はじめに

ドローンを飛ばすには、航空法を始めとした種々の法律の規制対象になるうえ、申請をしないとドローンを飛ばすことができない場合もあります。ドローンを扱う事業者であれば、この点をご存知の方は多いと思います。もっとも、具体的な申請の手順や方法を知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。

申請手続をきちんと理解しておかないと、ドローンを飛ばすことを諦めなければならない、ということにもなりかねません。

そこで、今回は、ドローンを飛ばすために必要な申請の手順・方法について、弁護士が詳しく解説します。

目次

1 ドローンを飛ばすときのルール

ドローンのルール

まず始めに、ドローンを飛ばす際のルールについて、簡単に確認しておきましょう。

ルールは大きく分けて、以下の2つに分けられます。

  1. 航空法の規制
  2. 航空法以外の規制

それぞれのルールについて、以下で簡単に見ていきましょう。

(1)航空法の規制

航空法は、ざっくりいうと、航空機が安全に飛べるためのルールを定めた法律です。

仮に、誰もが場所を問わず自由にドローンを飛ばせるとしたら、どのようなことが想定されるでしょうか。空港でドローンを飛ばしている最中に、航空機が着陸しようと飛んできたら、大変です。

このように、ドローンを飛ばす際には、航空法が定めたルールを守らなければなりません。航空法には、主に以下の2つのルールが定められています。

  • 飛ばす場所(飛行禁止区域)
  • 飛ばす方法(飛行方法)

航空法は、ドローンに関し、飛行場所と飛行方法のルールを定めることで、航空機の安全な飛行を確保しているのです。

(2)航空法以外の規制

ドローンを飛ばす際のルールが定められているのは、航空法だけではありません。航空法のほかにも、以下の法律や条例などにさまざまなルールが定められています。

  1. 小型無人機等飛行禁止法
  2. 電波法
  3. 公園条例
  4. 土地所有権との関係
  5. プライバシー権・肖像権との関係
  6. 文化財保護法
  7. 海上・港周辺の規制
  8. 河川区域の規制
  9. 道路交通法

※ドローンを飛ばす際のルールについて、詳しく知りたい方は、「ドローン企業が知るべき航空法とは?3つのポイントを弁護士が解説!」「200g以下のホビードローンは規制の対象外!?9つの規制を解説」をご覧ください。

2 ドローンの飛行に許可・承認の申請が必要な場合

ドローン許可

ドローンを飛ばす際には、航空法やその他の法令など、守らなければならないルールが数多くありますが、ルールから外れないとドローンを飛ばすことができない、ということがあります。

そのような場合には、次の方法として、国から許可・承認を受けて、ドローンを飛ばすという方法があります。航空法は、ドローンを飛ばすために「許可」が必要になる場合と「承認」が必要になる場合とで以下のように場合分けをしています。

    【許可が必要な場合】

  • 空港周辺の空域での飛行
  • 150m以上の空域での飛行
  • 人や家屋の密集地域での飛行
    【承認が必要な場合】

  • 夜間の飛行
  • 目視外飛行
  • 人や建物との間の距離が30m未満の飛行
  • イベント会場上空での飛行
  • 危険物を輸送する場合
  • 物件を投下する場合

このほかにも、公園条例では禁止されているものの、国の許可を受けることでドローンを飛ばすことができる場合や、他人が所有する土地上や河川や海上などでドローンを飛ばす場合には国の許可が必要になるなど、細かいルールが定められていますので、ドローンを飛ばす際には、事前にこれらのルールを確認しておくことが重要です。

もっとも、ドローン飛行に許可が必要となる場合において、許可申請をしさえすれば、誰に対してもドローンの飛行許可が下りるというわけではありません。ドローン飛行の許可申請をするためには、一定の条件を備えていなければなりません。

以下で、詳しく見ていきましょう。

なお、航空法以外のルールを詳しく知りたい方は、「200g以下のホビードローンは規制の対象外!?9つの規制を解説」をご覧ください。

3 ドローンの飛行許可は誰に対しても下りるものではない!

