浮気相手から慰謝料請求された!応じるべきケースと3つの対処法とは

2025.01.22
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浮気(不倫)相手から、別れをきかっけに慰謝料を請求されたという方。

「浮気相手からの請求でも慰謝料を支払う必要はある?」「請求が来たら何をしたらいい?」といった疑問や不安があるかもしれません。

結論、浮気(不倫)相手からの請求であっても、慰謝料の支払いが必要になるケースがあるため無視は絶対NGです。

ただし、必ず支払いが必要というわけではなく、払う必要があるかは状況によるので、あなたが慰謝料を支払うべきケースなのかをまず確認しなくてはいけません。

なお、浮気相手からの請求だからと放置していると、後で裁判を起こされて多額の慰謝料を払わなくてはいけなくなるおそれがあるので注意してください。

本記事では、浮気相手から慰謝料請求されたときに支払わなくてはいけない4つのケースや、請求がきたときにまず何をすべきか、慰謝料の相場などを解説します。

ぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】

[articleIndex]

1.不倫・浮気相手から慰謝料請求されたら支払う必要はある?

浮気相手からの慰謝料請求があったら払う必要ある?

浮気・不倫の慰謝料というと、配偶者から請求されるのが一般的で、浮気相手からの請求となると、「そんなことある?」「払わなきゃいけないの?」と疑問に思うことでしょう。

確かに、浮気をしている当事者の間には基本的に不法行為が成り立たないため、慰謝料を払わなければならないケースは多くありません。

しかし、「支払いが必要になるケース」も少なからずあるので、無視はNGです。

浮気相手があなたの行動によって損害を被ったなど「支払いが必要になる4つのケース」(2章で詳しく解説)に当てはまっている場合は、たとえ不倫関係になった相手からでも慰謝料請求が認められるのです。

そのためまずは、請求されたばかりの早い段階で「自分は慰謝料の支払いが必要なケースなのか?」を確認し、弁護士に相談することが大切です。

2.不倫・浮気相手から慰謝料請求されて支払いが必要になる4つのケース

浮気相手からの慰謝料請求が認められる4つのケース

不倫・浮気相手から慰謝料請求されたとき、支払いが必要になる可能性があるのは、以下の4つのケースです。

  1. 浮気相手に既婚者であることを隠して交際していた
  2. 浮気相手が妊娠・出産・中絶をした
  3. 浮気相手と重婚的内縁関係にあった
  4. 浮気相手があなたの配偶者に慰謝料を全額払った

4は「配偶者が浮気相手に慰謝料を請求した」ことが前提なので少し違いますが、基本的には1~3のように「あなたの行動によって浮気相手が大きな精神的苦痛や金銭的損害を被った」場合に慰謝料が認められています。

順番に見ていきましょう。

1)浮気相手に既婚者であることを隠して交際していた

不倫・浮気相手に既婚者であることを隠して交際していた場合や、既婚者だと明かしていても「妻と別れるつもりだ」といった嘘をついて交際していた場合、慰謝料請求が認められるケースがあります。

これらは一般的に「貞操権の侵害」といわれる行為です。

独身と偽って相手を騙し、既婚であれば応じなかった「肉体関係」に応じさせることは、損害賠償請求に値する行為であるとみなされるのです。

ただし、「貞操権の侵害」は以下の条件にも当てはまらなければ認められないため、必ずしも慰謝料を払わなくて良い場合もあります。

【貞操権侵害で慰謝料が認められる4つの条件】

  1. 独身だと偽って相手と交際した
  2. 結婚前提の交際だった
  3. 肉体関係を持った
  4. 証拠がある

詳しくは以下の記事で解説しているので、あわせて確認してみてください。

2)浮気相手が妊娠・出産・中絶をした

浮気相手があなたとの性行為の結果妊娠・出産・中絶などをしており、あなたが中絶を強要したり話し合いから逃げたりといった不誠実な対応をしていた場合、慰謝料請求が認められるケースがあります。

不誠実な対応としては、以下のような例があります。

  • 避妊していると嘘をついて性行為をした
  • 同意の上の妊娠であったのに中絶か出産かの話し合いから逃げた
  • 「結婚する」と約束して性行為に及んだが妊娠したら一方的に破棄した
  • 出産が近づいても認知・養育費の支払いなどの一切に応じず連絡を絶った

