事務所について
Photo: Fabian Kleiser / Unsplash ↗
法律を、
経営の判断につなぐ。
法律の専門性を、企業の成長にどう役立てるか。
トップコート国際法律事務所は、この問いを出発点とし、その課題に徹底的に向き合っています。
法律上の正しさだけでなく、事業への影響、実行に必要なコスト、リスクとリターンを踏まえ、経営者がよりよい意思決定を行うための判断材料を提供する。
そのために、法律実務の進め方そのものを見直し、技術と専門知識の両面から改善を続けています。

法律サービスの品質とスピードを、どう両立させるか。
法律サービスには、高度な専門性と正確性が求められます。一方、企業経営では、判断が遅れること自体が大きな損失につながる場合があります。
特にスタートアップや成長企業では、契約交渉、資金調達、新規事業の立ち上げなど、短期間に重要な判断を迫られる場面が少なくありません。
従来の法律実務では、一つの案件について、資料の確認、法令・判例の調査、論点整理、文書作成、検証といった作業を、弁護士個人の経験と技能に大きく依存して進めることが一般的でした。
しかし、すべての工程を同じ方法で処理することが、常に最善とは限りません。
必要な検討に時間をかけながら、効率化できる工程は効率化する。そうすることで、品質を犠牲にせず、より迅速に回答できるのではないか。
企業法務やスタートアップ支援に取り組む中で、こうした問題意識を持ち、法律サービスの品質とスピードを両立させる方法を模索してきました。

法律上の正解が、経営上の最適解とは限らない。
企業法務に携わる中で、もう一つ重要だと感じたことがあります。
それは、法律サービスの価値は、企業の付加価値向上にどれだけ貢献できるかによって評価されるべきだということです。
例えば、取引先から提示された契約条件にリスクがある場合、その問題点を指摘することは弁護士の重要な役割です。
しかし、経営者が本当に知りたいのは、その先ではないでしょうか。
その取引を進めるべきなのか。どこまでのリスクを受け入れられるのか。どのような条件を提案すれば、双方にとって合理的な合意ができるのか。
これらを判断するには、法律だけでなく、事業の収益構造、組織の実行能力、取引の重要性、コストとリターンを理解する必要があります。
法律は、経営の外側から制約を加えるだけのものではありません。適切に活用すれば、新しい取引を実現し、事業上のリスクを管理し、企業の競争力を高める手段になります。
こうした経営の視点を法律実務に取り入れるため、経営学を体系的に学び、2025年に中小企業診断士として登録しました。
法律上の問題を解決することだけを目的とするのではなく、その解決が企業の成長にどう結びつくのかまで考える。
これが、当事務所の基本的な姿勢です。

これからの企業価値には、技術とデータの理解が欠かせない。
経営学を学び、企業の成長戦略や組織運営を考える中で、次に重要だと考えるようになったのが、技術とデータの活用です。
生成AIの普及により、企業の業務プロセスは大きく変わり始めています。
従来は人間が行っていた情報収集、資料作成、分析、判断の補助といった仕事の一部を、AIやソフトウェアによって効率化できるようになりました。
しかし、AIを導入するだけで企業の生産性が向上するわけではありません。
AIに与えるデータの品質が低ければ、得られる結果の品質も低下します。情報の保存方法やアクセス権限が適切でなければ、機密情報の漏えいや不正利用のリスクが高まります。
また、従業員がAIの特性や限界を理解せずに利用すれば、誤った情報に基づく判断や、意図しない情報開示につながる可能性もあります。
つまり、AIを適切に活用するには、業務の設計、データ管理、情報セキュリティ、利用者の教育を一体として考える必要があります。
これらは単なるIT部門の問題ではありません。企業の生産性、競争力、事業継続性を左右する経営課題です。
技術への対応が遅れれば、成長の機会を逃すだけでなく、すでに成長している企業であっても、情報漏えいやシステム上の問題によって大きな損失を被る可能性があります。
こうした課題に対応するためには、法律と経営学に加え、データを扱う技術や統計学についても専門的な理解が必要だと考えました。
そこで、データサイエンスを第二の専門領域として位置づけ、2026年、一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科に進学しました。
現在は、企業における生成AIの活用や、その効果をどのように測定・評価するかという問題にも関心を持ち、研究を進めています。