ドローン許可

ドローンの飛行に許可が必要な場合、国に対して飛行許可申請をしなければなりません。もっとも、申請をすれば、誰でもドローンを飛ばすことができるようになるというわけではありません。

たとえば、ドローンの操縦の経験がない人がドローンの飛行許可を申請して、許可が下りたとしたら、どうでしょうか。ドローンを飛ばすことに国の許可が必要とされている区域は、主に航空機の安全を害するリスクや他人に危害を与えるリスクがあると考えられているエリアです。そのようなエリアで、ドローンの操縦の経験がない人がドローンを飛ばすと非常に危険です。

このように、ドローンの飛行許可は誰に対しても下りるものではありません

飛行許可が下りる可能性が高い人とそうでない人とでは、申請者の属性に以下のような違いがあります。

(1)飛行許可が下りる可能性が高い人

ドローンの操縦について一定程度の経験があり、航空法を始めとする関連法令の知識があることなど、一定の要件を満たしている人は、許可が下りる可能性が高いということがいえます。

(2)飛行許可が下りない人

ドローンを飛ばした経験がない人や航空法を始めとする関連法令の知識がない人は、許可が下りません。

次の項目で、申請・承認の許可基準についてもう少し細かく見ていきましょう。

4 申請・承認の許可基準

登録基準

ドローンの飛行に関する許可申請・承認の許可基準は、細かく決められていますが、基本的な許可基準は、以下のとおりです。

  1. ドローンの機能とその性能
  2. ドローンを飛行させる人の飛行経験、知識や能力
  3. ドローンを飛行させる際の体制

いずれも抽象的な基準となっていますので、各基準において、具体的にどのような事項が定められているかについて以下で見ていきましょう。

(1)ドローンの機能とその性能

この基準は、ドローンの「機体そのもの」に求められる基準です。

以下は、この基準の中で定められているものの一部です。

  • 鋭利な突起物のない構造であること
  • ドローンの位置と向きが正確に視認できる灯火または表示を有していること
  • ドローンを飛行させる人が燃料またはバッテリーの状態を確認できること

遠隔操作や自動操縦により飛行させることができる場合には、これらのことに加え、安定した離陸と着陸ができ、また、安定した飛行ができる機体であることが必要になるなど、非常に細かく基準が定められています。

(2)ドローンを飛行させる人の飛行経験、知識や能力

この基準は、ドローンを飛ばす「」に求められる基準です。

以下も、この基準の中で定められているものの一部です。

  • 飛行を予定しているドローンについて、10時間以上の飛行経験があること
  • 航空法などに定められているドローンに関する規制の知識があること
  • 安全飛行に関する知識(飛行の禁止区域や飛行の方法など)があること
  • 飛行前に周囲の安全や燃料などの残量を確認できること

遠隔操作により飛行させることができる場合には、これらのことに加え、安定した離陸と着陸ができ、また、安定した飛行ができることなどがさらに必要になってきます。

(3)ドローンを飛行させる際の体制

この基準は、「ドローンを飛ばす際に求められる体制」の基準です。

以下は、定められているものの一部です。

  • 第三者に対する危害を防止するため、第三者の上空でドローンを飛行させないこと
  • 飛行前に、気象や機体の状況、飛行経路について、安全に飛行できる状態であることを確認すること
  • 飲酒などの影響により、ドローンを正常に飛行させることができないおそれがある間は、飛行させないこと

このように、適切にドローンを飛ばせるだけの体制がとられていることが必要です。

 

以上のように、ドローンの飛行許可申請においては、許可基準が細かく決められていますので、申請にあたっては、それぞれの基準において定められている事項をみたしているかどうかを事前に確認して、申請するようにしましょう。

次の項目で、飛行許可申請手続きについて、具体的に見ていきたいと思います。

※なお、ドローンの飛行許可基準について、詳しく知りたい方は、国土交通省が出している「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領 (本文)」をご覧ください。

