モバイルオーダーサービス「L.B.B. Cloud」のビジネスモデルを解説

はじめに

2021年2月22日、モバイルオーダーのプラットフォーム「L.B.B. Cloud」を運営する「株式会社LBB」が「おおさか社会課題解決ファンド」を引受先として資金調達を実施したことを発表しました。

モバイルオーダーで決済環境におけるDX化を目指す株式会社LBBは大阪府と連携協定を結ぶ「おおさか社会課題解決ファンド」より資金調達を実施

このサービスの特徴は、商品の注文から決済までを来店前に完結することができる点にあります。
出前とは少し違ったシチュエーションですが、例えば、自分がある店に行って食事をしたいと思っているとします。
お店についたら長蛇の列でしばらく待たなければいけないというのは煩わしいですね。

少し気の利いた店であれば、並んでいる間に注文を受け付けて席が空いたらすぐに食事が出てくる、というオペレーションを採用していますが、そもそも店に行かずに注文し、店に行ったらすぐに食事が出てくるというシステムならより便利ですよね。

マクドナルドが昨年モバイルオーダーを導入しましたが、こういったことが多くの店舗でできると便利ですよね。

マクドナルド、『スマホ注文』全国導入 もうレジに並ぶ必要なし

今回は、決済環境におけるDX化を目指す「L.B.B. Cloud」について詳しく見ていきたいと思います。

1 「L.B.B. Cloud」の概要と特徴


L.B.B. Cloud」はさまざまな業種に対応した、モバイルオーダーのプラットフォームです。
L.B.B. Cloudを導入することにより、商品の注文から決済までを来店前にモバイル端末で完結することができます。

「L.B.B. Cloud」には、以下のような特徴があります。

(1)さまざまな業種に適応

イベント会場やショッピングモール、宿泊施設など、さまざまな業種に対応しているクラウドサービスです。
ターゲット層を限定することなく、幅広く事業を展開しています。

(2)スピーディーな導入

「L.B.B. Cloud」は、最短一週間で導入することが可能です。
アカウントを作成し、サイトデザイン・商品を設定すれば、モバイルオーダーが可能なWebアプリを開設することができます。

(3)カスタマイズできる

「L.B.B. Cloud」がもつ特徴の中でも一番の強みといえるのが、カスタマイズを可能にしているところです。
機能が多く搭載されていると、使いこなせなかったり、操作が難しくないことがあります。

ですが、「L.B.B. Cloud」では、必要な機能だけを搭載するなどして、自分でカスタマイズすることができます。

(4)低コスト

「L.B.B. Cloud」はクラウドサービスである分、コストを抑えることができます。

2 「L.B.B. Cloud」の機能


「L.B.B. Cloud」には、以下のような機能が搭載されているため、業務の効率化に繋がると同時に、顧客満足度のアップを期待できます。

(1)決済に関するすべてを網羅

「L.B.B. Cloud」では、飲食店型・イベント型・フードコート型・リテール型にタイプが分類されており、タイプに応じたさまざまなメニューが搭載されています。

そのため、業種に合ったメニューを選定・運用することができるようになっています。

(2)各種決済サービスに対応

「L.B.B. Cloud」は、クレジットカードをはじめ、オンライン・オフライン決済、後払い決済などの各種決済サービスに対応しています。

その結果、注文業務の負担を軽減することに繋がり、業務の効率化を図ることができます。

(3)待ち時間の短縮

「L.B.B. Cloud」では、商品の注文から決済までを来店前に完結することができます。
そのため、ユーザーは受け取りの時間になったら商品を取りに行くだけということになります。

一般的に、来店後も決済などのためにレジに並ぶなどして、一定の時間を取られることが多いです。
ですが、「L.B.B. Cloud」では、商品を受け取るのみとなりますので、待ち時間を短縮でき、混雑の解消に繋がります。

3 「L.B.B. Cloud」の導入事例


「L.B.B. Cloud」は、実際に以下のような企業により導入されています。

(1)プロバスケットチーム

バスケットに限られず、スポーツ全般の観戦会場では、売店などで軽食や飲み物が販売されていることが多いですが、どこも行列を作っており、商品を手にするまで時間がかかります。
同チームでは、「L.B.B. Cloud」を導入することにより、飲食売店に並ぶことなく、事前に注文したものを受け取ることができるようになりました。

物販においても同様に、試合前日までにモバイルオーダーサービスからグッズの注文・決済をすることで、試合当日は受け取るだけなので、会場内の混雑を緩和することに成功しました。

(2)ドライブスルー

新型コロナウイルス感染症の影響で、人との接触を少なくして、感染リスクを最小限に抑えることが必須となっています。
事前に予約や注文、決済をして、ドライブスルー形式で受け取ることができれば、人との接触はほとんどなく、感染リスクを最小限に抑えることができます。

4 料金体系|マネタイズ


「L.B.B. Cloud」を導入する場合、決済アカウントの開設費用を除き、店舗設定や導入にあたってのサポート、決済アカウント審査フォームの入力支援の提供を無料で受けることができます。
そのため、基本的には、初期費用をかけずに導入することができ、導入後は月額利用料金を支払うこととされています。

また、「L.B.B. Cloud」の強みでもある「カスタマイズ」をした場合には、別途システム保守費用がかかることになっています。

5 まとめ

従来、行列を作るなどして待ち時間の発生を余儀なくされていたユーザーにとって、「L.B.B. Cloud」は非常に便利なサービスです。
待ち時間といった無駄な時間を減らすことにより、ユーザーは購買活動に時間を充てることができるため、お店の売上は伸び、ひいては、社会経済の活性化にも繋がります。
もちろん、現金の受け渡しによる接触機会を減らすことができ、感染症対策にもなります。

LBB社は、2024年~2025年の上場を目指しており、今後もサービスを急速に拡大していくために、既存のサービス「L.B.B.Order」を「L.B.B. Cloud」に完全移行している段階にあります。


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弁護士(東京弁護士会)・中小企業診断士 GWU Law LL.M.〔IP〕/一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科(博士前期・2026年~) 金融規制、事業立上げ、KPI×リスク可視化を専門とする実務家×研究者のハイブリッド。

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