のサービスにおいては、これまでにも商品の状態や使い心地をあらかじめ確認できないという課題がありました。
ピーステックラボ社は、その点を解決すべく、借りた商品をそのまま購入することができる機能をアリススタイルに追加しました。
これにより、借主は、商品を一度使ってみて、商品の状態や使い心地を確認したうえで、購入できるようになります。
実際に使ってみて、購入までは希望しないという場合には、レンタル料金を支払って、商品を返却する仕組みになっています。

ユーザーにとっては、話題の商品や買おうか迷っている商品を気軽に試すことができ、さらに、試したうえで、購入するかどうかを決めることができるというメリットがあります。
また、商品メーカーなどにとっては、さまざまな商品に興味を持ってもらう機会をもつことができ、商品のPRや売上の増加にも繋がるサービスだといえます。

弊所は、ビジネスモデルのブラッシュアップから法規制に関するリーガルチェック、利用規約等の作成等にも対応しております。

弊所サービスの詳細や見積もり等についてご不明点がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

勝部 泰之 (Yasuyuki Katsube)

   

トップコート国際法律事務所CEO。弁護士として稼働する傍ら、プログラマ・PMとして稼働した経験を活かし、システム開発に関連する業務を多く手掛ける。
法律相談チャットボットサービス「スマート法律相談」開発者。

事務所概要、詳しいプロフィールはこちら

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