5 ドローンの飛行許可申請手続き

手続き

既に説明したとおり、ドローンの飛行について許可が必要になる場合は、ドローンの飛行許可を国に対して申請しなければなりません。申請手続きは、非常に複雑な構造になっていますので、きちんと理解することが重要です。

申請手続きは、大まかにいうと、①申請書の準備、②管轄の申請先へ申請、という順で進みます。

(1)申請の種類

申請書の準備をするにあたり、まず検討しなければならないのが、申請方法です。

というのも、ドローンの飛行許可申請には4つの申請パターンが用意されているからです。

  1. 個別申請
  2. 包括申請
  3. 期間包括申請
  4. 飛行経路包括申請

各申請方法について、以下で詳しく見ていきましょう。

①個別申請

個別申請は、もっとも基本的で一般的な申請方法です。

たとえば、あらかじめ飛行日が決まっていて、かつ、飛行経路(飛行場所)が特定しているような場合は、個別申請によることになります。

②包括申請

あらかじめ飛行日が決まっていたとしても、当日の天候やその他の事情により、その日にドローンを飛ばすことができなくなることは少なくありません。このような場合は、「包括申請」を行うことになります。「包括申請」は、飛ばす日に期間を設ける期間包括申請と飛行経路(飛行場所)に範囲を設ける飛行経路包括申請とに分かれます。

③期間包括申請

当日の天候などにより、決めていた日にドローンを飛ばすことができなくなることは多いに考えられます。このような場合に行う申請が「期間包括申請」です。

期間包括申請によれば、ドローンを飛ばす日に「平成30年〇〇月〇〇日から同年▲▲月▲▲日」といったように期間を設けることで、その期間内であれば、繰り返し、ドローンを飛ばすことができます。この申請に対しては、最大で1年間の許可が与えられます。

④飛行経路包括申請

飛行場所が一か所でなかったり、そもそも一か所に特定できないということも少なくないと思います。このような場合に行う申請が「飛行経路包括申請」です。「飛行経路包括申請」は、以下の場合に行うことができます。

  • 飛行場所がはっきりしていて、複数の場所を予定している場合
  • 飛行場所は特定できないが、予定している飛行範囲がある場合

たとえば、「渋谷」といったように、飛行場所がはっきり特定していれば、飛ばす日が決まっているかどうかによって、個別申請あるいは期間包括申請を行うことになりますが、渋谷のほかに「池袋」「新宿」を飛行場所として予定している場合であったり、飛行場所は特定できないが、飛行範囲を「渋谷区全域」「東京都全域」として予定している場合は、「飛行経路包括申請」を行うことになります。

 

以上のように、単純に申請をすればいいということではなく、申請にはいくつかのパターンがありますので、ドローンを飛ばす日程や場所を事前に検討したうえで、適切な申請方法により申請するようにしましょう。

(2)申請前のチェックポイント

申請方法が決まったら、早速申請書を作成して提出といきたいところですが、申請する目的は、あくまで、ドローンを飛ばす許可をもらうことにあります。

ここでは、申請前にチェックすべきポイントとして、飛行許可をもらうための重要なポイントについて解説していきたいと思います。

以下に示した事項は、申請書の記載事項にもなっており、飛行許可をもらううえで、重要なポイントになります。

  • ドローンを飛ばす目的
  • 予定されている飛行場所でドローンを飛ばす必要性
  • ドローンの機体そのものの安全性
  • 操縦者の技能
  • 飛行マニュアルが作られており、かつ、安全な飛行をする意識・体制の有無

以上に挙げた5点は、申請書を作成するうえで重要なポイントとなります。

言い換えると、以下の5点をクリアできていれば、飛行許可が下りる可能性が高いということがいえます。

  • ドローンを飛ばすに際し、きちんとした理由がある
  • 予定している場所でドローンを飛ばさないと目的を達せられない
  • ドローンの機体そのものに欠陥がない
  • 操縦者において、ある程度の操縦経験がある
  • 飛行マニュアルがあり、安全な飛行をする意識・体制を持っている