ただし、単に同意の上での性行為で妊娠・中絶しただけなら慰謝料を払う必要はありません。

3)浮気相手と重婚的内縁関係にあった

浮気相手と「重婚的内縁関係」にあった場合に慰謝料請求が認められるケースがあります。

「重婚的内縁関係」とは、法的に配偶者はいるものの関係が破綻しているなどの状況で、浮気相手と長期にわたって同居し事実婚状態にあることです。

例えばあなたが正式な配偶者(Aさん)と冷え切った関係にあり、浮気相手(Bさん)と長年にわたって同居している場合は、あなたとBさんの間に内縁関係が認められます。

こうした内縁関係は法的な保護の対象となる可能性があり、あなたがBさんとの関係を一方的に解消しようとしたり、Bさん以外とさらに浮気したりしたときには、Bさんからの慰謝料請求が認められることがあるのです。

4)浮気相手があなたの配偶者に慰謝料を全額払った

不倫・浮気がバレて配偶者から浮気相手に慰謝料請求があり、浮気相手が慰謝料を全額支払った場合は、浮気相手からあなたが払うべき分の金額を請求されるケースがあります。

もともと、浮気相手とあなたは共に不法行為を行っていた関係であり、慰謝料を請求されたなら共同で慰謝料を支払う義務があります。

そのため、あなたの配偶者が、あなたの浮気相手に慰謝料を請求した場合、浮気相手が慰謝料の分担すべき額をあなたに請求できる「求償権」があるのです。

浮気相手が配偶者に慰謝料を全額払ったとき

詳しくは4章の4項で解説します。

3.不倫・浮気相手から慰謝料請求されたときまずやるべき3つのこと

浮気相手から慰謝料請求されたらまずやるべき3つの行動

不倫・浮気相手から慰謝料請求されたら、まずは以下3つの「やるべきこと」を行ってください。

  1. まず不倫・浮気相手の話を聞く
  2. 慰謝料の支払いが必要なケースか確認する
  3. 弁護士に相談し示談を目指す

この手順を取ることで、慰謝料を払わなくてはいけないケースであったとしても、あなたが被るダメージを最小限に抑えられます。

順番に確認していきましょう。

1)まず不倫・浮気相手の話を聞く

まずは不倫・浮気相手の話をよく聞き、あなたに何を求めているのかを理解しましょう。

どうして慰謝料を請求しようと思ったのか、慰謝料をいくら請求しているのか、慰謝料のほかに課された条件はあるかなどを確認します。

不倫・浮気相手からの慰謝料請求の場合、2章で述べたケース以外で慰謝料の支払いは基本的には必要ありません。

ですが、「慰謝料を払う必要がないから」とただ話も聞かずに相手を突っぱねてしまうと、相手も感情的になり、話がこじれてトラブルになるおそれもあります。

平和的な解決を目指すためにも、まずしっかりと相手の話を聞く姿勢を持つことが大切です。

丁寧に対応すれば、状況によっては慰謝料請求を取り下げてもらえる可能性もあります。

2)慰謝料の支払いが必要なケースか確認する

相手の請求通りに慰謝料を支払う必要があるか、請求されている金額は妥当かをチェックしましょう。

2章「支払いが必要な4つのケース」に当てはまるかを確認してください。

2章で述べた以外、例えば「単に別れた腹いせに慰謝料請求してきた」といったケースなら、基本的に支払いの必要はありません。

また、慰謝料の金額についても、相場から大きく外れた高額の請求であれば、交渉によって減額できる余地があります。

3)弁護士に相談し示談を目指す

なるべく早いうちに弁護士に相談し、示談に向けた話し合いを進めましょう。

慰謝料請求に対しては、裁判に発展するなどの大事にならないうちに、示談を成立させて解決を図るのがベストです。

慰謝料をできるだけ低く抑えられれば、なおのこと理想的です。

弁護士に頼むことで、慰謝料が高額すぎる場合は減額の為の交渉もしてもらえますし、間に入ってもらえれば浮気相手と感情的になってやり取りするような事態も避けられます

示談書に「第三者に口外しない」などの守秘義務の条件を設け、早期に合意することで、配偶者や職場へバレるリスクも抑えられるのです(詳細は7章で解説)。

