退職引き止めの5つの断り方と例文を解説!慰留・引き伸ばしにも対応

退職したいと上司に伝えたら引き止められそうで不安、あるいは、実際に退職を伝えてみたら引き止められて困っている方。
できれば円満に退職したいけど、引き止められたときの「うまい断り方」がわからず不安に感じているのではないでしょうか。
「うまい断り方」には”基本の型”が5つあり、これを実践すれば円満退職できます。
加えて、上司が退職を引き止めてくるパターンを把握しておくことで、どのような説得をされてもうまく対応できるようになります。
本記事では、退職の引き止めを断る「基本の型」5つと、上司が引き止めてくる理由や状況別の断り方、円満退職のポイントを解説します。
なお、会社が「引き止め」の度を超えて、強制的に辞めさせない態度をとる場合についても、対処法を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 上司から退職を引き止められたら「基本の型」5つを実践しよう
- 会社が退職を引き止めてくる主な理由として「人手不足」や「社内への影響」などがある
- これらの理由にもとづいて5種類くらいの引き止めパターンがあるので、パターンに応じた「断り方」の例文を把握しておくと安心
- さらに円満退職するためのポイントは、会社の事情になるべく寄り添い、繁忙期を避けるなど退職時期を工夫すること
- 上司がしつこく引き止めてきて退職させてくれないなら、弁護士の退職代行サービスに頼むのがおすすめ
1.退職を引き止められた時の断り方のコツ|「基本の型」5つを実践しよう

上司に退職を申し出たとき、「考え直してほしい」と退職を引き止められることは少なくありません。
そんな状況で、冷静に引き止めを断るために、あらかじめ5つの「基本の型」を知っておきましょう。
【5つの基本の型】
- 引き止められない退職理由を伝える
- 「退職の相談」ではなく「退職時期の相談」をする
- なぜ引き止めてくるのか聞き出して対策する
- 退職の意思が変わらないことをはっきり示す
- 退職のスケジュールや「引き継ぎ」について具体的に提案する
なお、まだ退職を上司に伝えておらず、なるべく引き止めにあわないようにするためには項目1から実践してみてください。
もう退職することや退職理由を上司に伝えてしまった後で、項目1・2からの実践が難しければ、項目3から実践してみてください。
1)引き止められない退職理由を伝える
退職を申し出るとき、普通は「退職の理由」も一緒に伝えることになります。
まだ退職を上司に伝えていない方は、退職理由を以下のような個人の事情にしましょう。
- 体調不良・病気
- 介護・家庭の事情
- 結婚・出産
- キャリアアップのため
- 転職先が既に決まっている
個人の事情が理由であれば、「退職はやむを得ない」と思ってもらいやすく、退職を引き止められにくくなります。
これが「会社における待遇の悪さ」などを理由にすると、「改善するから辞めないでほしい」と引き止められてしまったとき、断るのが難しくなってしまいます。
とにかく引き止められたくない場合は、「引き止める余地」を相手に見せないことが大切です。
2)「退職の相談」ではなく「退職時期の相談」をする
上司に退職について話すとき、「退職しようかと思っているのですが…」といった言い方をすると、まだ残ってくれる可能性はあると思われて引き止められてしまう可能性があります。
「退職を決めましたので、退職時期についてご相談させてください」といった言い方で、あくまで退職することは確定させた上で退職時期の相談をするようにしましょう。
こうすれば、会社側も引き止める余地がないと判断し、無駄に引き止められることを減らせるでしょう。
ただし、「退職を決めた」とは言っても、事前に上司に全く相談しないまま、いきなり退職届を出すようなことは避けた方が無難です。
引き継ぎなどの事情ですぐに受け入れられないと感じた会社から、退職届を拒否されるといったトラブルになるおそれがあるからです。
退職届は上司と相談の上、退職時期を確定させてから提出しましょう。
3)なぜ引き止めてくるのか聞き出して対策する
なぜ退職を引き止めてくるのか、その理由を会社から聞き出した上で、うまく断るための対策をしましょう。
会社が引き止めてくる理由を把握できれば、あなたが引き止めに応じるかどうかの判断材料になり、また理由に応じた「断り方」もできるようになります。