申請書を作成するのとともに、申請時に併せて提出を求められる書類を準備する必要があります。申請に必要な書類について、以下で詳しく見ていきましょう。

6 申請に必要な書類

書類

申請時には、申請書とともに提出しなければならない書類が複数あります。

以下は、申請時に提出を求められる書類です。

  1. 無人航空機(ドローン)の飛行に関する許可・承認申請書
  2. 飛行の経路の地図
  3. 無人航空機(ドローン)および操縦装置の仕様が分かる設計図または写真
  4. 無人航空機(ドローン)の機能・性能に関する基準適合確認書
  5. 無人航空機(ドローン)の運用限界および無人航空機(ドローン)を飛行させる方法が記載された取扱説明書等の該当部分の写し
  6. 許可等が必要な内容に応じた追加基準への適合性を示した資料
  7. 無人航空機(ドローン)を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書
  8. 操縦者の過去の飛行実績または訓練実績等を記載した資料
  9. 飛行マニュアル

これらの提出書類のうち、許可・承認申請書などは様式が用意されています。以下に様式のリンクを貼っておきますので、ぜひご活用ください。

【申請書様式】

ダウンロードは航空局ホームページの「無人航空機の飛行に関する許可・承認申請書(様 式)」から行えます。

 

①無人航空機(ドローン)の飛行に関する許可・承認申請書(一部抜粋)

申請書の書式は、下記のものになります。

ドローン飛行申請1

上から順番に確認していきましょう。

ⅰ 申請書の宛先

飛行許可申請は、ドローンの飛行場所や申請者の所在地を管轄する航空局長または空港事務所長などを申請先として申請します。具体的な申請先や管轄などについては、後で詳しく解説します。

ⅱ 飛行の目的

ドローンを飛ばす目的が業務としてなのか、趣味としてなのか、あるいは、その他の目的によるものなのかについて、あてはまる項目にチェックを入れてください。あてはまる項目がない場合は、「その他」にチェックを入れてください。

なお、趣味にチェックを入れた場合は、飛行場所を特定したうえで行う個別申請になりますので、注意してください。

ⅲ 飛行の日時

申請には4つの種類がありますので、申請の種類に応じて、飛行日時を記載することになります。たとえば、

    【個別申請】
    飛行の日時 平成〇〇年〇〇月〇〇日
    【包括申請】
    飛行の日時 自 平成〇〇年〇〇月〇〇日以降の許可・承認を受けた日
          至 平成▲▲年▲▲月▲▲日

といったような記載になります。

包括申請により申請を行う場合の飛行日にかかる期間は、3ヶ月以内とするのが原則ですが、1年間を上限として申請することができます。

ⅳ 飛行の経路(飛行の場所)

飛行の経路については、申請書の別添資料として、以下に示した②飛行の経路の地図を提出しなければなりません。

ⅴ 飛行の高度

「地表等からの高度」に飛行の高度の上限を記載します。150メートル以上の高さの空域を飛行の高度の上限とする場合は、ドローンを飛行する地域を管轄する空港事務所に届け出る必要があり、場合によっては、許可が下りない場合もあります。飛行の高度が高くなればなるほど、航空機との接触などの危険性が高まることから、届出が必要とされているのです。「海抜高度」については、「地表等からの高度」に150メートル以上の高さを記載した場合にのみ記載が必要です。

なお、この場合、申請先が「東京・大阪航空局長」の場合は、記載する必要はありません。

ⅵ 申請事項及び理由

以下の2つの事項にあてはまる場合は、その理由を記載する必要があります。

  • 飛行禁止空域の飛行
  • 飛行の方法

【飛行禁止空域の飛行】

飛行を禁止されている空域での飛行について許可申請する場合は、上段で予定している飛行禁止空域にチェックし、下段において、飛行を禁止されている空域で飛行する理由を記載します。

たとえば、業務としての撮影を予定している地域が「人または家屋の密集する地域の上空」として飛行禁止空域にあたるが、業務を実施するために「人または家屋の密集する地域の上空」で撮影する必要がある、といった記載になります。