4.不倫・浮気相手から慰謝料請求されたときの相場

浮気相手から請求される慰謝料の相場は

不倫・浮気相手から請求される慰謝料の相場は、「支払いが必要なケース」によって大きく異なります。

個別の状況によっても金額は変わるので、いくらとはっきり言うことは難しいですが、大体50万円~300万円ほどと考えておいてください。

各ケースの相場について詳しく見ていきましょう。

1)貞操権侵害の相場

貞操権を侵害したことによる慰謝料の相場は、大体50万円~200万円ほどです。

交際期間が10年近くに及ぶなど長期で、相手を妊娠・中絶させているなど、相手の人生に大きな影響を及ぼした場合ほど慰謝料は高額になりやすいです。

高額の事例では、500万円の慰謝料が認められたケースもあります。

ただし、そこまで高くなることはめったになく、200万円以下に落ち着くケースが多いでしょう。

【慰謝料が高額になりやすい条件】

  • 交際期間が10年以上など長期にわたっていた
  • 独身であるとアピールして相手を騙していた
  • 相手と結婚するつもりがあると繰り返し嘘をついていた
  • 相手が妊娠・出産した
  • 相手の社会的地位や名誉を損なう影響があった

【慰謝料が低くなりやすい条件】

  • 交際期間が1ヶ月程度など短い
  • 肉体関係が1度切りだった
  • 結婚を前提としていない付き合いだった
  • 不倫であることをお互い了解していた

2)浮気相手が妊娠・中絶した場合の相場

浮気相手が妊娠・中絶した場合の相場は、50万円~200万円ほどです。

同意のもとで妊娠・中絶をしただけでは慰謝料は認められないことが多いですが、中絶を強要したり、出産時期になってから一方的に婚約を破棄したりといった不誠実な対応で慰謝料が高くなる可能性があります。

【慰謝料が高額になりやすい条件】

  • 中絶を強要した
  • 避妊すると言いながら避妊せず性行為に及んだ
  • 中絶費用や治療費を浮気相手が負担した
  • 中絶するか出産するかなどの話し合いから逃げた
  • 出産に前向きな姿勢を見せながら生まれたら連絡を絶った

【慰謝料が低くなりやすい条件】

  • 合意のもとで性行為をし妊娠した
  • 中絶に関して話し合いのうえお互い合意の上で行った
  • 経済的補償をすでに一部提供している

3)重婚的内縁関係の解消・浮気した場合の相場

重婚的内縁関係の解消・浮気した場合の相場は、50万円~300万円ほどです。

内縁関係であっても、不貞行為があったり、一方的な関係解消を求められたりしたときには慰謝料請求が認められます。

また、不貞行為や関係解消を言い出したわけではなくても、DVやモラハラを行っていたとして慰謝料請求されるケースもあります。

ただし、一般的な夫婦が離婚に至った場合よりも金額は若干低くなるケースが多いです。

【慰謝料が高額になりやすい条件】

  • 長期間にわたり婚姻関係に準じた生活を送っていた
  • 財産の共有や子供の出産・養育など、法的に婚姻に近い状況があった
  • 内縁関係を「別の相手を見つけた」などの身勝手な理由で一方的に破棄した

【慰謝料が低くなりやすい条件】

  • 内縁関係が短期間だった
  • 内縁関係が既に破綻していた
  • 内縁関係であったと証明できるものがなかった

4)浮気相手から慰謝料の負担を求められた場合の相場

配偶者が浮気相手に慰謝料を請求したことで、浮気相手があなたにも慰謝料を負担するよう求めてくる(求償権)とき、あなたが支払う金額の相場は状況によって異なります。

一般的には、不倫・浮気の慰謝料は50万円~300万円が相場とされるので、その間の金額を浮気相手と分担することになります。

どれくらいの比率で分担するかもケースバイケースです。

配偶者がいる側が6:4や7:3と多めに支払うことが多いですが、さらに悪質と判断された場合は9:1といった比率になることもありますし、お互いに責任があるとして5:5のこともあります。