例えば、実際に理由を聞いてみて、どうしても人手が足りず今月いっぱいは働いてほしいといった「期限つき」の引き止めであれば、一旦は応じて退職を遅らせるのもアリでしょう。
反対に、ずっと人手不足なのに改善の努力もしない職場で、単に「人手不足だから困る」のように言われるなら、あなたをただの労働力として残したいだけの可能性があります。
こうしたケースでは、「どうしても別の道に進みたいと思っています」「引き継ぎはしっかり行いますので、よろしくお願いします」となるべく自分の今後の行動にフォーカスした断り方をし、退職の意思を貫いた方が良いでしょう。
このように、上司の引き止めのパターンに応じた断り方については3章で詳しく解説しているのでチェックしてください。
4)退職の意思が変わらないことをはっきり示す
引き止めにあっても、迷ったり動揺したりするそぶりを見せないようにし、冷静に「退職の意思は変わらない」と繰り返し伝えるようにしましょう。
上司も、説得できるような余地がなさそうと判断すれば、諦めて受け入れてくれるはずです。
ただし、最初から「絶対に退職します」と頑なな態度をとったり、相手の引き止めに対して論破するような姿勢を取るのはNGです。
上司があなたに会社に残って欲しいと思い、「退職を考え直してもらえないか」と確認すること自体が悪いわけではないからです。
退職すると言っているのに拒否され続けているならともかく、そうではない状況で上司に高圧的な態度で臨んでも、反感を買って円満退職が難しくなります。
あくまで冷静に穏やかに話すようにしましょう。
5)退職のスケジュールや「引き継ぎ」について具体的に提案する
退職までのスケジュールについて具体的にイメージを固め、「◯月◯日~◯日までの間に引き継ぎをして、◯日に退職したいと思っています」のようにこちらから提案しましょう。
退職への本気度が感じられ、引き継ぎをしっかりやる意思も伝えられるため、会社側に「残ってもらうのは難しそうだ」と判断してもらいやすくなります。
ただし、会社の都合もあるため、提案した引き継ぎの日程が必ず通るとは限りません。
退職日を動かせない場合以外は、会社の状況にあわせて多少は融通を利かせられるようにしておくとベストです。
2.会社があなたの退職を引き止めてくる5つの理由

会社の上司がなぜあなたの退職を引き止めるのか、考えられる理由をあらかじめ把握しておきましょう。
理由を把握しておけば、引き止められても冷静に「応じるべきか、断るべきか」を判断できるからです。
結論からいえば、会社があなたを引き止めるのは、口では「あなたの為を思って」のように言う可能性もありますが、ほとんどが会社の利益のためです。
そのため、どんな風に言われようと、引き止めを断ることに罪悪感を抱く必要は全くありません。
あなたが会社の求めに応じる義務はないことをわかった上で、引き止めに応じるかどうか最終的に判断すると良いでしょう。
1)人手が不足している
最も一般的な理由が、「人手不足」による引き止めです。
あなたがいなくなると仕事が回らなくなるとか、他の社員の負担が増えるからといった理由で引き止めてきます。
会社としては、新しく人を雇うにしても戦力になるまでに時間がかかるため、採用の手間やかかるコストを惜しんで、今いるあなたに退職されたくないと考えるのです。
ですが、業務が十分に回るような人材を確保できていないのは会社側の責任で、あなたが気にする必要のないことです。
また、急すぎる退職や、繁忙期での退職は会社への負担を考えて避けた方が良いものの、1ヶ月ほど前に申し出るなど配慮していれば問題ありません。
2)あなたのスキルや専門知識を失いたくない
あなたの「スキル」や「専門知識」がないと、会社の業務に支障があるという理由での引き止めです。
会社も優秀な人材をまた探すのは大変なので、スキルがあるあなたを手放したくないと考えています。
この理由の場合、あなたという個人にどうしても辞めてほしくないからと、会社側も待遇の改善を示してくるケースがあります。
あなたが社内の待遇の悪さを理由に退職するつもりなら、改善されることを前提に会社に残る選択肢もあるでしょう。
3)社内への影響を心配している
あなたが退職することで、社内に悪い影響が出ることを心配しての引き止めです。
具体的には、社内のモチベーションが低下することや、他にも複数の退職者が後に続いてしまうこと、チーム再編などの労力がかかることなどが挙げられます。