【飛行の方法】

禁止されている飛行方法について許可申請する場合は、上段で予定している飛行方法にチェックし、下段において、禁止されている飛行方法で飛行する理由を記載します。

たとえば、業務として予定している撮影は夜間飛行にあたるが、業務を実施するために夜間飛行により撮影する必要がある、といった記載になります。

②飛行の経路の地図

ドローン2

個別申請の場合は、特定している飛行場所の住所とドローンを飛ばす高さを「地表から〇〇メートル」といった表記により申請書に記載します。併せて、上で示した別添資料の「広域図」の部分に、飛行場所を含め、その周辺がわかる広域地図を記載し、「詳細図」の部分には、特定している飛行場所の詳細を記載します。

以上をまとめると、次のような記載内容になります。

    〇〇県〇〇市〇〇区〇〇町〇〇丁目〇〇番の地表から100メートルまでの垂直の経路(詳細は別添資料のとおり)

なお、飛行経路包括申請により申請を行う場合は、飛行経路が特定されていませんので、申請書の「飛行の経路」と別添資料は記載する必要がありません。

 

以上が、申請書の1枚目に記載する内容です。

次に、申請書の2枚目について見ていきましょう。

ドローン申請3

③無人航空機および操縦装置の仕様が分かる設計図または写真

「無人航空機の製造者、名称、重量その他の無人航空機を特定するために必要な事項」には、ドローンの製造者や名称など、ドローンを特定するための情報を記載します。

既に許可を受けているということがないかぎり「別添資料のとおり」にチェックを入れるとともに、別添資料として以下の「無人航空機及び操縦装置の仕様が分かる設計図又は多方面の写真」を作成して提出する必要があります。

ドローン申請4

この書類では、以下の事項を記載します。

    【無人航空機(ドローン)】

  • 製造者名
  • 名称
  • 重量
  • 製造番号等
  • 仕様が分かる資料(設計図または写真)
    【操縦装置】

  • 製造者名
  • 名称
  • 仕様が分かる資料

④無人航空機の機能・性能に関する基準適合確認書

「無人航空機の機能および性能に関する事項」には、ドローンの機能や性能を説明するための情報を記載します。既に許可を受けているということがないかぎり「別添資料のとおり」にチェックを入れるとともに、以下3点の書類を作成して提出する必要があります。これらは、ドローンの機能や性能が一定の基準を満たしているかどうかを確認する書類です。

  • 無人航空機の機能・性能に関する基準適合確認書
  • 無人航空機の運用限界等
  • 無人航空機の追加基準への適合性

ドローン申請5

無人航空機の機能・性能に関する基準適合確認書」では、

  • 飛行させるドローンに関する事項
  • 改造の有無に関する事項
  • 確認事項

の3つの事項について記載する必要があります。

⑤無人航空機の運用限界および無人航空機を飛行させる方法が記載された取扱説明書 等の該当部分の写し

ドローン6

こちらの書類には、

  • 最高速度
  • 最高到達高度
  • 電波到達距離
  • 飛行可能風速
  • 最大搭載可能重量
  • 最大使用可能時間

を記載する必要があります。

記載にあたっては、ドローンのメーカーが作成した取扱説明書などを参考に記載してください。取扱説明書がない場合には、それまでにドローンを飛ばしたことにより得た数値を記載することも可能です。

また、「飛行させる方法」には、ドローンの操縦方法やドローンの点検・整備の方法が記載された取扱説明書などの該当する箇所の写しを添付することで説明に代えることができます。

⑥許可等が必要な内容に応じた追加基準への適合性を示した資料

ドローン申請7

ドローン申請8

無人航空機の追加基準への適合性」では、申請事項に応じて求められる追加基準が記載されています。「適合性」の欄に記載されている追加基準をみたしているかについて、写真などを添付してわかりやすく説明します。

