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AI議事録作成サービス「AI GIJIROKU」のビジネスモデルを弁護士が解説

はじめに

議事録作成サービス「AI GIJIROKU(AI議事録)」を提供するAI開発スタートアップの「株式会社オルツ」が、本年3月末より新サービスの提供を開始します。

人工知能(AI)開発スタートアップのオルツ(東京・港)はAIを使った議事録作成サービス「AI GIJIROKU(AI議事録)」で、約6人の話者を識別できる新サービスを開発した。NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)製のマイクを使って共同開発し、AI技術だけでは困難だった複数の声が重なった場合の音声認識などに対応する。3月末に提供を始める。                                          
                                        日経新聞より

今回は、オルツ社が提供する「AI GIJIROKU」を中心に、リリースを控えている新サービスにも触れながら見ていきます。

1 「AI GIJIROKU」の概要


新型コロナウイルス感染症の拡大により、オンラインによる会議の必要性が飛躍的に高くなっています。
現在では、オンライン会議を可能とするさまざまなツールが出ていますが、通常の会議と同様に議事録を作成することも必要になってきます。
従来、会議の議事録を作成する際には、録音した音声を書き起こしたり、手書きのメモを入力したりすることが必要でした。

「AI GIJIROKU」は、日本で初のサブスクリプション型AI議事録作成ソフトです。
オンラインミーティングにも対応しており、35ヶ国語の音声を入力できるようになっています。
AI GIJIROKUは、パソコンや携帯があれば簡単に利用できるサービスで、以下のような場面で利用されることが想定されています。

(1)個人での利用

上司から重要な会議の議事録係に指名され、戸惑った経験はありませんか?
このような場合でも、AI GIJIROKUを利用すれば、ログインするだけですぐに議事録を作成することができます。

(2)チームでの利用

一般的に、会議では複数の参加者がいるため、参加者全員の発言内容などを記録することは大変なことです。
AI GIJIROKUは、パソコンやタブレット、携帯で会議に参加しているメンバーの発言をすべてテキストで記録することができます。

(3)翻訳に利用

既に見たように、AI GIJIROKUは35ヶ国語に対応しています。
リアルタイムでの翻訳が可能であるため、会議の参加者に外国人が含まれていてもスムーズに会話・記録することが可能です。

2 「AI GIJIROKU」の機能


「AI GIJIROKU」には、以下のような機能が備わっています。

(1)リアルタイムでのテキスト化

会議に参加しているメンバーの発言などの音声を自動で録音・記録し、リアルタイムでテキスト化します。
話者分離機能も搭載されているため、会議に参加するメンバーが増えた場合であっても、発言内容を記録することが可能です。
従来は、作成に3〜4時間を要していた議事録を数分で作成することができ、会議終了後には、メンバー間でテキストデータを共有することも可能です。

(2)独自の精度向上機能

「AI GIJIROKU」には、独自の精度向上機能が搭載されています。
従来、音声認識に誤りがあると、その都度入力をし直すということが必要でしたが、「AI GIJIROKU」では、蓄積された発言者の音声データを機械学習の素材とすることにより、「パーソナライズAIモデル」を生成します。
そのため、ツールの使用回数が増えれば増えるほど認識精度が高まる仕組みとなっています。

(3)リアルタイムでの翻訳

会議に参加するメンバーの言語を選択することにより、主要30言語に自動的に翻訳してくれます。
そのため、海外とのオンライン会議や外国人との会話なども、スムーズに行うことが可能です。

3 利用価格|マネタイズ


「AI GIJIROKU」では、以下の3つのプランが用意されています。

(1)トライアル

トライアルは、無料で利用できるプランです。
トライアルでは、他者から招待を受けたミーティングに参加したり、既存の議事録を閲覧したりすることが可能です。

(2)スタンダード

スタンダードは、個人で利用する場合に適したプランで、月額1,500円で利用することができます。
スタンダードからは、実際に議事録を作成することが可能になります。

(3)ビジネス

ビジネスは、言葉のとおり、法人が利用する場合に適したプランで、月額2万9,800円で利用することができます。
多数で会議を行うことが可能になる分、セキュリティも強化されます。


トライアルを除き、各プランには月間の利用制限が設定されています。
利用制限を超えて、リアルタイム音声認識やインポート(音声認識)、翻訳文字数やメンバー数を追加する場合には、従量課金が自動で発生することになっています。

4 新サービスの概要


P.A.I.(パーソナル人工知能)を開発する、オルツ社は、NTTアドバンステクノロジ株式会社と共同で、「AI GIJIROKU」の利用時の話者分離を高精度化するマイクの連携サービスを開発しました。
ここでいう「P.A.I.」とは、デジタル化された私たちの意思をクラウド上に配置し、そのクローンにあらゆるデジタル作業をさせることを目的としたAIのことをいいます。

「AI GIJIROKU」には、既に話者分離機能が搭載されていますが、「発言が重なる場合の分離精度をより高めたい」「声紋を登録できないゲストを分離したい」といった顧客の要望がありました。
これを受けて、NTTアドバンステクノロジ社が開発したハードウェアに、オルツ社がサービスユーザーインターフェイスを提供することにより、1台のマイクデバイスで最大12方向を個別に分離・集音し、約6話者を正しく特定する機能が実装されました。

この開発により、AIによる話者分離だけでは困難であった、声紋の登録のないゲストの分離や、発言が重なった場合の音声認識に対応することが可能になり、さらに便利に使うことができるようになります。

本年3月末にリリースを予定しており、価格は未定とされています。

5 まとめ

オルツ社は「AI GIJIROKU」を通じて、今後もP.A.I.の開発による社会貢献を推進していくとしています。

現在はAIによる議事録システムといった範囲を絞ったサービスですが、P.A.Iの実用化により、単純なメールの返信やスケジュール調整などは自動でやってくれるサービスなども出てきそうで、非常に楽しみです。
働き方が多種多様になっているだけでなく、コロナ禍を契機として長期的にリモートワークを取り入れていく企業も増えていくものと考えられます。
「AI GIJIROKU」は、まさにこのような働き方の変化に対応したサービスといえ、今後もニューノーマル時代の働き方改革に貢献していくことが期待されます。

弊所は、ビジネスモデルのブラッシュアップから法規制に関するリーガルチェック、利用規約等の作成等にも対応しております。

弊所サービスの詳細や見積もり等についてご不明点がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

勝部 泰之 (Yasuyuki Katsube)

   

トップコート国際法律事務所CEO。弁護士として稼働する傍ら、プログラマ・PMとして稼働した経験を活かし、システム開発に関連する業務を多く手掛ける。
法律相談チャットボットサービス「スマート法律相談」開発者。

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