著作権とは?著作権に含まれる11の権利を弁護士がわかりやすく解説

はじめに
近年、数回にわたり著作権法が改正されています。
技術の進歩に伴い、デジタル著作物(電子書籍やイラストなど)への対応も進められています。
ビジネスの世界では、「著作権」が関わってくることが少なくありません。
そのため、事業者は、著作権がどのような権利かを正確に理解しておくことが必要です。
そこで今回は、「著作権」の内容について弁護士がわかりやすく解説します。
著作権の理解が十分でないという方、今さら聞けずに困っていたという方は、是非参考にしてみてください。
この記事を執筆したのは

- 弁護士・中小企業診断士 勝部 泰之
- 注力:知的財産権・著作権/ライセンス、ブロックチェーン、データ・AI法務
GWU Law LL.M.(知的財産法)
事業の成長とリスクを両立する実務寄りの助言に注力しています。 - 詳しいプロフィールはこちら
1 著作権とはどのような権利か
著作権法は、著作権の内容を以下の2つに分けています。
(1)著作権
「著作権」とは、著作物を保護するために著作者に与えられる権利のことをいいます。
ここにいう「著作物」は、著作権法が以下のように定義しています。
【著作権法2条1項1号】
- 著作物 「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」をいう。
このように、「著作物」とは、思想・感情を創作的に(何らかの形で表現者の個性を発揮して)表現したものであって、その表現物が文芸や学術、音楽などの範疇にあるものをいいます。
著作物には、その表現物の種類に応じてさまざまなものがあり、たとえば、以下のようなものが挙げられます。
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- 【言語の著作物】
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- 小説・論文・脚本など
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- 【音楽の著作物】
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- 楽曲・歌詞など
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- 【美術・建築の著作物】
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- 美術品(鑑賞目的)・芸術的な建築物
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- 【プログラムの著作物】
- ディスクなどでプログラムを表現したもの
著作権は、これらの著作物が創作された時点で発生します。
また、著作権法では、著作物の利用方法に応じて、著作権の内容を細かく定めています。
これらは、いずれも著作権に内包するものとして認められています。
詳細は後ほど解説します。
(2)著作者人格権
「著作者人格権」とは、著作物について有する著作者の人格的利益を保護するために著作者に与えられる権利です。
著作者人格権は、著作者自身の人格を保護するために認められている権利であるため、著作権のように譲渡の対象にはならず、創作者が半永久的に持ち続けることになります。
具体的に、著作者人格権は、以下の権利を内包するものです。
- 公表権
- 氏名表示権
- 同一性保持権
①公表権
「公表権」とは、著作物を公表するかどうか、また、公表する場合にはどのような方法で公表するかを決めることができる権利です。
②氏名表示権
「氏名表示権」とは、自己の著作物に氏名を表示するかどうか、また、表示する場合には本名もしくはペンネームのいずれにするかを決めることができる権利です。
③同一性保持権
「同一性保持権」とは、自己の著作物のタイトルや内容を第三者に勝手に変えられない権利のことです。
2 著作権に内包する権利
著作権法は、著作物の利用方法に応じて、著作権に含まれる権利を細かく定めています。
- 複製権
- 上演権・演奏権
- 上映権
- 公衆送信権等
- 口述権
- 展示権
- 頒布権
- 譲渡権
- 貸与権
- 翻訳権・翻案権
- 二次的著作物の利用に関する権利
(1)複製権
「複製権」とは、著作者が印刷や写真、複写、録音などの方法によって著作物を有形的に再製できる権利です。
著作権に内包する権利の中でも、もっとも基本的な権利です。
(2)上演権・演奏権