【慰謝料が高額になりやすい条件】

  • 夫婦間の関係が悪化し、別居や離婚につながった
  • 子どもがいる家庭である
  • 長期にわたって浮気・不倫をしていた
  • 不貞行為の回数が多い

【慰謝料が低くなりやすい条件】

  • 離婚や別居には至っていない
  • 元の夫婦の関係が既に破綻気味だった
  • 不倫・浮気の期間が短い
  • 不貞行為の回数が少ない

また、あなたが配偶者と今後も関係を継続する(離婚しない)場合、浮気相手に請求された慰謝料を分担することで、結果的にあなたと配偶者の「家計」にもたらされる取り分が減ってしまうという考え方があります。

浮気相手から慰謝料の負担を求められたとき

上の画像は、妻が夫の浮気相手に150万円の慰謝料を請求したものの、夫と浮気相手は共同で責任を負わねばならないため、浮気相手が夫に対して慰謝料分担のため90万円を請求した例です。

こうなると、家計単位で考えた場合、夫婦は60万円の慰謝料しか受け取れません。

このため、慰謝料の減額を条件に「求償権の放棄」を相手から打診してくることもあり、その方が一回で支払い手続きを終えられることから受け入れるケースもあります。

求償権の放棄を条件に加えたとき

この方法をとった場合は、あなたから浮気相手に慰謝料を払う必要はなくなるでしょう。

5.不倫・浮気相手から慰謝料請求されたときの流れ

浮気相手の慰謝料請求 流れと取るべき手順

慰謝料を請求されたとき、解決までにどのような流れで進むのかを確認しておきましょう。

今後やるべきことの手順を把握しておくことで、冷静な対応ができます。

順番に確認していきましょう。

1)慰謝料請求の内容を確認する

まずは、相手から送られてきた請求の内容を確認します。

請求金額と、なぜ請求してきたのかの理由が書かれているはずなので目を通しましょう。

金額が妥当かどうか、交渉の余地がありそうかなどもチェックしてください。

請求に不備がある場合や、実際に支払わなくてよい場合もあるので、請求が届いたからといって慌てて支払いに移る必要はありません。

2)弁護士に相談・依頼する

慰謝料請求を受けたら、弁護士に早めに相談・依頼することをおすすめします。

相手が弁護士を立てていることも多いので、自力で対応しようとした場合、下手をすると相手のペースで押し切られてしまう可能性があるからです。

また、弁護士に間に入ってもらえれば、相手方との直接のやり取りを避けられるため精神的負担を軽減できますし、慰謝料を減額するための働きかけもしてもらえます。

無料相談を受け付けているところも多いので、弁護士費用や実績なども考慮しながら、どの弁護士に相談するか決めると良いでしょう。

ただし、弁護士費用にかかる数十万円よりも慰謝料の請求額の方が小さい場合は、弁護士に頼まない選択肢もあります。

3)示談交渉をする

弁護士を通じて、示談交渉をします。

請求額が相場よりはるかに高額である場合は、妥当な範囲に落ち着くよう減額交渉を進めてもらいましょう。

慰謝料の金額、支払方法、支払い期日、示談の条件、誓約事項などを具体的に話し合い、示談の条件を確定させてください。

4)示談書を作成する

交渉がまとまったら、合意した内容をもとに示談書を作成します。

示談書には、慰謝料の金額や支払い方法、その他の合意事項を具体的に記載します。

相手によっては後から追加で慰謝料を請求してくる可能性もあるため、書面で「今回の件での慰謝料は◯◯万円」のように書き、一度の支払いで合意した旨をはっきりと示しておきましょう。