ですが、本来そういったことは、退職者によって悪い影響が出ないよう会社が日ごろから対策しておくべきことです。
あなたが退職する際に社内への影響を考えて気にすべきなのは、引き継ぎをきちんと行うことくらいです。
それ以外のことは気にする必要はありません。
4)上司自身の評価が下がるのを恐れている
あなたの退職で、上司自身の評価が下がるのを恐れての引き止めです。
「部下の退職を引き止められなかった」と人事評価に影響したり、周囲からそう思われたりして自分の体面を損なうことを嫌がっているのです。
上昇志向が強かったり、パワハラ気味だったりするタイプの上司だと、こういった理由で引き止めてくることもあります。
ですが、これは上司の身勝手な思いによる引き止めであり、何の正当性もありません。
5)法定雇用率を維持したい
特殊なケースですが、あなたが障害者雇用の場合、雇い続けることで得られるメリットを目当てに会社が退職を引き止めてくることがあります。
例えば、100名以上の従業員がいる企業に、一定以上の割合で障害者を雇用するよう義務付けている「法定雇用率」という制度があります。
法定雇用率を達成していない企業は、納付金を払わなくてはならず、さらに指導の対象になる可能性もあります。
そのため、「障害者雇用枠」の数を保ちたいという思惑がある一部の会社は、退職者が出るのを嫌がって引き止めてくるのです。
また、障害者雇用によって報奨金や調整金を支給してもらえることもあり、こうした金銭面の補助を目当てにするケースも全くないとはいえません。
会社の勝手な都合のためだけに退職を引き止められるこのようなケースでは、引き止めに対してきっぱりと断りを入れるしかありません。
3.退職を引き止められた場合の5パターンの断り方|例文あり

2章で述べたような理由を背景に、上司はあなたの退職を引き止めてきます。
ですが、正直にその理由を述べないことも多く、引き止められている本当の理由は職場の状況や上司の言い方から推測するしかありません。
そこで実際の対策としては、こうした理由があることを念頭に置いた上で、適切な「断り方」をすることが大切になります。
上司がどのような言い方で退職を引き止めてくるかによって、適切な「断り方」も変わるのです。
ここではよくある引き止めパターン5つと、その断り方の例文を解説します。
1)「どうか辞めないでほしい」と懇願されたとき
「どうか辞めないでほしい」と情に訴えるような懇願をされたときは、退職の意思を改めて以下のようにはっきり伝えることが大切です。
- 「気持ちはありがたいですが、退職の意思は変わりません」
- 「長い間お世話になりましたが、次のステップに進みたいと考えています」
退職することについて申し訳ない気持ちがあると、感情的に訴えかけられたときに、気持ちが揺らぐかもしれません。
ですが、そこで迷って退職を撤回したところで、あなたが退職を決意した「原因」は何も変わっていないため後悔する可能性が高いです。
一度退職を撤回すると、また退職を切り出すのも勇気がいります。
「退職する」という意思をぶらさず、重ねて上司に伝えるようにしましょう。
2)「退職時期を遅らせてほしい」と引き伸ばしを頼まれたとき
退職は止めないまでも、「退職時期を遅らせてほしい」と頼まれることがあります。
転職先が決まっているなど退職日を動かすのが無理なら、きちんとその旨を説明して以下のように断りましょう。
- 「新しい職場の準備があるため、予定通りの日程で進めさせていただきます」
- 「引き継ぎはしっかり対応しますが、予定は変更できません」など
一般的な会社であれば、もう転職先まで決まっている相手を無理に引き止めようとはしないはずです。
ただし、あなたが退職日をまだ調整できる段階なら、「退職時期を遅らせてほしい」という頼みには検討の余地があります。
退職時期をずらすことを希望されるのは、会社も「人手不足」や「引き継ぎ」によって切羽詰まっていて、あなたにもう少し働いてほしいという事情があります。
円満退職を目指すなら、こうした会社の意向もある程度は受け入れるのが望ましいです。
これが半年~1年ほど退職時期をずらすように言われるなら長すぎますが、遅らせるのが数週間ほどで、退職日の調整が効くなら受け入れた方が無難です。
