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6千万円調達HotelStyle OS「aiPass」のビジネスモデルを解説

はじめに

2021年1月29日、HotelStyle OS「aiPass」を運営する「CUICIN株式会社」が、プレシリーズAラウンドで総額6,000万円の資金調達を完了したことを発表しました。

宿泊業界のDXを推進するCUICIN株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:辻 慎太郎、以下 クイッキン)は、プレシリーズAラウンドとして、株式会社サイバーエージェント・キャピタル(本社:東京都渋谷区、代表取締役:近藤 裕文、以下 CAC)をリードインベスターに迎え、エンジェル投資家として著名な大冨 智弘氏、他複数の投資家を割当先とする第三者割当増資を実施し、総額6,000万円の資金調達を完了しました。シードラウンドを含め、これまでの累計調達額は1億円となります。                                          
                                      PR TIMESより

新型コロナウイルス感染症により、急速に環境が変化するなかで、宿泊業のDXがよりいっそう求められるようになりました。
今回は、そのような状況下でリリースされたHotelStyle OS「aiPass」について、そのビジネスモデルを中心に解説していきます。

1 非接触型スマートチェックイン機能


「aiPass」の大きな特徴は、スマートチェックイン機能とプラグイン機能にあります。
まずは、「スマートチェックイン機能」について見てみましょう。

従来、ホテルや旅館に宿泊するお客様には、到着時に氏名や住所といった情報を用紙に記入してもらうこと(チェックイン)が一般的でした。
これは、旅館業法に宿泊者名簿を備える義務が記載されていることによるのですが、わざわざ記載するのは単純に面倒ですね。

    旅館業法第6条
    営業者は、厚生労働省令で定めるところにより旅館業の施設その他の厚生労働省令で定める場所に宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の厚生労働省令で定める事項を記載し、都道府県知事の要求があつたときは、これを提出しなければならない。

「aiPass」では、スマートチェックイン機能により、スマホでチェックインを完了することが可能になっています。
そのため、チェックイン時には、現場の業務を最小限に抑えることができ、お客様の待ち時間を減らすことができます。
また、同機能を使って館内や施設周辺の情報をすべて管理できるため、お客様はすぐにこれらの情報を把握することができます。
さらに、チェックアウト時にはお客様の評価を取得できるようになっているため、顧客満足度を把握することもできるのです。

スマートチェックイン機能は、無料で簡単に導入できるようになっています。

2 プラグイン機能


プラグイン機能は、以下の3つのカテゴリーで提供されています。
自由に組み合わることができるようになっているため、ホテルのスタイルに応じた最適なOMS・PMSを実現することが可能です。

(1)マーケティング

属性データや売上、お客様の満足度などを閲覧することにより顧客を分析することができるようになっています。
また、特定の顧客に対して定期的にメールを配信する「メール自動配信」機能が付いています。
マーケティングを組み合わせることにより、顧客のターゲット層や経営課題などを知ることが可能です。

(2)ホスピタリティ

施設内の混雑状況を把握したり、その予測を立てたりすることができるようになっています。
また、旅行者がルームサービスやレストランの予約をスマホからリクエストできるようになっています。

(3)業務の効率化

サイトコントローラーと連携することにより、予約情報を自動で取り込むことが可能になっています。
また、旅行者は自分のスマホから部屋を開け閉めできます(スマートキー)。
このほかにも、クレジットカードを登録することにより、チェックアウト時に滞在中の支払いをまとめてできる決済機能や客室のステータスを変更することにより、清掃の管理を効率化できる清掃管理機能も付いています。

このように、「aiPass」では、スマートチェックイン機能にプラグイン機能を自由にカスタマイズすることにより、最適なOS・PMSを実現できるようになっています。

3 「aiPass」の特徴|メリット


「aiPass」には、以下のような特徴があります。

(1)顧客の管理・分析から自社を知ることができる

チェックインをした顧客のデータを蓄積していくため、顧客の属性や行動データを分析することができます。
その結果、自社の強みや弱みを把握でき、よりいっそうの成長や改善などに繋げることが可能です。

(2)より迅速な対応が可能になる

旅行者は、スマホ一つでルームサービスやレストランの予約を取ることができます。
そのため、より迅速な対応が可能になり、従来にはない接客ができるようになります。

(3)効率的なホテル運用が可能になる

スマートチェックイン機能にプラグインを追加することにより、ホテルのスタイルに合わせた最適なOSなどを実現できます。
その結果、業務の効率化に繋がり、接客に集中することが可能です。

4 利用プラン|マネタイズ


「aiPass」では以下の3プランが用意されています。

(1)Free

お試しで利用したい方向けのプランで、無料で利用することができます。
もっとも、使える機能はスマートチェックイン機能のみとなっています。

(2)Basic

スマートチェックイン機能だけでなく、プラグインを追加したい方向けのプランです。
3万円から利用することが可能になっています。

(3)Customize

カスタマイズしたい方向けのプランです。
スマートチェックイン機能、プラグインに加え、コンサルティングと個別開発が含まれます。
このプランを利用する場合には、問い合わせが必要になっています。

まずは、Freeを利用することにより、初期費用をかけずに「aiPass」を導入できるようになっています。

5 まとめ

宿泊者名簿は法令で定められた義務ですから、全国の宿泊施設で実施されているはずですが、システム化するとなると数百万円単位のコストがかかりますから、未だに手書きで対応している施設もたくさんあると予想されます。
新型コロナ感染症をきっかけとして、「非接触」が推奨されていますから、システム化のニーズは高まっているといえます。

このように法令上なくならないちょっとした手間を共通のシステムで解決するという発想は、成功する確率の高いアプローチであると言えます。
自社でシステム化せずとも、月々数万円の費用(場合によっては無料)で省力化できますから、普及させやすいサービスであると言えます。

そのような要素も取り入れた「aiPass」は、宿泊業界のDX化を支える基幹システムへと成長する可能性を秘めており、今後に注目です。

弊所は、ビジネスモデルのブラッシュアップから法規制に関するリーガルチェック、利用規約等の作成等にも対応しております。

弊所サービスの詳細や見積もり等についてご不明点がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

勝部 泰之 (Yasuyuki Katsube)

   

トップコート国際法律事務所CEO。弁護士として稼働する傍ら、プログラマ・PMとして稼働した経験を活かし、システム開発に関連する業務を多く手掛ける。
法律相談チャットボットサービス「スマート法律相談」開発者。

事務所概要、詳しいプロフィールはこちら

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