また、第三者に口外されることがないよう、守秘義務についても合意を取った上で盛り込んでおくことが大切です。

5)合意できないときは裁判で解決する

慰謝料金額で合意が取れないなど、どうしても示談交渉がまとまらない場合は裁判になる場合があります。

裁判は、慰謝料を請求している側(あなたの浮気相手)が起こすのが一般的です。

弁護士と相談しながら自身の主張を裏付ける証拠を整理し、備えてください。

裁判所が決定した慰謝料額や支払い条件には法的拘束力があるため、結果が出たら速やかに従いましょう。

とはいえ、浮気相手も裁判を起こそうとすると費用がかかるので、裁判にまで発展することはそれほど多くありません。

6)慰謝料を支払う

慰謝料の金額が示談や裁判を通して決まったら、慰謝料の支払い手続きを取ります。

支払い方法、支払い期日などを守って入金しましょう。

支払いを無視したり滞らせたりすると、強制的に差し押さえとなる可能性もあるので注意してください。

6.不倫・浮気相手の慰謝料請求を無視してはいけない!負うことになる3つのリスク

浮気相手からの慰謝料請求を無視する3つのリスク

不倫・浮気相手からの慰謝料請求があったとき、その内容がどんなものであれ、無視することはおすすめできません。

慰謝料請求を無視することにはさまざまなリスクがあり、場合によっては負わなくて良かったダメージを負うことになるからです。

どのようなリスクがあるのか確認しておきましょう。

1)裁判を起こされてしまう

慰謝料請求を無視することで、相手から裁判を起こされる可能性があります。

裁判に発展すると、示談で済ませた場合よりも多くの弁護士費用が必要になりますし、配偶者に不倫の事実を隠すのも難しく、知られてしまう可能性が高いです。

さらに裁判そのものも無視した場合は、相手の主張が全面的に認められ、本来なら減額交渉できたはずの慰謝料を全額支払わざるを得ない状況になるおそれもあります。

とはいえ、裁判にはお金がかかるので、浮気相手もほとんどの場合は示談に応じてくれます。

注意しておきたいのは、中にはお金が余計にかかることを承知で「相手が痛い目にあえば」と裁判を起こしてくる以下のようなケースもあることです。

現在慰謝料請求の裁判中です。裁判弁護士依頼料+成功報酬です。

慰謝料は弁護士費用と成功報酬でほとんど消えると思いますが、何のお咎めも無くのうのうと暮らして居る事に腹が立ち起こしました。

相手が少しでも痛い目にあえばと思い裁判しました。

引用:Yahoo!知恵袋

裁判になる前に示談での解決を目指すのが一番ですが、このようにどうしても裁判を起こされるケースもあるので、最初から弁護士に対応を依頼しておくと安心です。

2)家庭や職場に不倫・浮気の事実をバラされる

慰謝料請求を無視することで相手を怒らせてしまい、家庭や職場に不倫の事実を暴露される可能性があります。

家庭にバラされた場合は配偶者や子供との関係を悪くし、最悪の場合は離婚や別居などにつながりかねません。

職場にバラされた場合は社内での信用を失いますし、浮気相手が同じ職場だった場合は社内の風紀を乱したとして何らかの処分が下される可能性もあります。

浮気相手が故意にあなたの家庭や職場に事実をバラそうとすることは「脅迫罪」「名誉棄損罪」などにあたる可能性がありますが、それでも構わず連絡してきた場合、止めることは難しいでしょう。

3)相手の行動が過激化するおそれがある

慰謝料請求を無視することで、相手の行動が過激化する場合もあります。

感情的になった相手が脅迫的な連絡を繰り返したり、ストーキング行為に及んだりするケースもあるのです。

こうした行為がエスカレートした結果、家族や友人への危害につながることもありえるでしょう。

このように事態が悪化してしまうと丸く収めるのは難しくなります。

相手に冷静になってもらうためにも、慰謝料請求は無視せず、まずは相手と向き合ってきちんと話し合うところから始めるのが大切です。

7.不倫・浮気相手から慰謝料請求されたらすぐ弁護士に相談しよう

浮気相手から慰謝料請求されたら弁護士へ相談を!