また、こういった引き伸ばしを受け入れる場合は、ずるずると引き伸ばし続けられることがないように、「退職日」について合意を取った時点で書面やメールなどで証拠を残しておきましょう。
3)給料アップや部署異動など待遇について交渉されたとき
退職してほしくないからと、給料アップや部署異動などの提案をされることがあります。
こうした提案を断る場合は、「退職理由」について個人的な事情での退職であることを強調して以下のように断るのがおすすめです。
- 「待遇を改善していただけるのはありがたいですが、もう決心しました」
- 「条件の変更では解決できない個人的な事情があるので、申し訳ありません」
会社の待遇が退職の理由だと言うと、「改善するから辞めないで」と言われてしまう可能性があります。
動かせない個人の事情なら、会社側もどうしようもないと諦めてくれるでしょう。
ただし、あなたの退職の理由が実際に「給料」や「部署」などにあり、会社に残ることで改善される見込みがあるなら、上司の引き止めも検討の余地があります。
引き止めに同意する場合は、口約束ではなく、必ず書面やメールなどでどのような約束をしたか具体的な証拠を残すようにしましょう。
4)今辞めるのはもったいないと説得されたとき
「このまま続ければ昇進も夢じゃない」「会社からも高く評価されている」のように、今辞めるのはもったいないと説得されるケースもあります。
ただし、実際に優秀な人でそう言われることもありますが、退職して欲しくないがために、何の根拠もないのに言ってきている場合もあります。
実際に昇進できると約束されたわけではない以上、こうした言葉を理由に引き止めに応じる必要はありません。
以下のように伝えて引き止めを断りましょう。
- 「そう言っていただけるのは嬉しいですが、自分の将来を見据えての決断です」
- 「タイミングが重要だと考え、今が最善の時期だと思っています」
5)退職の話を無視されたり脅されたりしたとき
退職を伝えても無視されたり、時には怒鳴られたり脅されたりと、引き止めというレベルを超えて「退職自体を拒否される」場合もあります。
こうした場合は「退職を認めてくれないと、他の場所に働きかける」と以下のように牽制を入れます。
- 「必要であれば第三者を交えて進めたいと思います」
- 「退職を認めていただけない場合は、専門家に相談させていただきます」
ただし、退職を拒んで脅してくるような上司の場合、冷静に対話するのも難しいでしょう。
とても話ができそうにないケースでは弁護士への相談も検討しましょう(5章で解説)。
[banner id=”16503″ size=”m”]4.退職の引き止めを「円満に」断る3つのポイント

上司に退職を引き止められて断る場合は、1章で述べた5つの「基本の型」を守り、3章で述べたパターン別「断り方」を実践することが大切です。
さらに、以下3つのポイントも押さえておけば、より円満に退職しやすくなります。
順番に確認し、あわせて実践できるようにしましょう。
1)退職の申し出は早めにして繁忙期を避ける
退職日の1か月前には退職することを伝え、退職時期も繁忙期を避けるようにしましょう。
会社から退職を引き止められるケースとして、3章で述べたように「引き継ぎが間に合っていない」などの理由で退職時期の引き伸ばしを求められることがあります。
会社も引き継ぎや後任の準備が必要なことを考え、退職をなるべく早い時期に伝えることが大切です。
また、繁忙期を選んで退職するのは、職場の人に大きな負担をかけてしまい、関係を悪くするおそれがあります。
退職日をどうしてもズラせないケースであれば仕方ありませんが、自分から退職を申し出るのであれば、あらかじめ繁忙期を避けるようにしましょう。
2)退職面談で「不満」ではなく「感謝」を伝える
退職面談では、会社に対しての不満を漏らさず、感謝のみを伝えるようにしましょう。
なぜ辞めるのか?と問われたとき、相手に気持ちよく納得してもらうために、実際の理由は会社での待遇などの不満であってもなるべく口に出さないようにするのです。
会社に不満があって辞めるという話をすると、「そこを改善するから、残って欲しい」と引き止めにあう恐れがあるほか、会社側ともギクシャクしてしまい円満退職できない可能性があります。
会社へは感謝を伝えつつ、それでも理由があって辞める必要があることを冷静に伝えましょう。