このように、ドローンの機能や性能を確認する書類は、3点セットになっており、この書類の中でドローンの機能や性能について説明することになります。

なお、ホームページに掲載しているドローン(改造されているものを除く)などについては、提出書類について取扱いが異なりますので、注意してください。

⑦無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書

「無人航空機の飛行経歴ならびに無人航空機を飛行させるために必要な知識および能力に関する事項」には、ドローンを飛ばす人がそれに見合う経験や能力を備えているかどうかを判断するための情報を記載します。

既に許可を受けているということがないかぎり「別添資料のとおり」にチェックを入れるとともに、以下3点の書類を作成して提出する必要があります。

  • 無人航空機を飛行させる者一覧
  • 無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書
  • 申請事項に応じた飛行させる者の追加基準への適合性を示した資料

ドローン9

ドローン申請10

無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書」では、確認事項が、「飛行経歴」「知識」「能力」の3つに分かれています。「知識」と「能力」については、それぞれ複数の確認事項が記載されていますので、あてはまる方にチェックを入れてください。なお、「無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書」に代えて、航空局のホームページに掲載されている講習団体などが発行した技能認証の写しを添付することが可能です。この場合、無人航空機を飛行させる者の追加基準への適合性について、技能認証に明示されている場合は、「申請事項に応じた飛行させる者の追加基準への適合性を示した資料」の提出は不要です。

なお、技能認証の写しを添付する場合、その写しには、

  • 発行した団体名
  • 操縦者の氏名
  • 技能の確認日
  • 認証された飛行形態
  • 無人航空機の種類

が記載されていなければなりませんので、注意してください。

⑧操縦者の過去の飛行実績または訓練実績等を記載した資料

⑥と同様に、「無人航空機の飛行経歴ならびに無人航空機を飛行させるために必要な知識および能力に関する事項」に添付して提出する必要があります。

ドローン11

これは、ドローンを飛行させる人の飛行経験を確認する書類です。

審査要領で求められている飛行経験は10時間以上ですので、10時間以上の飛行経験があることを記載してください。また、夜間飛行・目視外飛行・物件投下経験に応じた飛行時間や訓練実績があることをわかるように記載してください。

⑨飛行マニュアル

無人航空機を飛行させる際の安全を確保するために必要な体制に関する事項 」には、ドローンを飛ばす際に求められる体制をとっていることを説明するための情報を記載します。既に許可を受けているということがないかぎり、使用するマニュアルに従って、あてはまる項目にチェックを入れるとともに、飛行マニュアルを作成しなければなりません。このマニュアルには、以下の事項を定めて、これを守る体制がとられていることがわかるように記載してください。

  • ドローンの点検・整備の方法
  • ドローンを飛行させる人の訓練
  • 安全を確保するために必要な方法

なお、マニュアルの作り方がわからないという方は、航空局のホームページに掲載されている航空局標準飛行マニュアルを使うことができます。その場合は、飛行マニュアルの作成と提出は不要です。以下にマニュアルのリンクを貼っておきますので、ぜひご活用ください。

【航空局標準飛行マニュアル】

ダウンロードは航空局ホームページの「航空局標準飛行マニュアル01」「航空局標準飛行マニュアル02」から行えます。

航空局標準飛行マニュアルは、飛行経路(飛行場所)が特定している場合(航空局標準飛行マニュアル01)と、飛行経路(飛行場所)を特定しない場合(航空局標準飛行マニ ュアル02)とで異なっていますので、自分が行う申請の種類に応じたマニュアルを使ってください。

最後に、3枚目には、以下の事項を記載するようになっています。

  • その他参考となる事項
  • 備考

ドローン申請12

以上のように、飛行許可申請書は、添付書類も含めると非常に多く、内容も複雑であるため、ひとつひとつ丁寧に準備していくことが必要になります。

7 申請書の提出先

書類提出先

記入を終えた申請書の提出先は、以下の2つに分かれます。

  1. 空港事務所
  2. 航空局

以下で、順番に見ていきましょう。

(1)提出先が空港事務所となる場合

以下の場合には、その地域を管轄する空港事務所が申請書の提出先となります。

  • 空港周辺の空域における飛行
  • 150m以上の空域における飛行

(2)提出先が航空局となる場合

以下の場合には、東京航空局または大阪航空局が申請書の提出先となります。

  • 人や家屋が密集する地域における飛行
  • 夜間の飛行
  • 目視外飛行
  • 人や建物との間の距離が30m未満の飛行
  • イベント会場上空における飛行
  • 危険物の輸送
  • 物件の投下