「上演権・演奏権」とは、著作者が自己の著作物を公衆に見せたり聴かせたりすることができる権利です。
たとえば、楽曲を演奏会で演奏するような場合が挙げられます。
(3)上映権
「上映権」とは、著作者が自己の著作物を公衆に向けて上映できる権利です。
たとえば、フィルム等の媒体に記録されている著作物をスクリーン等で上映するような場合が挙げられます。
(4)公衆送信権等
「公衆送信権」とは、著作者が自己の著作物を自動公衆送信したり、放送したりすることができ、また、受信装置を用いて公衆送信された著作物を公に伝達することができる権利です。
ここでいう「自動公衆送信」とは、公衆からのアクセスに応じ、サーバーなどに蓄積された情報を自動的に送信することをいいます。
たとえば、テレビやラジオ、インターネットなどを使って、自己の著作物を放送・送信するような場合が挙げられます。
また、ホームページなどに著作物を掲載して、公衆からアクセスがあれば、いつでも送信できるような状態にすることは「送信可能化権」として、公衆送信権に含まれます。
(5)口述権
「口述権」とは、著作者が言語の著作物を公に口述できる権利です。
たとえば、小説や論文などの著作物を公衆相手に朗読するような場合が挙げられます。
(6)展示権
「展示権」とは、著作者が美術の著作物や発行されていない写真の著作物を公に展示することができる権利です。
たとえば、美術の著作物を対象とした展示会を開くような場合が挙げられます。
(7)頒布権
「頒布権」とは、著作者が映画の著作物をその複製物により頒布することができる権利です。
たとえば、多くの人に観てもらうために創作した映画の著作物を、劇場用映画として販売するような場合が挙げられます。
(8)譲渡権
「譲渡権」とは、著作者が映画以外の著作物の原作品や複製物を公衆に譲渡することができる権利です。
(9)貸与権
「貸与権」とは、著作者が映画以外の著作物の複製物を公衆に貸し出すことができる権利です。
(10)翻訳権・翻案権
「翻訳権・翻案権」とは、著作者が自己の著作物を翻訳、編曲したり、その他翻案したりすることができる権利です。
ここでいう「翻案」とは、既存の著作物に依拠し、その表現上の本質的な特徴につき同一性を維持しながら、新たな著作物を創作することをいい、このような著作物を二次的著作物といいます。
(11)二次的著作物の利用に関する権利
二次的著作物の原作者は、二次的著作物の利用に関し、二次的著作物の著作者が有する権利と同一の権利を有します。
3 まとめ
著作権と一言でいっても、その内容は細かく定められており複雑です。
気が付かないうちに他者の著作権を侵害していたなんてことにならないように、一つ一つの権利を正確に理解しておくことが大切です。
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IT・EC・金融(暗号資産・資金決済・投資業)分野を中心に、スタートアップから中小企業、上場企業までの「社長の懐刀」として、契約・規約整備、事業スキーム設計、当局対応まで一気通貫でサポートしています。 法律とビジネス、データサイエンスの視点を掛け合わせ、現場の意思決定を実務的に支えることを重視しています。 【経歴】 2006年 弁護士登録。複数の法律事務所で、訴訟・紛争案件を中心に企業法務を担当。 2015年~2016年 知的財産権法を専門とする米国ジョージ・ワシントン大学ロースクールに留学し、Intellectual Property Law LL.M. を取得。コンピューター・ソフトウェア産業における知的財産保護・契約法を研究。 2016年~2017年 証券会社の社内弁護士として、当時法制化が始まった仮想通貨交換業(現・暗号資産交換業)の法令遵守等責任者として登録申請業務に従事。 その後、独立し、海外大手企業を含む複数の暗号資産交換業者、金融商品取引業(投資顧問業)、資金決済関連事業者の顧問業務を担当。 2020年8月 トップコート国際法律事務所に参画し、スタートアップから上場企業まで幅広い事業の法律顧問として、IT・EC・フィンテック分野の契約・スキーム設計を手掛ける。 2023年5月 コネクテッドコマース株式会社 取締役CLO就任。EC・小売の現場とマーケティングに関わりながら、生成AIの活用も含めたコンサルティング業務に取り組む。 2025年2月 中小企業診断士試験合格。同年5月、中小企業診断士登録。 2025年9月 一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科(博士前期課程)合格。