ただし、残業代未払い、ハラスメント、その他労基法違反など会社に明らかな過失があり「会社都合退職」をしたい場合は、退職理由を正しく述べないと「自己都合退職」にされてしまいます。
その際は、退職を申し出る前に弁護士に相談しましょう(5章で解説)。
3)会社の事情にもある程度寄り添う
会社側にも「辞められると困る事情」があることを理解し、寄り添う気持ちを示しましょう。
期限が分かっている「引き止め」であれば、会社の要請に応じることも検討してみてください。
とはいえ、あなたに大きな負担となることであれば無理に受け入れる必要はなく、あくまで「会社側に配慮した」という姿勢を見せられれば大丈夫です。
実際に譲歩できることがないなら、「会社の事情もわかります。でも…」と一言添えるだけでもOKです。
5.退職をしつこく引き止められて退職できない場合の対応法3選

ここまで、退職を引き止められたときの対応方法について解説してきました。
ですが、中には何度断ってもしつこく退職を引き止められる場合があります。
あなたが職場に残ってくれるよう会社が説得を試みるのは問題ありませんが、退職すると伝えているのに会社が「退職させない」ことは違法です。
上司から強引に退職を引き止められていたり、引き止めを断って嫌がらせをされたりといった状況になったら、別の対応を取る必要があります。
退職できない状況にある方、今後そうなる可能性があると感じる方は参考にしてください。
会社から「引き止め」の度を超えて、強制的に「辞めさせない」という態度をとられてお困りの方は、以下の記事でも対処法を解説しています。ぜひご覧ください。
1)人事部門に相談する
上司から退職をしつこく引き止められ、退職手続きもさせてくれないような場合は、人事部門に直接相談してみましょう。
退職したいと言っている相手を退職させないのは「違法」です。
会社全体がブラックな体質でない限り、人事部門に相談してみるとあっさり話が通る可能性もあります。
その際は、人事部門とのやり取りを書面などで残しておき、上司から言いがかりをつけられた場合には「退職の許可を得ている」と反論できるようにしておけば安心です。
2)退職届を内容証明郵便で出す
人事に相談しても退職を認めてもらえない場合や、相談できる環境にない場合は、「内容証明郵便」で退職届を出しましょう。
「内容証明郵便」とは、「いつ(日時)、誰が(差出人)、誰に(宛先)、どんな文書を送ったか(内容)」を証明できる郵便サービスです。
これに「配達証明」をつければ、「相手に届いた日時」も証明できるため、「会社に退職の意思を伝えた」という証拠になります。
法律では、無期雇用(働く期間が決まっていない労働)なら、「退職の意思」を会社に伝えて2週間で退職できると決まっています。
つまり、上司から退職をしつこく引き止められていても、退職届が会社に配達されて2週間後には退職できるということです。
詳しくは、以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
3)弁護士の退職代行サービスに依頼する
上司がどうしても退職させてくれない場合は、弁護士がやっている「退職代行サービス」へ依頼しましょう。
退職代行サービスとは、会社に「退職の意思」を伝えるところから、その後の退職に必要な手続きを代行してくれるサービスです。
特に弁護士の退職代行サービスでは、弁護士があなたの「代理人」として、会社との交渉や退職に必要な手続きを全て引き受けることができます。
あなたの退職を強引に引き止める上司に対しても、退職を認めるように法的な根拠にもとづいて交渉し、確実にあなたの退職を認めさせてくれます。
また、あなたの職場がブラックな体質で、退職を引き止められる可能性が高そうだと感じたら、あらかじめサービスを頼んでおき退職の一切を弁護士に任せてしまうのも手です。
最初からサービスを頼んでおくことで、「退職を引き止められるかも」と悩む必要がなくなりますし、引き止められた際に上司と直接交渉するストレスもなくなります。
退職について交渉するのは難しそうと感じたら、ぜひ退職代行を使ってみてください。
以下のバナーから、LINEを使った無料相談ができます。
[banner id=”16503″ size=”m”]6.退職を引き止められたときの断り方についてよくある質問

退職を引き止められたときの断り方について、よくある質問をまとめました。
1)看護師が退職を引き止められたときどう断ったらいいですか?