さらに、どちらの航空局に申請書を提出するかについては、飛行を予定している地域によって分かれています。

    【飛行を予定している場所が新潟県・長野県・静岡県より東の場合】
    東京航空局
    〒102-0074
    東京都千代田区九段南1-1-15 九段第二合同庁舎
    東京航空局保安部運用課 無人航空機審査担当宛
    TEL:03-6685-8005 FAX:03-5216-5571
    Mail:cab-emujin-daihyo@mlit.go.jp
    【飛行を予定している場所が富山県・岐阜県・愛知県より西の場合】
    大阪航空局
    〒540-8559
    大阪府大阪市中央区大手前4-1-76 大阪合同庁舎第4号館
    大阪航空局保安部運用課 無人航空機審査担当宛
    TEL:06-6949-6609 FAX:06-6920-4041
    Mail:cab-wmujin-daihyo@mlit.go.jp 

申請先が確定したら、いよいよ申請書を提出することになりますが、申請にはいくつかの方法が用意されています。次の項目で見てみましょう。

なお、各空港事務所の連絡先や申請書の提出先について詳しく知りたい方は、国土交通省が出している「本省運行安全課、地方航空局及び空港事務所の連絡先等一覧」をご覧ください。

8 申請方法

提出方法

飛行許可申請には、以下のとおり4つの方法が認められています。

  1. 郵送
  2. 窓口に持参
  3. オンライン申請
  4. 電話、電子メールまたはファクシミリ

これらのうち、4に関しては、事故や災害など緊急時での報道や取材を目的として申請するときなど、例外的な場合にのみ認められる申請方法です。

また、本来は、ドローンを飛ばす人が申請者となりますが、飛行を委託する場合に、委託先の飛行許可などをまとめて申請する場合や、複数人の申請をまとめて申請する場合には、代理人によって申請する「代理申請」が可能です。

これまでに見てきたように、飛行許可が必要な場合は、飛行許可申請をするための書類の準備などにそれなりの手間と時間がかかりますが、許可を得ることで申請対象となっている日時や場所においてドローンを飛ばすことができるようになるのです。もっとも、飛行許可申請に対する許可を得た後も、その申請が包括申請である場合は、一定の報告義務を課せられますので、注意が必要です。包括申請の場合の報告義務について、以下で詳しく見ていきましょう。

9 包括申請の場合の報告義務

報告義務

ドローンを飛ばす日に一定の期間を設けたり、飛行経路(飛行場所)に範囲を設けたりする申請を包括申請といいますが、包括申請をする場合は、報告義務が生じます。

具体的には、包括申請により3ヶ月を超える期間の許可・承認を受けた場合、許可承認期間の開始日から3ヶ月ごとに飛行実績の報告をしなければなりません。

この報告義務は、許可承認期間が終了するまで引き続き課せられる義務です。報告書の記載方法や、提出先などについて、以下で簡単に見ていきましょう。

(1)報告書の書き方

以下は、報告書の様式です。

ドローン申請13

ドローン14

ドローン申請15

報告書とは別に、以下の飛行日時の一覧表と飛行場所の地図を作成して、別紙として提出しなければなりません。

包括申請により許可を受けた人は、許可を受けたことで手続きは終わったものと考えてしまうかもしれません。ですが、以上のように、定期的に飛行実績を報告しなければなりません(飛行実績がなければ、ない旨の報告)ので、忘れないように注意しましょう。