AIを使うことではなく、法律業務そのものを設計し直す。
AIの進化は、法律サービスの提供方法にも変化をもたらしています。
すでに海外では、法律事務所だけでなく、裁判所でもAIやアルゴリズムを活用する取り組みが進められています。
例えば、ドイツでは、シュトゥットガルトの裁判所における大量訴訟処理を支援するOLGA、フランクフルトの裁判所における航空旅客関連訴訟を支援するFRAUKEなど、特定の業務課題に対応するシステムの開発が進められてきました。
フランスでも、破毀院(司法訴訟に関する最高裁判所)を中心に司法業務へのAI活用が検討されています。
こうした取り組みで重要なのは、単に生成AIに法律上の質問を入力し、回答を得ることではありません。
法律業務のどの工程に、どのような技術を適用すべきかを最適化することです。
生成AIには、事実と異なる情報をもっともらしく出力する、いわゆるハルシネーションの問題があります。また、同じ質問に対して常に同じ回答が得られるとは限りません。
法律業務を無条件に生成AIに丸投げするのは正しい使い方とは言えません。
当事務所では、法律業務を工程ごとに分解し、それぞれの性質に応じた処理方法を組み合わせることを重視しています。
資料整理・論点抽出・法的調査・文書作成・検証・最終判断。
この一連の工程について、ルールに基づいて自動化できる処理、AIによって効率化できる処理、人間の専門家が判断すべき処理を区別します。
定型的な処理はプログラムによって自動化し、AIを利用する場合も、出力の検証や根拠資料との照合を組み込みます。
機密情報については、外部サービスへの送信範囲やデータの取扱いを管理し、情報セキュリティにも配慮します。
そして、法的な評価や依頼者の事業に即した最終的な判断は、弁護士が責任を持って行います。
さらに、法律上の結論を示すだけでなく、複数の選択肢について、実現可能性、費用、リスク、期待される効果などを整理し、経営者の意思決定に役立てます。
AIによって法律家の判断を置き換えるのではなく、法律家がより質の高い判断を行うために、業務全体を最適化する。
これが、当事務所の考える法律サービスのシステム化です。

法律・経営学・データサイエンスを、一つの知性として。
法律、経営学、データサイエンス。
これらは、それぞれ独立した専門領域ですが、企業経営の現場では密接につながっています。
新しいサービスを開発するには、技術的な実現可能性だけでなく、法律上の規制や契約上の責任を考える必要があります。
データを活用するには、分析技術だけでなく、情報セキュリティや個人情報保護への対応が必要です。
大企業との取引を拡大するには、契約条件の適切な設計と、それを実行できる社内体制が欠かせません。
こうした問題を別々に扱うのではなく、事業全体を見渡し、必要な専門知識を組み合わせて解決する。
法律サービスも、社会や技術の変化に合わせて進化し続けるべきだと考えています。
そのために、専門性を磨くだけでなく、サービスの提供方法そのものを継続的に改善していきます。

注力する専門分野
当事務所では、企業法務の中でも、特に技術と経営の接点にある次の分野に注力しています。
01|企業における生成AIの活用・ガバナンス
生成AIの導入に伴う法律上の課題、社内利用ルールの整備、機密情報の取扱い、AIサービスの利用条件、従業員による適切な活用体制の構築などを支援します。
AIの利用を一律に禁止・制限するのではなく、事業上の効果とリスクを踏まえ、継続的に活用できる仕組みを検討します。
02|情報セキュリティ・個人情報保護
個人情報保護法への対応、データ管理体制の整備、取引先から求められるセキュリティ要件への対応、情報漏えい時の調査・報告・本人通知などを支援します。
法律上の義務と技術的な対策を区別しながら、企業の事業内容やリスクに応じた対応を検討します。
03|知的財産権法・AIと著作権
著作権、商標権、ソフトウェアやデジタルコンテンツに関する知的財産権の問題を扱います。
特に、生成AIによるコンテンツの生成・利用、学習データ、権利帰属、第三者の権利侵害リスクなど、新しい技術に伴う法律問題に注力しています。
04|契約管理・契約書レビュー
業務委託契約、システム開発契約、ライセンス契約、共同開発契約、秘密保持契約など、企業間取引に関する契約書の作成・レビューを行います。
条項の適法性やリスクを確認するだけでなく、取引の目的、収益性、運用負担、交渉上の選択肢を踏まえ、事業を前に進めるための契約条件を検討します。