これまで解説してきたように、不倫・浮気相手から慰謝料請求されたときには弁護士への相談が安心です。

弁護士に相談すると以下4つのメリットがあり、浮気相手からの慰謝料請求によるさまざまなリスクやダメージを最小限に抑えられるからです。

  1. 示談交渉をスムーズに進められる
  2. 慰謝料の減額を交渉してもらえる
  3. 裁判が起こされたときも対応できる
  4. その他トラブルがあったときも対処してもらえる

順番に確認しておきましょう。

1)示談交渉をスムーズに進められる

第三者である弁護士に任せることで、浮気相手との直接のやり取りを避けられ、スムーズに示談交渉を進められます

家庭や職場に不倫・浮気した事実がバレないようにしたいなら、なるべく早くに示談を成立させ、第三者に口外しない約束を取り付けることも大切です。

弁護士に任せれば、相手の慰謝料請求に応じる必要があるかどうか、金額は妥当かなどについても素早く判断してもらえますし、示談の条件もあなたの不利になりすぎないように交渉してくれます。

浮気相手と直接交渉すると、お互い感情的になって話がこじれてしまうおそれがありますが、弁護士が間に入ってくれればその心配もいりません。

あなたが自力で1から対応するよりも、スピーディな示談成立が見込めるでしょう。

2)慰謝料の減額を交渉してもらえる

弁護士に頼めば、慰謝料の金額をなるべく低く抑えられるよう減額交渉をしてもらえます。

特に相手の請求金額が相場よりも高い場合は、大幅な減額が見込めるでしょう。

弁護士費用は、どのような案件かにもよりますが、「着手金(10~30万円)+成功報酬(減額に成功した金額の10~20%)」となっていることが一般的です。

例えば300万円の慰謝料請求があり、着手金30万円・成功報酬20%の弁護士を使って70万円にまで減額できたケースで考えてみると、以下のようになります。

  • 減額できた金額:230万円
  • 弁護士費用:76万円(着手金30万円+成功報酬46万円)
  • 弁護士利用によって助かった金額:154万円

このように、相手の請求金額が何百万といった大きな金額であるなら、弁護士費用よりも減額できる慰謝料の方が大きく、十分に依頼するメリットがあります。

2)裁判が起こされたときも対応できる

慰謝料請求が示談交渉で解決しなかった場合、相手が裁判を起こす可能性があります。

こうした事態に備えるためにも、弁護士に依頼しておくと安心です。

裁判では、証拠の提出や法律に基づいた主張が求められるため、専門知識がない状態で対応するのは難しいですし、対応するために多くの時間を取られます。

最初から弁護士に依頼していれば、裁判に至るまでの経緯を十分に知ってもらえているので、必要な準備や手続き全般を任せられるのです。

また、裁判の結果が不利になりそうな場合でも、なるべく損害を最小限に抑えられるような対策を立ててくれるでしょう。

3)その他トラブルがあったときも対処してもらえる

浮気相手が慰謝料請求以外にも嫌がらせやつきまといなどの問題行動をしてきた場合、弁護士であれば即対処してもらえます。

具体的には、警察まで同行して被害届を出すためのサポートや、証拠を収集するためのアドバイスをしてもらえます。

深刻化した場合は、接触禁止命令を求める手続きなども進めてもらえるでしょう。

こうした弁護士の法的サポートが受けられると分かっていれば、万が一のトラブルがあっても安心です。

8.まとめ

不倫・浮気相手から慰謝料請求されたとき、浮気相手からといっても「支払いが必要なケース」もあるので、放置したり無視したりするのはNGです。

あなたの状況が「支払いが必要な4つのケース」に当てはまっているかを、まずは確認してみましょう。

  • 【ケース1】浮気相手に既婚者であることを隠して交際していた
  • 【ケース2】浮気相手が妊娠・出産・中絶をした
  • 【ケース3】浮気相手と重婚的内縁関係にあった
  • 【ケース4】浮気相手があなたの配偶者に慰謝料を全額払った

慰謝料請求への具体的な対応としては、浮気相手が何を求めているのか話をよく聞くところから始めます。

さらに、今回は支払いが必要なケースにあたるのかを確かめ、弁護士に相談して慰謝料の金額を最大限下げた上での示談での解決を目指すのです。

慰謝料の相場は大体50万円~300万円なものの、個別のケースによって金額は変わってきます。

不倫・浮気相手から慰謝料を請求されたときは、スピーディに示談での解決に持ち込むためにもなるべく早く弁護士に相談してください。

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弁護士/シリアルアントレプレナー 司法試験合格後、LegalTech Startupを起業。数度のファイナンスを経た後M&Aを通じた事業売却を経験するなど、複数回の大型調達・EXITを経験。事業計画と投資家コミュニケーションに強みを持つクローザータイプの弁護士。

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