看護師であっても、退職を引き止められたときの断り方は一般の会社員と大きく変わりません。
本記事で解説した1章~4章を参考にしてください。
退職の時期は繁忙期を避け、人員の異動が多い年度末にするなど工夫しましょう。
また、看護師の場合でも、退職の自由は認められています。
強引に退職を引き止められ辞められない場合などは、看護師の退職代行サービスを使うことも検討してみてください。
詳しくは以下の記事で解説しています。
2)アルバイト・パートが退職を引き止められたときの断り方を教えてください
アルバイト・パートで退職を引き止められたときも、基本的には一般の会社員のように本記事の3章を参考にしてください。
さらに、アルバイト・パートの場合は学生や主婦なども多く、やむを得ない個人の事情を強調しやすいでしょう。
以下のように、仕方ないと受け入れてもらえるような退職理由を説明しましょう。
- 「就職活動が忙しくなり、シフトに入れなくなるため辞めさせてください」
- 「学業に専念したいので、続けるのは難しいです」
- 「体力的に厳しく、これ以上続けることが難しいので…」
- 「家庭の事情で時間が取れなくなったため、退職させてください」
なお、アルバイト・パートは有期雇用のため、上司から強引に退職を引き止められている場合、自力で上司に退職を認めさせるのが難しいケースがあります。
その際は、退職代行の利用を検討してみてください。
詳しくは以下の記事で解説しています。
3)休職中に退職を引き止められた場合の断り方が知りたいです
休職していたものの、体調が回復しないなど理由があってそのまま退職を決めたとき、会社から退職を引き止められる場合があります。
この場合は、仕事を続けられない理由を正直に打ち明けて問題ありません。
休職の状況に対する感謝とお詫びの気持ちを伝えた上で、医者から退職した方がよいと勧められているなど、丁寧に事情を説明して引き止めを断りましょう。
4)退職を引き止められる人はどんな人ですか?
退職を引き止められるのは、主に以下のような人です。
- 職場にとって重要な人(スキルが高い・経験が豊富・ムードメーカーなど)
- 他の従業員が避ける日・時間帯も働いてくれる人
- 人手不足の職場で働いている人
- 雇用者側の期待が高い人
- 退職を引き止めたら従ってくれそうな人
「職場にとって重要なポジションにある人」「会社の人手不足を解消してくれる人」は、会社としても手放したくない人材なので引き止められる可能性が高いです。
また、普段から気弱に見える人など、「強く押せば退職を思い直してくれそう」と思われがちな人も引き止められる可能性があります。
引き止められたときには、上司のペースで押し切られないよう動揺や迷いを見せないようにし、退職の気持ちは変わらないことをしっかり伝えるようにしましょう。
5)希望退職に応募したのに引き止められたときは断れますか?
希望退職の場合、スキルが高かったり重要なポジションにいる社員は退職を引き止められることもあります。
希望退職は、会社側と社員と両方の合意が必要であり、どちらかが合意しない場合は成立しないため、会社から引き止められた時点で希望退職はできないことになります。
そのため引き止めを断って退職自体はできますが、希望退職で提示されている条件での退職ができない可能性がある点に注意してください。
例えば本来は希望退職に応募すると「会社都合退職」となるのですが、会社が引き止めてくるにもかかわらず退職した場合は「自己都合退職」となります。
まとめ
上司から退職を引き止められたら、「基本の型」5つを実践しましょう。
- 【1】引き止められない退職理由を伝える
- 【2】「退職の相談」ではなく「退職時期の相談」をする
- 【3】なぜ引き止めてくるのか聞き出して対策する
- 【4】退職の意思が変わらないことをはっきり示す
- 【5】退職のスケジュールや「引き継ぎ」について具体的に提案する
また、会社が退職を引き止めてくる主な理由としては、「人手不足」や「社内への影響」などがあります。
これらの理由にもとづき、上司も5パターンほどの引き止め方をしてくるので、パターン別に「断り方」の例文を把握しておけば引き止められたときも安心です。
さらに、退職の引き止めを断ってかつ円満退職を実現するためには、会社の事情になるべく寄り添い、繁忙期を避けるなど退職時期を工夫することがポイントになります。
上司が退職をしつこく引き止めてきて退職させてくれないなら、弁護士の退職代行サービスに頼むのがおすすめです。
[banner id=”16503″ size=”l”]











