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総額4.5億円調達の「モノカブ」のビジネスモデルを弁護士が解説!

モノカブ

はじめに

2020年12月15日、スニーカーに特化した売買プラットフォーム「モノカブ」が総額4.5億円の資金調達を発表しました。

株式会社モノカブ(本社:東京都品川区、代表取締役:濱田航平)は2020年12月15日Gunosy Capital、ユナイテッド株式会社、Heart Driven Fund、YJキャピタル株式会社およびW venturesを引受先とする、総額4.5億円の第三者割当増資を実施したことをお知らせいたします。引き続きも板寄せの仕組みを導入した、売買プラットフォーム「モノカブ」への投資とともに、オペレーションの最適化と採用強化をしてまいります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000033955.html より

今回は、この「モノカブ」について、どのようなビジネスモデルとなっているのかを中心に見ていきたいと思います。

1 「モノカブ」とは

モノカブ

モノカブ」とは、スニーカーを個人間で売買できるプラットフォームです。

モノカブの仕組み

このように、モノカブでは、

  1. 購入者が、モノカブに代金を支払う
  2.    ↓

  3. 出品者が、モノカブにスニーカーを送る
  4.    ↓

  5. モノカブの鑑定後、代金を下ろせるようになる
  6.    ↓

  7. 購入者にスニーカーが届く

という流れで、サービスが提供されます。

ただ、このようなサービスは既存のオークションサイト(Yahoo! JAPANが提供する「ヤフオク!」や、株式会社メルカリが提供する「メルカリ」など)と同様です。

私も、もしスニーカーを売りたい/買いたいと考える場合は既存のオークションサイトの利用を検討すると思います。

そこで、次に、この「モノカブ」サービスが既存のオークションサイトとどう違うのか、特徴を見ていきたいと思います。

2 モノカブの特徴

特徴

モノカブには、以下のような特徴があります。

  1. 鑑定による偽物の廃除
  2. エスクローの採用
  3. 板寄せ式の価格決定システムの導入

1や2は一般的なオークションサイトと共通していますが、3が特徴的なポイントだと思います。

(1)鑑定による偽物の廃除

個人間取引では、常に、偽物をつかまされるリスクが存在します。

以前からすると、偽物のクオリティも高くなっており、写真や見た目だけで判断することが難しくなってきていることも事実です。

モノカブは、鑑定士による鑑定をフェーズとして設けることにより、チェック機能を担保しています。

各商品のページには、「箱と付属品全て揃った新品」「箱の破れがなければ出品可能」などの基準が設けられており、基準に合致した本物のみが購入対象となります。

これにより、購入者は、偽物をつかまされることなく、安心してスニーカーを購入することができるのです。

加えて、モノカブは、独自に偽物の流通データベースを保有しているため、偽物を排除することが可能な仕組みとなっています。

(2)エスクローの採用(ユーザー間のトラブル防止)

購入者と出品者が、直接取引を行う場合には、住所や電話番号を知らせる必要が出てきたり、商品が届かない、代金が振り込まれないといったトラブルが生じる可能性があります。

モノカブでは、このようなトラブルを未然に防ぐために、エスクローを採用することにより、モノカブ経由で、代金を支払ったり、商品を発送したりする仕組みになっているのです。

ユーザーが直接取引をするわけではないため、匿名化を図ることもでき、安心して取引ができるようになっています。

 

※「エスクロー」について詳しく知りたい方は、「3分でわかる!ECサイトでエスクローを導入する際の法的問題とは?」をご覧ください。

(3)板寄せ式の価格決定システムの導入(価格の可視化)

既存のオークション方式による価格決定システムだと、特定商品に需要が集中することにより価格が高騰することが少なくありません。

例えば、「〇〇のスニーカーが1万5000円くらいだったら買いたい」という需要者がいるとします。

一つ一つの出品がバラバラに管理されている既存のオークションシステムでは、当該出品に需要が集中して価格が自分のイメージと乖離してしまった場合、ウォッチ対象を他の出品に切り替えなければなりません。

モノカブでは、スニーカーを株式のように売買できれば最適であるという考えの基に、株式取引で採用されている板寄せ式の価格決定システムを導入しています。

特定商品に需要が集中したとしても、それに対して商品の供給がされれば値段が安定してきますし、もしその商品を「1万5000円なら即時購入してよい」と考えているのであれば予め値段を指しておき約定を待つこともできます(モノカブでは指値の概念を「入札」という制度で実現しています)。

板寄せ方式によって、商品購入までの手間が省けますし、商品ごとの需給が可視化されることによって売主買主にとって満足度の高い取引が促され、結果としてプラットフォームの集客力が高くなります。

3 モノカブの利用手数料(マネタイズ)

手数料

モノカブを利用する出品者と購入者は、それぞれ以下の手数料を負担することとされています。

(1)出品者

出品者において負担することとされているのは、売上金振込手数料の216円のみとなっています。

「売上金振込手数料」とは、モノカブが一時的に預かっている商品代金を出品者が出金する際の手数料のことです。

また、出金申請を行った翌営業日に出金できる「スピード出金」については、売上振込手数料とは別に出金額の1%が手数料としてかかります。

なお、売買の成立後にキャンセルをした場合には、売買価格の20%がキャンセル料として発生することとされています。

(2)購入者

購入者において負担することとされているのは、売買成立時の事務手数料のみです。

具体的には、売買価格の2.8%(税別)を負担しなければなりません。

4 まとめ

モノカブは、スニーカーという「モノ」の売買に株式取引の概念を取り入れた点に大きな特徴があります。

購入者と出品者の双方が納得のいく金額で取引をすることが可能となりますし、価格推移や騰落率という切り口で各商品を選ぶことができるのも競合との差別化ポイントになっています。

今後は、スニーカーだけでなく、さらに商材の幅を広げていくそうですが、この仕組みが様々なコモディティに応用されれば、日常的な売買の過程がデータ化されたり、ひいては消費者物価指数(CPI)などの正確な計測にもつながってくるかも知れません。

どのように事業展開していくかが非常に楽しみなサービスですね。

弊所では、ビジネスモデルのブラッシュアップから法規制に関するリーガルチェック、利用規約等の作成等を行っております。

弊所サービスの詳細や見積もり等についてご不明点がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

勝部 泰之 (Yasuyuki Katsube)

トップコート国際法律事務所CEO。弁護士として稼働する傍ら、プログラマ・PMとして稼働した経験を活かし、システム開発に関連する業務を多く手掛ける。

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