(2)報告先・報告期限

報告先・報告期限⇒http://www.mlit.go.jp/common/001129102.pdf

報告書は、許可承認期間の開始日から3ヶ月後の日(6ヶ月後の日、9ヶ月後の日)から1ヶ月以内にメールや郵送、またはオンラインサービスを利用して提出しなければなりません。もっとも、複数の許可承認を受けている場合は、提出する報告書は同じもので構いません。

報告書は、以下のように許可を与えた機関に対して提出することになっています。

    【国土交通大臣の許可・承認にかかる飛行実績】
    国土交通省 航空局 安全部 運航安全課 無人機飛行実績担当宛
    〒100-8918
    東京都千代田区霞が関2-1-3
    Mail:hqt-mujinki.jisseki@ml.mlit.go.jp
    【東京航空局長の許可・承認にかかる飛行実績】
    東京航空局 保安部 運用課 無人機飛行実績担当宛
    〒102-0074
    東京都千代田区九段南1-1-15 九段第二合同庁舎
    Mail:cab-emujin-jisseki@mlit.go.jp
    【大阪航空局長の許可・承認にかかる飛行実績】
    大阪航空局 保安部 運用課 無人機飛行実績担当宛
    〒540-8559
    大阪府大阪市大手前4-1-76 大阪合同庁舎第 4 号館
    Mail: cab-wmujin-jisseki@mlit.go.jp

これまで主に、ドローンの飛行許可申請手続きについて見てきました。

それでは、許可を受けることが条件となっているにもかかわらず、許可や承認を受けずに、ドローンを飛ばした場合、どのようなペナルティが科されるのでしょうか。以下で簡単に見てみましょう。

10 許可・承認を得ずにドローンを飛ばした場合のペナルティ

罰則

ドローンを飛ばすための条件として、許可や承認を受けることが必要になっているにもかかわらず、許可や承認を受けずに、ドローンを飛ばした場合は、航空法に違反することになります。

航空法に違反した場合、

  • 最大50万円の罰金

という刑罰が科される可能性があります。

罰金刑は立派な犯罪ですので、ドローンを飛ばす際には、許可や承認が必要な場合にあたるのかどうかを事前に確認することが必要です。

11 小括

サマリー

近年、ドローンが活用される場面が多くなっていますが、許可や承認が必要になるケースも少なくありません。このような場合に、許可や承認を受けずにドローンを飛ばしてしまうと、ペナルティを科される可能性がありますので、事前にきちんと確認することが必要です。また、飛行許可申請にあたっては、申請書の記載事項や提出書類などが細かく決められていますので、申請前にきちんと確認をして、申請の準備を進めることが必要です。

12 まとめ

これまでの解説をまとめると、以下のとおりです。

  • ドローンを飛ばす際に許可が必要な場合は、主に①空港周辺の空域での飛行、②150m以上の空域での飛行、③人や家屋の密集地域での飛行、の3つである
  • ドローンを飛ばす際に承認が必要な場合は、主に①夜間の飛行、②目視外飛行、③人や建物との間の距離が30m未満の飛行、④イベント会場上空での飛行、⑤危険物を輸送する場合、⑥物件を投下する場合、の6つである。
  • 許可・承認の基準は、①ドローンの機能とその性能、②ドローンを飛行させる人の飛行経験、知識や能力、③ドローンを飛行させる際の体制の3つである
  • 申請には、①個別申請、②期間包括申請、③飛行経路包括申請の3つの種類がある
  • 許可を受けるための重要なポイントは、①飛ばす目的、②飛行場所で飛ばす必要性、③ドローンの安全性、④操縦者の技能、⑤飛行マニュアルの作成、安全な飛行をする意識・体制の5つにある
  • 許可申請にあたり、主に必要な書類は9点あり、非常に細かく決められている
  • 申請書の提出先は、①空港事務所、または、②航空局である
  • 申請方法は、原則として、①郵送、②窓口持参、③オンライン申請であり、例外的に④電話、電子メールまたはファクシミリである
  • 包括申請により、3ヶ月を超える期間の許可・承認を受けた場合、報告義務が課せられる
  • 航空法に違反した場合、最大で50万円の罰金を科される可能性がある